待ちに待った興福寺への参拝。個人的お目当ては東金堂の薬師如来様。
なぜ「待ちに待った」と書いたかというと、この東金堂はずっと長い間工事中で入れなかったから。過去、2回行って、入れなくて落ち込んだ記録がこちら↓。
一回目は工事中かどうか調べずに普通に行ってしまった。その時、「夏頃に工事終わる」と聞いて、2回目10月に行ったらまだ終わっておらず激しく落ち込んだ。その時「1年後には終わる」と聞いて、今回出かける事に。さすがにホームページをチェックし、工事中ではない、と確認してから行った。それでも不安はぬぐえない。
9月末の奈良。JRで順調に奈良駅に到着、バス停に行くとすでに興福寺に止まるバスがまさに出る所。最近の奈良のバスは、主なバス停に係員さんがおられて、案内してくれるので安心。4駅ほど乗って「県庁前」のバス停でおり、目の前が興福寺。
鹿と観光客が戯れる公園を両側に見ながら、数分歩いて右側に折れるとそこは興福寺の駐車場。そして左奥に東金堂。ありました!工事中のネットはかかってない!今日は入れる!歓喜!
3度目の正直とはよく言ったものだ。券売機で500の拝観券を購入し、いそいそと入る。
暗いお堂内はさほど混んでいない。というか、人がいない。こんなに観光客が多いのに、タイミングが良かったようだ。中央の薬師如来様の真ん前に立ち、真言を7回。あ~覚えてる~。私、えらい。それから自己紹介をして、祈願をして、用が終わっても尚だらだらとそこに居座り、人が来たのでやっと退散。
お堂から外に出たら素敵な空。
これよ、これこれ。奈良の景色。まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような。人々を見れば現代人なのだけど、古と現代の違いはそこだけ。
今回は、東金堂の隅っこにおみくじを発見した(200)。小銭がなかったので、東金堂の入り口の券をお渡しする所で両替して頂いた。ちゃんと両替機があった。いそいそと引いたおみくじがこちら。小吉だったけれど、内容は良かった。
さて、お次はお不動さんだ。うっかり写真を撮り忘れたが、興福寺のお不動さんも大好き。こちらも私が行った時は誰もおらず、一人で延々、お不動さん前を占領。ここは真言が書いてくれてあるので助かる。前回は護摩祈祷が始まり、鹿が集まってきて鳴き続けたが、今回は午前中で祈祷はなく鹿もおらず、ただただ私一人。
目的を終えて本当にスッキリ。お天気もよく、初めて興福寺境内をぶらぶらお散歩した。
満足し、また県庁前のバス停からバスでJR奈良駅に戻って帰った。行きも帰りもバスもJRも全部座れたし、待つ事なくすぐ乗れたし、本当に快適だった。
と、ここまでは良かったのだが。
この日、ある所に電話しないといけない用事があった。相手から電話が来る予定になっていたが、日中私が出かけていたせいだろうか、まだ電話がない。帰宅して留守電をチェックしたが録音もない。
どうしようかなと思っていたら息子が帰宅した。嫌な予感。というのもこの電話の用事は息子絡みで、息子がストレスを感じている件だからだ。詳しく書けなくて申し訳ない。
息子が自室に入ったので、待っているのもしんどいなと思い、こちらから電話した。案の定、話はこみあい、長引き、私もショックな事を言われたりして、疲れ切って電話を終えた。どうも息子は自室のドアを少し開けて、話の内容を聞いていたようだった。
私が電話を切ると、息子がやって来て、電話の内容を聞いてきた。息子は物凄くピリピリしている。出来る限り答えたが、息子にとって嬉しくない内容は誤魔化して答えた。真っ正直に答えたら、息子が更にピリピリする事は分かっていたから。
息子は物凄く勘がいいので、私が電話の内容にショックを受けている事を見抜いた。
誤魔化されていること、私が動揺していることを感じて、結果的に息子は荒れに荒れた。さすがに私の手に負えなくなり、夫に早く帰ってきてもらった。夫が帰るまでの時間は、恐怖でしかなかった。
3人で話した。最初、息子は筋の通らない自己中心的な事に、障害特性のこだわりを発動して、固執し、とてつもなく不安定に苛立っていた。手が付けられない。
ところが、ある瞬間、ふっと憑き物が落ちたように息子がまともになった。
夫と顔を見合わせた。
息子は、さっきまで、それが叶わなければ死にたい!とまで言っていた事が、ふっと気にならなくなった、と言う。「それはもう、どうでもいい」と言い出した。
え?
狐につままれたようだ。普通、息子のこだわりは短くても5年は続くのだ。それが息子いわく「どうでもよくなった」と。「気にならない」と。
後で、薬師如来様のご利益ではないか、と夫に指摘されて、ああそうかも、と思った。
とはいえ、そもそもは、私が嫌な電話を先延ばしにし、奈良へ遊びに行ったのが間違い。電話を先にすませるべきだった。昼間なら息子はいないのだから。
これからは、どんな用件だろうと、電話は息子がいない時にしようと心に誓った。