あれは出産翌日のこと。
出産した日は、ジャパンオーオープン大会の日でした。
みんなの結果をウェブで追いながら、そのタイミングで日本選手権のエントリーの連絡が。
日本選手権は5月10日〜11日。
あと48日か・・・
翌日でこんなに元気なんやから。
きっと回復してるやろ!だって私、妊娠中も運動してたし!
ぽちぽち・・・・エントリー完了!
想像力に欠けていた私はエントリーをしてしまいました。
あんなに寝られないことも、あんなに授乳が大変なことも、
あんなに体が痛いことも、まだ何も知らないあの時の私は、
病院のベットの上で平気な顔をして、エントリーをしました!!!
未来の自分、思ってたんとちゃうで〜〜〜!!
⚫︎泳げない自分と出会う
そもそも1ヶ月はお風呂も禁止。
1ヶ月検診でプールもOKが出たので、お宮参りに行った後、泳ぎに行ってみました。
市民プールなので、フィンは無しで。
長水路を選んだこともよくなかったのですが、まあ泳げない。
50m泳ぐだけでゼエハア。
股関節が固まって、動かない。膝下でしかキックが打てない。腹筋に力は入らない。
肩も固まってストリームラインは組めない。
(初心者のお客さんの気持ちがわかった瞬間でもありました笑)
※ちなみに、5ヶ月以上経った今も、うまくストリームラインは組めていません。
凝り固まって痛い。腰も、ずっと痛いし、股関節も痛い。抱っこのせい。
腹筋だけは、産後より少し回復したかな〜と思います。
「あ・・・大会やばいかも」
産褥期の1ヶ月は赤ちゃんを育てるので精一杯で、
大会のことなんて考えることもしませんでしたが、
ここで泳いでみて現実を目の当たりにし、あ、これは出られないかも。
と、正直に思いました。
この時点で大会まで2週間。笑
その後も何とか重い痛い腰を上げて、2回ほど泳ぎに行きました。
フィンで飛び込めるかの確認、ターンができるかの確認。
練習ではなく、確認。笑
妊娠してから飛び込んでいなかったので、約1年ぶりの飛び込み。
めちゃくちゃ怖かった。
その時でた言葉は
「何とかレース始まりそう!終わるかはわからんけど!!」
笑
⚫︎授乳パニックの日々のなかで
産後の生活は3時間おきの授乳がルーティン。
昼とか夜とか関係ない。とにかく寝られない。
osakana-saki.hatenablog.com
こちら参照↑
もちろん、レースの間も、授乳、授乳、授乳。
朝から頭フル稼働。
えーっと、レースがこの時間とこの時間とこの時間やから・・・
授乳がこことこことここで・・・
え〜ここで授乳できなかったら張って痛いかな・・・
でも上がってきて授乳して着替えてたらレース間に合わんかな・・・
授乳室と、更衣室と、スタンドを何往復もダッシュ。
フィン持って、置いて、子供抱いて、置いて、、、
レース水着を半分まで着たまま授乳なんてことも。笑
授乳をスキップすると胸が張って飛び込むと痛い。
osakana-saki.hatenablog.com
こちら参照↑
言葉の通じない赤ちゃんに
「ここは共同作業やで、助け合いや。サクッと飲むんや、協力してくれ。」と声がけ。笑
⚫︎サラッと初めての外泊
何も考えずにエントリーをしてるから、
どうやっていくのか、宿泊するのか・・・なんて考えてもいません。
レンタカーを借りて、チャイルドシートをギリギリに購入し、
宿泊もすることに。
泊まりって、哺乳瓶消毒できひんくない!?
お風呂は!?どこで寝かせる!?
会場ではどこに置いておく?座れないよね!?
いろんなことが初めてで、レースどころではない!笑
ちなみに解決方法は
・ミルクは液体ミルクに
→アタッチメントで乳首がつくので、哺乳瓶の乳首のみ3つ持っていく。
ほぼ母乳なので2泊で3つで問題なし!
・お風呂は沐浴ではなく湯船で。パパと2人協力体制
→赤ちゃん石鹸だけ持っていく。
・寝るところは添い寝が怖いので、部屋の椅子を引っ付けて、タオルを敷いて簡易ベット
→ベビーカーで寝るも考えた。
・会場ではバウンサーに
→ベビービョルンのバウンサーを畳んで会場に持ち込み。
結局は何とかなったけど、育て始めてやっと気づくこともあるので、
予想がつけられずに本当にバタバタで不安で焦りまくりの遠征に。
⚫︎迎えた日本選手権当日
授乳は上記の通り。
レースが終わったら、クールダウンもそこそこに、バタバタ着替えて授乳へ。笑
もちろん前日も当日も、寝不足のまま挑むことに。
しかも初めての外泊で初めての場所に赤ちゃんを寝かせる。笑
もちろんクタクタのまま、フラフラでレース!!
子を産んだことがある方からは、
ええ!?とかなり驚かれたし、
私が出産したことを知らない方からは、
今年調子悪いの?と言われたし笑、
産んだことのない若い子たちには、
さきさんならいけるし普通に泳げそう、と言われました。笑
結果としては
100mCMASビーフィン 56.66 18位
100mサーフィス 48.91 13位
4*100mビーフィン混合リレー 3.22.78 5位(2泳 55.67)
4*200mサーフィスリレー 7.02.71 優勝🥇(4泳 1.49.88)
と、まぁよく泳いだな・・・くらいのタイムでしたが、
泳ぎ切っただけで褒めてもらえる珍しい大会でした。笑
リレーを2つも出ることになるとは思わなかったし(当初は3つお願いされた)、
不安で数日前に寝られなくなったりもしたけれど(元々寝られないのに笑)、
結果、200m何とかおよいだおかげで、チームのみんなが速かったおかげで、
今年も金メダルが獲れました!
体に全く力は入らず、脈もあげられず、乳酸も出せず、
体組成が変わってしまったからか、ターン後は緊急浮上し、
わちゃわちゃしながら泳ぎました。
1年前の日本選手権に出て、
そこから十月十日を経て、壮絶な出産をして、
未知との遭遇ばかりの子育てをしながら、
まさか今年も日本選手権に出られるとは思ってもいなかったので、
それだけで満足です。
ちなみに体型が変わりすぎて、水着は1枚ちぎりました。パッツパツです。笑

この1ヶ月前は歯磨きをする3分間、立っているのもしんどかったんですよね。
よく飛び込んだな、私。。。
⚫︎産後の過ごし方としては間違っていると思うけれど・・・
産後はなるべくのんびり赤ちゃんと過ごすこと。
これがおすすめです。(誰がいうてる)
でも私は、こうやって自分に課題を課して、
タイムはさておき何とかレースをこなして、
「アスリートとしての自分」が表現できたことで、
心がとっても元気になって満たされました。
「ママでもできた」という事実が、自信になりました。
どうしても赤ちゃん中心で、自分の「できた」がなかなか叶えにくいい状況で、
日本選手権に出られて金メダルが獲れた事実は、とてもとても嬉しいことでした。
ママの私も、アスリートの私も、どっちも大事にしていいんやな、と思いました。
無理は良くないけれど、人生何とかなることの方が多い。
「何とかなる、何とかする」これは私の学生時分からのモットー。
これからも、子どもと共に成長して、できた!!を増やしていこうと思っています。
