出演
おしげ:田中絹代
兄の一人息子・勇:佐野周二
柴田:河村黎吉
お松:三村秀子 柴田の妻
三楽:徳大寺伸
お豊:忍節子
おたま:木暮実千代
下宿のお母さん:飯田蝶子
小せい:伏見信子
お兼:松尾千鶴子
筆子:文谷千代子
料亭の女将:吉川満子
【内容抜粋メモ】
寄席を片付けているおしげ
柴田:
三楽さんに会ったんだよ
3か月前に東京に帰ってきた
だいぶ困ってるらしい
あの芸は東京でないと受けない
女房が病み、金がない
おしげ:少しならある
親方:おしげを騙して、ずっと独り身でいるのはサンラクのせいだ
おしげ:10年経つんだわ・・・
*
10年前
サンラクの踊りに客と一緒に魅入るおしげ
サンラクは上方へ行くがおしげを連れて行くつもりはない
女がいると出世に差し支えると説得する柴田
サンラクを問い詰めるとあいまいな返事
おたま:
あんたみたいな女がいるからバカにされるのよ
利用されて、芽が出たら放り出されて
おしげ:夫婦約束をしたわけじゃない
下宿のお母さんにも相談して泣き崩れる
おしげ:どこが気にいらないのか言ってくれれば直すのに口もロクにきいてくれない
サンラクがお豊を連れて帰ってくる
サンラク:今夜の夜汽車にする
おしげは柴田にも泣いて訴える
おしげ:そうならそうとなぜひとこと言ってくれなかったの?!
柴田:
あんなのばっかりが男じゃないよ
男が女を商売の道具に使うような男なんだから
*
兄は妻を亡くして一人息子ユウ(イサム)と一緒に住んでいる
道楽で菊を育てて、本職はほったらかしている
兄:お前にはいつも面倒ばかりかけてすまない
おしげ:お嫁さんをもらったどう? 町に好きな人がいるそうじゃないの
兄:女房にできる女じゃない
おしげ:気持ちさえ結ばれていればいい
兄:そのうちなんとかするよ
*
兄の好きな芸者の小せいを訪ねて結婚をすすめるおしげ
小せい:
私の勝手にはできない
私のことは忘れて、道楽は菊だけにしてって伝えてください
兄:誰があの女に会ってくれと頼んだ?!怒
しつこく言うとおしげの頬を叩いて菊の鉢をひっくり返す
おしげ:働きましょうよ 私、もう一度東京へ出るわ
オルガンを弾いているおしげ 筆子が教えた
母親:筆子の笑い声が聞こえるようになってどんなに嬉しいか
筆子の縁談は結核を理由に相手から断られた
兄:結婚には一番具合の悪い病気ですし
遠い親戚だと言って柴田が屋敷に来る
柴田:親方もおたまさんも心配してる
サンラクはお豊と結婚した
間に入って苦労したのにと遠回しに金を要求する
おしげが手持ちの金を出すと一応断りながら気持ちだからと懐に入れる
夜、筆子が寝室に来て、縁談の相手は学生さんだと話して恥ずかしがる
*
おしげはユウの髪を刈る
ユウは上の学校に行きたい
海が好きで将来は船長になりたいと話す
おしげ:屋敷で話したら、給金を上げると言ってくれた
ユウは河原で釣りをするが釣れず、おしげが手伝うがやっぱり釣れない
帰宅すると筆子が1人で家に来ている
筆子:
あなたにとても恥ずかしいウソを言った
結婚する話はダメになっちゃったの
泣き崩れて咳き込んで、病院で寝かせる
母が東京から来ると言うと筆子は自分で帰ると言って泣く
あれ、もう亡くなってる/驚
筆子が亡くなったのをおしげのせいにする姉
母親:私はずっといてほしいがいづらいだろうと思って・・・
おしげは結局辞めさせられる
*
おしげは柴田を頼って仕事がないか聞く
柴田:実は金持ちの後妻の口がある
料亭の女将もおしげに後妻に入れと勧めるが断る
急に大きくなったユウが訪ねて来て、卒業できたとお別れに来てごはんを奢る
ユウ:
今のウチを出てくれ
酔っ払いが来たり、ウソを言ったり
あんなところに向かないと思うんだ
僕も給金がもらえるからおばさんは田舎に帰ればいい
おしげ:田舎の家を持てるように働く
兄はもう亡くなったのか
*
ユウは赤道を通ったと手紙を書いてきた
次はシドニーと聞いて、世界地図に印をつける
おしげは咳がひどい
足踏みミシンで縫う仕事をしていて倒れて寝込む
柴田とおたまが見舞いに来る
親方が呼び寄せてくれた
現在に戻る
お金を持ってサンラクを訪ねる
お豊はすっかりやつれている
見舞い金を出すと
サンラク:
あっし1人ならなんとかやれるが
子どもがいるから・・・ と泣いて受け取る
お豊:たとえ乞食しようと、あなたの情けは受けたくない!
ユウが休暇で帰ってきた
ユウはサンラクに怒りをぶつける
ユウ:
どうしておばさんは結婚しないかと思っていた
他の人間を不幸にするのは許せない
おばさんがどんな苦労してきたか!
ケンカ腰のユウを止めるおしげ
おしげ:恨みなんてこれっぽっちもない
お豊も影で泣いて聞いていた
柴田:サンラク、しっかりしろ! 男じゃねえか
*
ユウと波打ち際に来る
おしげ:海って広いわねえ