天気が悪い日や、暑い・寒い日の外出は、うつ病の方にとって大きな負担です。
でも、「体を少しでも動かしたい」と思える日もありますよね。
本記事では、外出がつらくても、できる範囲で体を動かしたいという方に向けて、自室でできるやさしい運動を紹介します。
主にうつ病の方を想定していますが、病気ではなくても気力が出ない日や、外に出るのがしんどいと感じる方など、うつ病ではない方にも役立つ内容です。
「完璧を目指さず、気軽に・楽しく」がテーマです。
どうかご自身のペースで取り入れみてくださいね。
- 天気×うつ:外出できなくても、自分を責めないで
- 室内運動の心構え:「やろうと思っただけで、すごいこと」
- 自室でできる!おすすめ運動3選
- +α 気持ちに余裕がでたら挑戦!
- まとめ|紹介した室内運動一覧
- おわりに:今日は、できた自分をしっかり認めよう
天気×うつ:外出できなくても、自分を責めないで
精神科医・益田裕光先生によれば、猛暑のような極端な気候は、うつ病の症状を悪化させやすい要因のひとつとされています。
📎参考動画
たとえ「今日は一歩も外に出られなかった」としても、それは甘えではありません。
天気や気温の影響を受けやすいのは、心の自然な反応です。
「外出できる日は無理のない範囲で出てみる」のも良い方法ですが、暑さがつらい日や、外に出る気力がわかない日は、自室でできるケアに切り替えてみましょう。
たとえば、日差しのある部屋で少し過ごしてみるだけでも、気分が変わることがあります。
太陽光には、脳内のセロトニン分泌を促す効果があるとされ、気分の安定につながると言われています。
ただし、猛暑日は熱中症の危険もあります。日差しが強すぎるときは、カーテンでやさしく遮光しながら、できるだけ快適に過ごしてくださいね。
室内運動の心構え:「やろうと思っただけで、すごいこと」
うつ病のときに大切なのは、がんばらないこと。
運動と聞くと「毎日やらなきゃ」「しっかりやらなきゃ」と感じてしまう人もいるかもしれませんが、一歩踏み出そうとしただけでも、それは素晴らしい行動です。
今日できなくても大丈夫。明日もできなくても大丈夫。
できる日に、できるぶんだけ。
「遊び感覚」で取り入れていくことで、少しずつ、心と体のバランスを整えていけます。
自室でできる!おすすめ運動3選
🧘♂️布団の上で◎|ベッドヨガ
布団の上できるヨガは、最もハードルが低く、心身をゆるめるのにぴったりな運動です。
朝起きたときや、夜寝る前の時間に、ほんの数分だけ体を伸ばしてみましょう。
おすすめは、「ハッピーベイビー」「ワニのポーズ」など寝た姿勢のままできるポーズ。
どれも、YouTubeで「寝たまま ヨガ 初心者」などと検索すれば、動画付きで丁寧に教えてくれるチャンネルがたくさんあります。
「やってみたら途中で寝ちゃった」でもOK。
まずは気持ちよく体を動かせたら、それで十分です。
🪑椅子スクワット・壁スクワット
もし少し余裕があれば、下半身の筋肉を刺激する椅子スクワットや壁スクワットもおすすめです。
特に太ももの筋肉は、「セロトニンの分泌」とも関係があり、メンタルの安定に一役買ってくれると言われています。
やり方はとても簡単。
(椅子スクワット)
・椅子の前に立って、ゆっくり腰を下ろす
→立ち上がる
(壁スクワット)
・壁に背をつけて、膝を曲げて座るような姿勢を10〜30秒キープ
「ちょっと疲れた」と感じたところでやめるのがちょうどいいペースです。
🎵リズム運動・ラジオ体操
うつ症状があるときは、「何をしても楽しくない」と感じることが少なくありません。
そんなときこそ、音楽やリズムに合わせて体を動かすリズム運動は、心の緊張をゆるめてくれる助けになります。
といっても、難しいダンスやハードな運動である必要はありません。
ラジオ体操や、テレビ体操のような軽めの運動で大丈夫。
腕を上げる、足を横に出す、手を振るといったシンプルな動きを、音楽に合わせてやるだけでも、全身の血流がよくなり、気分も少しずつ晴れていくのを感じられるかもしれません。
おすすめは、YouTubeで「初心者 ダンス」「おうちフィットネス 初級」などと検索してみること。
特に中高年向けや介護予防向けの運動動画は、テンポがゆっくりで説明も丁寧なものが多く、うつの人にもやさしい構成になっています。
ポイントは、「正確にやろう」と気負わないこと。
まちがえても、途中でやめても、体を動かそうとした気持ちが何より大切です。
運動というより、遊びや音楽に乗る感覚でやってみると、思いがけず気持ちがふわっと軽くなる瞬間が訪れるかもしれません。
+α 気持ちに余裕がでたら挑戦!
🚴♀️エアロバイク
少し体力や気持ちに余裕が出てきたら、エアロバイクを使った室内運動も視野に入れてみましょう。
精神科医・樺沢紫苑先生は、自宅でも効果的に行える運動として、「動画や音楽を楽しみながらのエアロバイク45分〜60分」をおすすめされています。
運動によって脳内のセロトニンやドーパミンの分泌が促され、気分の安定や集中力の回復に役立つことが医学的にも示唆されています。
とはいえ、ながらでもいきなり1時間はハードルが高いかもしれません。
そんなときは、“5分こぐだけ”でも十分な達成感になります。
最初のうちはお気に入りの動画を1本観る間だけなど、“ながら”感覚で取り組むのがコツです。
▼ 初心者向けにおすすめのエアロバイク
✅️折りたたみ可能で場所を取らない
✅️価格も4000前後と手頃
✅️「サクラチェッカー」という評価チェックサイトでも上位
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「買うのはちょっと…」という場合は、自転車こぎ風のエア運動でもOKです。
仰向けになって足をくるくる動かすだけでも、腹筋や脚の筋肉にしっかり効いてきますよ。
📎参考動画
まとめ|紹介した室内運動一覧
種類 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
🧘♂️ 寝たままヨガ |
ベッドの上でゆったりストレッチ | 最もやさしく、眠る前にも◎ |
🪑 椅子・壁スクワット |
太ももを鍛えてセロトニンUP | 短時間でも効果的 |
🎵 リズム運動 |
ラジオ体操や軽めのダンス | 音楽に合わせて楽しく |
🚴♀️ エアロバイク |
動画や音楽と一緒に“ながら”運動 | 慣れてきたら◎、折りたたみ型もあり |
おわりに:今日は、できた自分をしっかり認めよう
うつ病の回復において、「できなかったこと」に目が向いてしまうのは、ごく自然なことです。
でも、「体を動かそうと思ったこと」、「少しでもやってみたこと」は、あなた自身が前に進んだ何よりの証です。
たとえ、今日はベッドの上で足を伸ばしただけだったとしても。
たとえ、動画の途中でやめてしまったとしても。
それは立派な一歩であり、十分な「運動」なのです。
どうか、自分を責めないでください。
少しずつ、少しずつ、自分のペースで。
運動は、心にも体にも、やさしい栄養をくれます。
またやってみたいと思えたときに、この記事の内容がそっと背中を押せますように。
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