今週のお題「自分で作った◯◯」というわけで,このブログのメインテーマであるリローディングど真ん中のお題で「自分で作った弾」といきましょう.
少し前まで戦争の影響で火薬や雷管の入手が困難だった時期が続いていました,今は潤沢とは言わないまでも多少流通はしています.ただし価格は爆騰.火薬は倍,雷管に至っては3〜5倍くらいになってるようです.それに比べれば,工場装弾(実包として完成状態で販売されているもの)の高騰はそこまでではないので,よく流通しているキャリバ,例えば 308Win などになると手組みした方が高くつくなんていう状態になっています.
とはいえ,好みのレシピ(薬量や弾頭の組み合わせ)で作れることは,リローディングの利点ですし,マイナーなキャリバを使っている人は工場装弾の入手がもともと困難なので,そもそもリロードするしかないわけですから,これからも細々とリローディング業界は続いていくのでしょう.苦笑
さて私も近々射撃会があるので作っていきますよ.前回使用済みの薬莢はクリーニングやリサイズ(発砲によって広がった薬莢を適正な大きさまで金型を使って成形する)などを済ませた状態でストックしていますので,そこから取り出して,まずは雷管を取り付けます.

priming
グリップを握って雷管を圧入するプライミングツールという道具を使っています.その次に火薬を入れます.

charging powder
パウダーメジャーで設定した量の火薬を入れます.入れ終わったら全ての薬莢に火薬が入っているかを上からのぞいて確認します.

powder check
火薬は入れすぎるとあぶないからチェックしていると思われるかも知れませんが,実はそんな風に見ているのではありません.
適正な種類の火薬を使う限りは,薬莢一杯に火薬が入っていても燃焼圧力は危険な領域にはならないようになっています.では何を見ているかというと,火薬を入れ忘れた薬莢が混ざっていないかを見ているのです.銃身の内径は弾頭の外径よりも少し小さくできていて,銃身内部に掘られた溝に沿って無理矢理回転させられながら射出する構造です.ですから銃身を通り抜けるにはとても大きな圧力で押し続ける必要があります.ところが火薬を入れ忘れると,雷管の爆発力だけで弾頭が銃身内に進入することがあります.しかし雷管の爆発力は時間的に持続するものではないため銃身を通り抜けることができず途中で弾頭が止まってしまいます.そして停弾に気付かないで次弾を発砲してしまうと,銃身が破裂して周囲の人が怪我をする可能性があるわけです.
というわけで,リローディングする際には火薬が入っていないままで組み上げないように確認することが大事なわけです.
次は弾頭装着です.

ready to seat
圧入には専用のシーティングダイという道具を使います.

reloading dies for 30-06
これは 30-06 のリローディングに使っているダイのセットで,一番左のシーティングダイをここでは使います.なお真ん中と右はサイジングダイで薬莢本体の大きさを適正サイズまで小さくするダイ,上にあるのはクリンプダイといって薬莢が弾頭をしっかりと把持するように薬莢開口部を狭めるダイです.
ダイをプレスにセットしてから,火薬の入った薬莢をシェルホルダにセット.薬莢に弾頭を載せます.

bullet seating
写真はないけど,プレスのハンドルを操作すると,ホルダが上昇して上部のダイに入っていき,弾頭が薬莢に圧入されます.そして出来上がり.

done!
あとは射撃場に行って撃つだけですね!