10月22日、この日は猿投山の南麓から東麓にかけて巡拝してきましたが、午後から雲も垂れこめ、15時でも夕方のように薄暗くなり、10社目の西中山町 八柱神社で終わりを迎えます。
鎮座地は猿投クリーンロード中山ICの南600㍍程の国道419号線沿いに鳥居を構えています。
前回掲載した洞口 愛宕神社からだと、中山IC方向へ移動時間10分ほどになります。
西中山町 八柱神社社頭全景。
駐車場は、後になって知った事ですが、社頭から少し右に行くと、杜の奥に進む車道があり、そのまま境内に続いていました。
自分はそれを知らず、この鳥居の左の小さな空き地に車を停め鳥居から境内に向かいました。
西向きの社頭に立つ石の明神鳥居(寄進年未確認)。
鳥居右に猿投観光協会の「八柱神社解説」
後述する境内の社記と祭神などが重複するので、ここでは社記に記載のない部分のみ記します。
「………明治42年11月28日、字新屋敷の八幡社と字後田の秋葉社と字後田の津島社、秋葉社の境内社、稲荷社、太神宮社を本社に合祀しました。
例祭日 10月第三土曜日。
社殿
本殿 流造
神門、拝殿、社務所
境内坪数 1484坪
氏子数 600戸」
とあります。
この猿投観光協会による解説は多くの神社に掲げられており、初めて訪れた者にとってはとても有難いものでした。
因みに解説の太神宮社とは大神宮で伊勢の外宮・内宮を指します。
鳥居扁額は八柱神社。
鳥居をくぐり、境内に足を踏み入れると、両側に石灯籠が並ぶ静かな参道が目に飛び込んできます。
参道は緑に包まれた先の石段に続いて行きます。
境内へ続く長い石段の先には社殿が見え隠れしています。
石段を登り切った先に広がる境内の光景。
入口付近は緑の杜でしたが、社地後方は宅地化された住宅街が広がっています。
境内南側に、今回の巡拝で初めての農村舞台が残っていました。
桁行6間半、梁間4間の切妻造の舞台は、昭和28年(1953)改築されたもので、今も現役。
回り舞台は備えていないようですが、ここで地域の伝統的な行事や演劇、公演などが披露され、地域の絆を深める場となっています。
広々とした境内に鎮座する社殿正面の全景。
広い境内の左にある手水舎。
髭が立派な龍は本日定休日のようでした。
社記
「社名 八柱神社
西加茂郡藤岡町大字西中山字東宮前28番地。
祭神 天之忍穂耳命、市寸嶋比売命、天穂日命、田心姫命、天津彦根命、湍津姫命、活津彦根命、天照大御神、熊野櫲樟日命、須佐之男命
由緒
創祀は天文23年(1554)
明治6年(1873)村社に列格
大正15年(1926)4月24日指定村社(神饌幣帛料供進神社)に昇格し氏神として奉斎し村民の崇敬極めて厚く今日に至っている
例祭日
10月17日
境内末社
八幡社 祭神 品陀和気命
稲荷社 祭神 倉稲魂命
秋葉社 祭神 迦具土命
御嶽社 祭神 伊佐波豊美命
蚕霊社 祭神 豊受姫命
氏子 584戸
崇敬者 21戸
平成11年氏子崇敬者一同」
愛知県神社庁に同社の登録がありましたが、特に追記すべき情報もなく、大正15年(1926)に出版された西加茂郡誌に目を通しました、創建は社記の通りで、その中の記述に、現在も続いているのかは定かではないですが、例祭恒例余興に献馬(おまんと)、棒の手と記されていました。
社記に記されていないので、既に途切れてしまったのだろうか。
平成11年(1999)に寄進されたニノ鳥居と右手に八柱神社の社標。
扁額は「八柱神社」と刻まれています。
参道脇の一対の山燈籠が八柱神社の特徴かもしれません。
拝殿正面全景。
拝殿前の白い狛犬は、平成11年(1999)に寄進されたものでした。
向拝の拝殿額。
社殿の外観に目だった傷みもなく、改修されて間もないのか綺麗な社殿です。
入母屋平入の拝殿は大きな向拝が付き、後方に幣殿が付属するもので、平成11年(1999)に新築されたようで、狛犬や鳥居はその際に寄進されたようです。
拝殿左側に古い狛犬が安置されていますが、それが新築前のものかもしれません。
後方の本殿域全景。
ここには本殿、境内社が横一列に綺麗に纏められています。
本殿左の4社相殿。
左から蚕霊社、秋葉神社、稲荷社、御鍬社が祀られています。
これらの境内社は明治42年(1909)に、近隣から八柱神社に合祀されたようです。
本殿は流造で、彫飾りが各所に施されています。
社名の五男三女の八柱が祀られる本殿。
向拝中備えの龍の彫刻。
脇障子や木鼻にも彫飾りが施されています。
本殿右の流造の境内社。
社名札がなく社名は不明ですが、社頭の「八柱神社解説」に書かれている太神宮社がこの社と思われ、素戔嗚と天照大神が祀られているものと思われます。
向拝中備えの松と鶉?
こちらも脇障子や木鼻に彫が施されていました。
本殿域右端に御嶽社、金毘羅社が祀られています。
拝殿からニノ鳥居と境内の眺め。
右手を進むと国道に向け参道が続いています、帰りはそちらから一ノ鳥居に戻る事にします。
参道の左の境内社?
社記には記されていないので、八柱神社とは別のものかもしれません。
手前は舞殿だろうか、四方吹き抜けでその先から斜面の上の覆屋に石段が伸びています。
下から見上げる覆屋全景。
社標は見当たらず、あそこまで登るしかないようです。
覆屋の下には板宮造の二社が祀られており、社名札から左が天王社、右は天神社です。
西加茂郡史の西中山で同社名がないか調べてみましたが、西中山には八柱神社以外記されていなかった。
舞殿もあり、単独の神社として整っているいるように見えますが、やはり境内社なんだろうか。
いろいろ不明なところはありますが、陽も随分傾いてきたので今日のところはここまでにしておこう。
創建 / 天文23年(1554)
祭神 / 天之忍穂耳命、市寸嶋比売命、天穂日命、田心姫命、天津彦根命、湍津姫命、活津彦根命、天照大御神、熊野櫲樟日命、須佐之男命
境内社 / 八幡社、蚕霊社、秋葉神社、稲荷社、御鍬社、御嶽社、金毘羅社、天王社、天神社
祭礼 / 10月17日
所在地 / 豊田市西中山町東宮前28
参拝日 / 2024/10/22
車アクセス / 洞口 愛宕神社から左折、御船町待井交差点右折し県道348号線を直進、西中山稲葉南交差点で右折、国道419号線を直進、JA西中山支店の向かい。移動時間10分。
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