こんばんは!
アリ・ブランドンの「書店猫ハムレットのうたた寝」(越智睦訳、2017/12、創元推理文庫):シリーズ4作目です。
書店猫ハムレットシリーズ
1作目:「書店猫ハムレットの跳躍」2015/8
2作目:「書店猫ハムレットのお散歩」2016/3
3作目:「書店猫ハムレットの休日」2017/3
このシリーズは、5作目で完結するそうで、もう出版されているはずですからおいおい手に入れて読みたいと思います。
ニューヨークで書店を経営しているダーラはバツイチ女性。黒猫雄のハムレットと二人(?)暮らしです。書店の一角にカフェコーナーを設け、結構うまくいっているかも。独立記念日に向けて商店街でイベントを計画し、大忙しのダーラ。癖が強い商店主もいて、そこそこ、苦労もありますが、イベントは大成功のはずでした・・・
ああ、それなのにコーヒーショップの奥さんが死体で見つかります。商店街の発展のための企画でしたが、逆効果になったかも。ダンススタジオのオーナーも遺体で見つかり、もうマスコミは連続殺人事件として報道している。ああなんてこと!
猫コージーがお好きな方と本屋がお好きな方にはお勧めしたいこのシリーズ、完結しちゃうのか、まあそれはさておき。
猫ものの擬人化レベルで言えば、ハムレットは擬人化ゼロです。彼がやることはただ本を落とすだけ。でも、素人探偵のダーラが真相に迫ると犯人がダーラを殺そうとします。これはコージーミステリーのお約束かも。素人探偵が殺されそうになる。その危機を察したハムレットは、ダーラを救おうとがんばる。コージーミステリーではけっこうこういうパターンは多いですね。誰か助けに来るんですよ。
さて、まだ30代のバツイチ女性、ダーラには気になっていた男性もいましたが、彼は若いセクシーダイナマイト的な若い女性と婚約しました。ちょっと複雑な気持ちのダーラ。意外とダメージがあったけど、友人ジェイクに「今はわたしもプライドが傷ついているだけじゃないかしら」と語ります。そういうことだということはわかる気がします。一人で生きられるのに特に彼が必要だったわけではない。でもたまには甘えたい相手がいたらよかったけど、まあそれだけの話。
コージーの味わいはそんな感じ。等身大の主人公がそういうことにも悩む。でも、大事なのは殺人事件の解決ですよ!でもね。
ミステリーというジャンルが普通の小説と融合しながらそこにある。生きる人間の生活と感情がある。コージーの魅力はそんな感じ。


お休みなさい。2025/09/26