「1996年の『電波系』に「電波ソング」という記載があった」に書いたとおり、1996年の『電波系』という本に「電波ソング」という言葉が見つかり、今とはニュアンスの違いはあるにせよ、当時の本や雑誌の「電波」という言葉の使われ方をしっかり追っていく必要があると思っています。
調べてみたところ、「同人用語の基礎知識」に電波ソングの項目に、興味深い内容が書かれていました。2006年に書かれたもので信頼が置けそうです。
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元ネタ ですが、1980年代末から1990年代初頭のいわゆるバンドブームの頃、あまた登場した素人や素人に近い無数の インディーズ バンドの性格や傾向を分類紹介する中で、それと前後して音楽や ファッション の世界で流行っていた 「○○系」 という言い回しが当てはめられるケースがありました。
その中で、「狂気じみたコミックバンド、ネタ バンド」 に対し 「電波系バンド」、その楽曲を 「電波音楽」 などと紹介。 これが直接の由来となって広まったようです。
それ以前にも、狂ってる、ドラッグやってるんじゃないか?的なバンドやアーティスト、楽曲などに 「電波系」 という言葉を使うことはありましたし、UFO とかユダヤ 陰謀論 などの書かれた本を 「電波本」 と呼ぶのはポピュラーでしたので、そのまま用語として定着。
また、「電波歌/ 電波替え歌」の項目には次のように書かれています。こちらも2006年の同日に公開されているみたいですね。
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一方、替え歌ではなくて元々の楽曲自体が意味不明な歌詞や異常な ノリ で構成されている楽曲を 電波ソング などとほぼ同じ頃に呼んでもいますので (1980年代末から1990年代初頭にかけてのバンドブームの末期に、一部の色物バンドの意味不明な曲などを指して使うケースがあった)、このあたりの言葉がどう相互作用してどう使われるようになったのかは、少々込み入っていて分かりづらくなっています。
いやー、この用語集も読んでたはずなのに深く考えてなかった!何かの哲学の本を読んだとき、こういう一行の違和感をしっかり調べらて突き詰められる奴が哲学者になるんやって書かれてたのを思い出しました。私はどうやら哲学者にはなれないようです。
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