年齢を重ねると、「母だから」「妻だから」「仕事を持つ人だから」と、
さまざまな役割に自分を押し込めてしまうことがあります。
家族や周囲の期待を優先し、自分のことは後回しにしてしまう。
周りからは「しっかりしているね」と言われても、
心の奥では「私は本当にこれでいいのだろうか」とモヤモヤが残る。
私自身も長い間、その繰り返しでした。
けれども人生は、まだまだつくり直すことができます。
今からでも、自分らしく軽やかに生きることは可能です。
そのためには大きな決断ではなく、小さな行動を積み重ねることが大切です。
「いつかやろう」と思っていたことを
、思い切って「今」始めてみるのもその一つ。
完璧な準備はいりません。
家事の合間の10分、通勤の隙間時間、本を一ページ読むだけでも
未来は静かに動き始めます。
未来を開く鍵は「まずやってみる」ことにあります。
また、自分の中に芽生えた違和感を見過ごさないことも大事です。
「なんとなく合わないな」と心がつぶやいたとき、
それをなかったことにすると、後で大きなストレスになります。
違和感は心からのメッセージ。
無理に合わせるのではなく、「私はここに居心地の悪さを感じている」と
認めるだけで、自分を守る力になります。
人の目を気にしすぎるより、自分の本音を優先することも欠かせません。
「どう思われるか」より「私はどう感じるか」。それを大事にすると、
他人の評価に振り回されず、自分の軸がしっかりしてきます。
かつての私は「母親なんだからこうすべき」と無理を重ねていましたが、
「私はこれが好き」「これをやってみたい」と小さく声に出すたびに、
心が軽くなるのを感じました。
日常の言葉の選び方も、自分らしさを取り戻す大きなヒントになります。
つい「ごめん」と謝ってしまう場面でも、「ありがとう」に言い換えると
場の空気は温かくなります。
「遅れてごめんね」ではなく「待ってくれてありがとう」。
それだけで相手も自分も気持ちが和らぎます。
自分の生活の主導権を他人に渡さないことも大切です。
「みんながそう言うから」と流されてしまえば、
人生は他人の手の中で形作られてしまいます。
小さなことでいいのです。
今日着る服を自分で選ぶ、夕食の献立を「私はこれが食べたい」で決める。
そうやって日々の小さな決断を重ねていくうちに、
「私の人生は私が決めていい」という実感が育っていきます。
学びに時間を使うことも、自分らしい生き方を育む習慣です。
本を読む、資格を取る、趣味に没頭する。それらは決して無駄ではありません。
むしろ未来への投資です。
私自身、50代を過ぎてから新しいことを学び始めたことで、
視野が広がり、自分の可能性をもう一度信じられるようになりました。
未来は「自分で決めていい」と思えることも重要です。
世間の常識や家族の期待に縛られると、
どう生きたいかを考える余地がなくなります。
けれど本当は、未来を描く権利は自分自身にあります。
「こうあるべき」ではなく「私はこう生きたい」と思える瞬間から、
人生は自由に開けていくのです。
そして、家の中でも「母」「妻」といった役割だけで自分を埋めないようにすること。
自分自身の時間を持ち、趣味に心を遊ばせる時間を忘れないこと。
その積み重ねが、「私は私でいい」と思える感覚を育ててくれます。
自分を大切にする人は、不思議と周囲からも自然に大切にされるのです。
もちろん、人は変わることを本能的に嫌います。
脳には「現状維持バイアス」があり、
変化を危険だと判断して抵抗しようとするからです。
だから「変わろう」とするときに苦しさを感じるのは当たり前なのです。
私自身も、何度も「変わりたいのに変われない」と立ち止まった経験があります。
でも、脳は新しい習慣を繰り返すことで「これで大丈夫」
と書き換えられていきます。
だからこそ一気に変わろうとせず、小さな行動を繰り返すことが大切です。
わずかな一歩でも、「やった」という体験を積み重ねるうちに、
変化は当たり前に変わっていきます。
何歳になっても「もう遅い」ではなく「ここからが本番」と思うことはできます。
未来は待つものではなく、自分の手でつくるもの。
今日という一日をどう選ぶかで、これからの人生は大きく変わっていくのです。
あなたは今日、どんな小さな一歩を選びますか?
今日からできる3つの小さな実践例
🌱 「療育ノート」を1行だけ自分の気持ちで埋める
子どもの記録を書くだけで終わらせず
「今日はよく頑張ったな」「笑顔を見られて嬉しかった」など、
母である自分の気持ちを1行だけ書き添えてみましょう。
自分の声を残すことで、自己肯定感が積み上がります。
🌱 「ごめんね」を「ありがとう」に変える場面をつくる
子どもに「待たせてごめんね」ではなく「待っててくれてありがとう」。
支援者や先生に「すみません」ではなく「助かります、
ありがとう」。言葉を変えるだけで、親子関係も支援関係もやわらかくなります。
🌱 “自分だけの休憩時間”を10分だけ確保する
子どもが昼寝している間に好きなお茶を飲む、
夜に好きな音楽をイヤホンで聴く。
たった10分でも「私は母である前に一人の人間」と思い出せることが、
明日のエネルギーになります。