ウルフ・スタルク/作 偕成社
1998年初版 遠藤美紀/訳 堀川理万子/装幀・挿画・本文イラスト
ユーモアとペーソスがあって、最後は心がほんわかした
父は息子に依存しまくっていて
子どもの幸せを考えると偽って
自分の孤独を埋めている
子どもは大人に気を遣って幸せなフリをするのに限界がきている
父をがっかりさせると自分が悪いことをしたと反省する
子どもってそういうところがあるんだよね
エンマにも父がいないみたいだし
親友の家庭にも居場所がなさそうな感じで
3人の友だちも互いに支え合っている
この作家の他の作品も読んでみくなった
本書は映画化されているそう 観てみたいな
【内容抜粋メモ】
登場人物
父ベニー・アントンソン 元ボクサー 現夜行バス運転手
母 家出して再婚
シクステン
ヨンテ 親友
エンマ GF
父は夜行バスの運転中も息子シクステンが心配で電話をかけてくるため
遅くまで遊ぶこともできないし、寝ていても起こされる
洗濯機は壊れたまま、父はいつか修理すると言って約束を守らないため
着ていく服がなくなり、暑い日なのにスキーパンツを着て登校するシクステン
父につっこまれると、今はこれが流行ってるんだとウソをつく
窓から父がいつも見ているから、それまでスキップして
いかにも幸せそうな風を装う
親友ヨンテの前では偽らなくてもいい
学校では目立たないようにしているが
いじめっ子のボッボ、アーネ、ミカエルはシクステンに意地悪ばかりする
そのたびトイレで隠れて、女性担任が来るのを待つ
担任もシクステンを心配するが、何も問題はないと言うシクステン
ボッボらは下校後もシクステンを待ち伏せして殴る
帰宅して父に血のついた服や殴られた顔を見てどうしたか聞かれると
サッカーで超人的なプレーをしただけだとまたウソをつく
父:オレの息子はなんてヤツだ!
洗濯機を修理してくれと何度も頼むが、そのたびにはぐらかされて
シクステンは悪いことをした気持ちになる
ヨンテ:お前の父さんは結婚すべきなんだよ
*
終業式
魅力的な担任に挨拶をする姿を見ても
父は他の女性と付き合う気はない様子
ヨンテは新聞にたくさんBFを探して
自己紹介や好みのタイプを書いている記事があるのを見せる
中でも「私は官能的なの。制服すがたの人、電話ください」というのを選んで
ヨンテが適当な文章を書いて手紙を出すと、新聞社が本人に送ってくれるシステム
父の誕生日
父の好きそうなターザン映画のチケットを買って、後を尾ける
胸に目印のバラをさした女性が隣りに座り
女性は積極的に迫ったのに、父はトイレに立って劇場を出てしまう
シクステンには最後まで観て、面白かったとウソをつく
父もシクステンと同様、幸せなフリをしているのだ
すっかりガッカリしたシクステンはヨンテにも冷たくあたりケンカしてしまう
母が離婚するから金曜に会いに来ると言ってきたのに
結局仲直りしてこないことになった
(こういう空約束ばかりしてるんだろうな
*
金曜日
父はシクステンの欲しがっていた自転車を買ってくれたが女の子用
シクステンは泣くが父には見えていない
父は牛が大好きで、茶色い目をうっとり見ながら熱く語る
シクステンと転がって、夜行バスの制服に牛フンのシミをつけてしまい
シクステンはクリーニングに出す
もう一度、記事を見て、父が好きになりそうな女性を探し出す
ダンスが好きで、変わった男の人を探しているというダンシング・フィートを選ぶ
エンマを連れて映画を観に行く(ドライブインシアターかな?
ヨンテもいて、灰色の倉庫の上にのって、ラジオでセリフを聞きながら
世界で一番長いキスシーンを見る
エンマはシクステンに短いキスをする
ヨンテにロマンティックな手紙を書いてもらってポストに出す
(この時は女の子用の自転車じゃないのはどうしたんだろう? 改造した?
とても好印象の返事が届いて、電話をくださいとあるが
父は絶対、女性に電話などしないから、シクステンが声音を変えて電話して
金曜に家に招待する
ヨンテとエンマに手伝ってもらい、部屋を掃除し、ムードのいい音楽を流し
花を飾り、料理を用意して待つ
父が仕事から帰ってシャワーを浴びているとチャイムが鳴り
洗濯機の修理屋だと思って、バスローブのまま出る
そのまま洗濯機を修理してもらう
父は息子たちの作戦を知っても怒らず
今度はうまくいきそうなところで終わっている
(彼女の茶色い目が気にいったのかな?