連日の猛暑で夜なかなか眠れず、睡眠に関する本を探していたところ、こちらの本をKindle Unlimitedで見つけました。
これまで睡眠本を何冊も読んできましたが、本書は内容が網羅的でありながら専門用語が少なく、とても読みやすいのが特徴です。
他の本では触れられない湿度やベッドの広さまで具体的に書かれており、「これは紹介したい」と感じたため、今回レビュー記事を書くことにしました。
他の睡眠本とここが違う!『超熟睡トレーニング』の3つの特徴
網羅性と読みやすさのバランス
多くの睡眠本は、
「ブルーライトを避ける」
「寝室の温度を調整する」
といったおなじみの対策が並びがちです。
もちろん大切な要素ではありますが、それだけではなかなか改善できない人も多いのではないでしょうか。
『超熟睡トレーニング』では、そうした基本に加えてベッドの広さなど、少し視点を変えたポイントまでカバーされています。
そのため「ここまで気を配ればいいのか」と、自分の生活を細かく見直すきっかけになりました。
また、文章は専門用語が少なく平易で、うつ病や不安を抱える人でもすっと頭に入りやすいと感じました。
医学的な解説に偏りすぎず、「生活にどう落とし込めるか」が中心になっているので、読んでいて疲れません。
日本人特化のアプローチ
本書で特に印象に残ったのは、日本人の睡眠の特徴に触れている点です。
日本人は欧米人に比べて不安遺伝子を持つ割合が高いとされ、思考や感情が眠りに影響を与えやすいと紹介されていました。
「考えすぎて眠れない」という悩みは、多くの日本人、特にうつ病や不安を抱える人には身に覚えがあるのではないでしょうか。
本書では「考え方を変える」よりも「体や環境を整える」方が効果的だと説いています。
これは、うつ病のように、認知の切り替えが難しいと感じやすい人にとって、とても優しいアプローチです。
実践ハードルの低さ
さらに嬉しいのは、どの方法も特別な道具や高額な投資を必要としないことです。
数千の湿度計や、寝具の配置の工夫など、すぐに試せる工夫が中心。
読んで「これならできそう」と思えるのは大きな魅力でした。
私自身、「まずはできる範囲で試してみよう」と思えたのも、このハードルの低さのおかげです。
この記事では、本書のすべては網羅しきれないため、実際に試して効果を感じた部分を中心に紹介していきます。
実際に試して効いた!睡眠改善3つのポイント
湿度の重要性
本書で「なるほど」と強く納得したのが湿度の話です。
一般的に快適な湿度は40~60%で、理想は50%前後で睡眠の質にも直結するのだそうです。
これまでは「温度」ばかり意識していたのですが、快眠のためには湿度計も必要というのは盲点でした。
さっそく湿度計を取り入れたところ、私の部屋はエアコンの冷房を使うと湿度が60%を超えることが多く、それが眠りの浅さにつながっていたことに気づけました。
本ではクーラーをつけっぱなしにすることを推奨していますが、著者は「電気代を抑える工夫」も紹介しています。
扇風機との併用や濡れタオルでの加湿など、無理なくできることから取り入れてみるとよいでしょう。
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ベッドを広くする
次に実践してみて効果を感じたのが「ベッドの広さ」です。
一般的にはマットレスの値段や硬さに注目しがちですが、本書では「横幅が狭いベッドでは寝返りが制限されて眠りが浅くなる」と指摘されています。
もちろんスペースや予算の問題でベッドを広げられない方もいると思います。
そのため、筆者は布団をタオルケットに変えたり、枕の近くの物を片付けてみたところ、以前よりも深く眠れると感じました。
セミダブルに変えるのが難しい方は、私のように寝るスペースに置くものを減らすことから試すのをおすすめします。
寝る前の水分量
一般的に「寝る前はコップ一杯の水を」とよく言われますが、本書では「100ml程度(コップ半分ほど)がちょうど良い」と書かれていました。
取りすぎると夜中にトイレで目が覚めやすくなり、逆に眠りが浅くなるというのです。
私はこれまでしっかり水分をとってから寝るのが良いと思い込んでいました。
しかし試しにぬるめの水をコップ半分だけにしてみたところ、夜中にトイレに起きる回数が減り、まとまった睡眠がとれるようになりました。
また、飲み物についても「カフェインレスのお茶」や「温めた牛乳」など、リラックス効果があるものがすすめられています。
寝る前のちょっとした習慣を見直すだけで、眠りが変わることを実感できました。
他に印象に残ったポイント(要点だけご紹介)
記事で詳しく触れた以外にも、「なるほど」と思えるポイントがたくさんありました。
その中から特に印象に残ったものを、要点だけご紹介します。詳しい解説はぜひ本書を読んでみてください。
📌「睡眠は深ければいい」は間違い
浅い眠りにも役割があり、バランスが大切。睡眠の質を一面的に考えないことが重要です。
📌勝負は夜ではなく、朝についている
朝の行動(光の浴び方や体のリズム作り)が夜の眠りに直結するという新しい視点。
📌体内時計は自分でコントロールできる
光の調整や食事などでリズムを整える方法が紹介されています。
📌すぐにできる!眠気への対処法
昼間や仕事中に眠気が襲ってきたときの即効性のある工夫が載っています。
📌「たかがいびき」と侮ってはいけない
健康リスクや睡眠の質の低下に直結するため、見過ごさずに対策が必要だと強調されています。
おわりに
『超熟睡トレーニング』は、どんなに工夫しても眠れずに悩んでいる人にとって、希望を持たせてくれる一冊でした。
うつ病や不安を抱えていると、「眠れないこと」自体が大きなストレスになります。
そんなときに「環境や習慣を少し整えるだけで改善できる」と知ることは、大きな救いになるのではないでしょうか。
特にKindle Unlimitedユーザーであれば、無料で試すことができます。
「合わなければ読まなければいい」と思える気楽さも、実際に手に取りやすい理由の一つでした。
今、眠れないことに悩んでいる方にとって、この一冊が少しでも希望につながれば嬉しく思います。
このブログのうつ病の人向け記事では、他にもうつ病の人に役立つ記事を発信していますので、ぜひご覧下さい。