体に入るプラスチック、健康懸念の報告続く 日常生活でできることも

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玉木祥子
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 環境や健康への悪影響が懸念されるプラスチックが、様々なルートから人の体内に入り込んでいることがわかってきた。人体へのリスクについても、研究が進みつつある。多くのプラ製品に囲まれた生活の中で、便利さと安全をどう考えたらいいのか。また、私たち自身が注意できることはあるのか。

ペットボトルの水から24万個

 1リットルのペットボトル飲料水には平均24万個の微小なプラスチックが入っている――。

 米コロンビア大の研究チームは2024年1月、米科学アカデミー紀要にそんな調査結果を発表した(1)。9割は「ナノプラスチック」(ナノメートルは100万分の1ミリ)で、残りがそれよりも大きい5ミリ以下の「マイクロプラスチック」だったという。製造過程での混入や、ボトルに衝撃や熱が加わることでプラスチックの粒子がはがれ落ちたり、キャップの開け閉めによる摩擦で粒子が水に混入したりする可能性が指摘されている。

 18年に別の米国チームが発表していたのは、ペットボトル飲料水1リットルあたり平均325個(2)。この数年で、ペットボトル内のプラの量が急増したわけではなく、装置の精度が上がり、ナノプラなどの非常に細かい粒子が分析できるようになったためだという。

 他にも、海に流れ出たプラス…

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    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2025年7月7日6時0分 投稿
    【視点】

     気になっていたトピックです。  筆者はついついプラスチックのタッパーウェアや安いプラスチック袋などを使ってしまうのですが、タッパーウェアに食品を保存するだけも、微量のプラスチック成分が出てしまうというレポートもあるそうです。タッパーウェ

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    高橋真樹
    (ノンフィクションライター)
    2025年7月13日19時31分 投稿
    【視点】

    マイクロプラスチックの問題は、なんとなく遠い海で起こっている話のように感じがちですが、この記事にあるとおり、すでに私たちは毎日身体に取り込んでしまっています。記事で紹介されているようなことを心がけることで、できるだけ取り込まないようにするの

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