イランが北朝鮮に「代理核実験」頼む可能性も イスラエル識者の分析

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聞き手・牧野愛博
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 米国とイスラエルがイランの核施設を攻撃しました。イランと北朝鮮は従来、ミサイルや核開発などで協力関係にあると言われてきました。東アジアの安全保障に詳しい、バルイラン大学(イスラエル)のアロン・レフコウィッツ・アジア研究学部長は今後、イランが核不拡散条約(NPT)から脱退する事態や、北朝鮮に「代理の核実験」を要請する可能性などが考えられると語ります。

 ――なぜ、イスラエルはイランの核施設や革命防衛隊幹部らを正確に攻撃できたのですか。

 イスラエルはイランで長い間、優れた諜報(ちょうほう)活動を行い、革命防衛隊や政界、軍事組織での現地協力者を得ることができました。もう一つの重要な要素は、イスラエル空軍が脅威を受けずにイランを攻撃できたことです。数カ月前のシリア軍事施設への攻撃によって、イスラエル軍はイランに至る安全な飛行経路を確保していました。

 ――トランプ米大統領はなぜ、イラン攻撃を承認したと思いますか。

 ひとつは、イスラエルの軍事的成功によって、イランを攻撃するコストが非常に限定的だと考えたかもしれません。核施設だけを攻撃目標にすることは、世界で肯定的に捉えられる可能性もありました。さらに、限定的な攻撃とワシントンによる「再攻撃はない」という声明を出せば、イランは反撃を自制すると考えたのかもしれません。あるいは、トランプ氏に対し、攻撃を求める政治的圧力があった可能性もあります。

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
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