まずい。まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい。
単純接触効果を舐めていました。
Discordサーバーの常連のうちの一人を好きになりかけている自分に気付いていて、頭を抱えています。
Tさんは穏やかで揺れなくて、年下の私にとても甘い。そうは見えないけれど人の好き嫌いは激しくてでも味方にはとても優しくて、意見ははっきり言うのに、それでも何でも許してくれる。
いつもはハキハキしているのに、眠くなると途端にゆる〜くなって、とろとろ喋る。横になって喋る時はすぐに分かって、声の中の息の量が多くなる。その時の声が好き。
根本的に考え方が合わないことが多いなんてことも、ずっと前から知っているのに。
私のことなんて、妹のように見ているって知っているのに。性格なんて絶対合わないのに。
私が落ち込んでいると分かったら、穏やかに、でも諦めずに理由を話させようとして、「どうしたの?」「どうしたのかい?」って繰り返して。
「どうしたの?」ううん。「何かあった?」ううん。「何もなかった?」……ううん。「『何か』はあったんだね?」…………。
「このまま寝ちゃうの?」「……Tさんは?」「寝てもいいし、話したいなら聞くし」「…………Tさんが話して。会社であったこととか報告して」。
そうやって甘えたら、ふっ、って笑う息の音がしてから、今プロジェクトが過渡期でね、っていう話をしてくれました。
好きになったら、終わりです。
あの場所は、雑談サーバーなのです。私は常連の皆のことが大好きで、そこに順位なんてつけたくないのに。
ただ、私に甘いからっていう理由で傾いてしまっていることも分かっているのに。たまたま私が弱った時に話すことが多いだけだって分かっているのに。「どうしたの?今日は甘えんぼさんだねぇ」って言いながら甘やかしてくれる優しさに、依存してしまいそう。
でもあの人の言ってることの方が正しいのは確かだからさ、と私が言った時、被せるように「正しくなくていいんじゃねぇか」と言ってくれたこと。又聞きだけれど、失礼な人に「彼女は人柱ですよ」と怒ってくれたこと。
私にとっては大事な宝物で、鯖主としてやっていく上で大切にしていきたい言葉たち。
好きになりたくなんかない。毎日のボイスチャットに、ドキドキもトキメキも持ち込みたくない。
緩やかな日常に、ごく偶にの意見の主張と意味のあるようなないような会話を重ね、友達でも仲間でもない関係をゆるゆると繋いでいきたい。
Tさんが寝落ちをする日常と、Aさんがブラックなことを言い出す非日常と、Gさんが女優になってくれる戯れ。それらをただ、面白がって味わっていたい。
この気持ちはたしかにきっと愛で、そこに恋は要らない。
いつでも全肯定しないで。
穏やかに笑わないで。
息の多い声で喋らないで。
私のこと甘やかさないで。
寝落ちした後の寝息を聞くのは好きだけれど、特別視されてるのか何とも思われていないのか不思議な気持ち。
これは恋じゃない。恋じゃない。恋にはならない。
そう言い聞かせて、私は今日も、参加するボタンを押すのです。