テキサス洪水の死者82人に キャンプ中の少女ら含む41人行方不明

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ワシントン=高野遼
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 米南部テキサス州でキャンプに参加していた少女らが巻き込まれた洪水の被害は、6日時点で、死者数が子ども28人を含む82人に達した。米メディアが報じた。行方不明者は少なくとも41人にのぼり、発生から3日目となったこの日も懸命な捜索活動が続いた。

 洪水があったのはテキサス州を流れるグアダルーペ川。4日未明に「4カ月分の雨がたった数時間で降った」(CNN)という。流域の町ハントでは、前夜に約2メートルだった川の水位が、午前6時までの1時間あまりで9メートル近くに急上昇した。氾濫(はんらん)した川の水が家屋や車両を押し流し、キャンプ場が点在する丘陵地帯を襲った。

 最も被害が大きかった州内のカー郡では、キリスト教系の夏季キャンプ「キャンプ・ミスティック」に参加していた少女らのグループが、就寝中に洪水に襲われた。AP通信によると、キャンプ場周辺では建物の壁が破壊され、木々がなぎ倒された跡が残されている。

 地元当局の会見によると、同郡では子ども28人の死亡が確認された。さらに、キャンプに参加していた10人が行方不明となっている。

 洪水の恐れがあると数日前に州当局から警告が出ていたにもかかわらず、キャンプ場から事前に避難できなかった経緯について、疑問視する声も上がっている。また、地元では以前からサイレンなどの警報システムが検討されていたが、予算上の問題で見送られていたとも報じられている。

トランプ氏、大規模災害宣言に署名

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この記事を書いた人
高野遼
コンテンツ編成本部次長
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国際ニュース
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    小谷哲男
    (明海大学教授=外交・安全保障)
    2025年7月7日8時21分 投稿
    【視点】

    政府効率化省が国立気象局や連邦緊急事態管理庁(FEMA)の人員削減を始めた際、今回のような事態が起きる可能性が指摘されていた。すでに米メディアでは、両機関の人員削減が被害の拡大につながったという指摘が出始めている。トランプ大統領は大規模災害

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    三牧聖子
    (同志社大学大学院教授=米国政治外交)
    2025年7月7日10時25分 投稿
    【視点】

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