Frontき
- ウルトラマン(1966)
- ウルトラセブン(1967)見た
- 帰ってきたウルトラマン(1971)
- ウルトラマンA(1972)見た (New)
どうしても基準点がセブンになってしまう。
1話のタイトル「輝け!ウルトラ五兄弟」を見て「あれ?4番目のシリーズでは?もう1人って誰?」と思ったぐらいの知識しか持ってないウルトラ素人。
特徴
セブンとの比較が中心になるかもしれないが。
人間不信
「ウルトラ警備隊」でも「フルハシ隊員」が通報を無視したりしたが、宇宙人である「ダン」や「キリヤマ隊長」がいたから真剣に聞いてくれた。
しかし、TACって「宇宙人?そんな馬鹿な」って態度がデフォルト。元からあった地球防衛軍が全滅して、急遽設立した組織だから優秀な人材はもう死んでいなかったんだろうか?
この信じることが本作のメインテーマとも言える。
『ウルトラセブン』ではウルトラ警備隊の本部へ潜入して時限爆弾を設置する話が「また、これかー」だったけど、『ウルトラマンA』では「本当です! 信じてください」の話が多い。
車の信号をいじって信頼を壊すエピソード(第50話 東京大混乱!狂った信号)とかもあるが、大体はワンパターン過ぎて、かなりイラっとする。
人間ドラマ
『ウルトラセブン』はウルトラ警備隊や星人、怪獣にスポットを当てたSFで、一般人の話はほぼなかった。
しかし『ウルトラマンA』では一般人が話のど真ん中にいるエピソードが多い。逆にTACは完全に空気。
特に28話で主役「南 夕子」さんが退場して、29話から「梅津 ダン」君が「ウルトラ6番目の弟」として相棒になってから、その傾向が強くなる。
ウルトラ兄弟
「SOSシステム」が存在。
1人で孤独な戦いをしてたセブンとは違ってお兄さんたちが助けに来てくれる。そのぐらい敵が強いってことだろうか?人数が増えた分、戦闘のバリエーションが広くなった。
兄弟とか父とか、ウルトラ世界観はファンにとって嬉しい部分かもしれない。でも、個人的に物語自体の面白さは落ちた気がする。
人格
セブンの「モロボシ・ダン」はM78星雲から来た正真正銘の宇宙人だったから分かりやすかった。
でも「北斗 星司」「南 夕子」この2人の場合はエースの力を借りているだけなのか、融合しているのか、少し複雑だ。
エースで変身して戦う時の人格ってエースと北斗、南どっちなんだろう?主導権はなくても記憶はしているんだろうか?どうやらエースにできること、できないこと、ウルトラサインの読み方は知っているようだが。
タッチ変身
変身する時2人の「ウルトラリング(銀河連邦の一員の証だそう)」をタッチする必要がある。
1人は戦闘機から非常脱出、もう1人は地上からのジャンプして空中タッチしたりする。いやいや、無茶苦茶やん。
最初はわざわざ距離を置いて、すごい勢いでぶつける「ライダータッチ」もしたが
後半からはハイタッチや手を握るだけでも変身する。
その中でも一番の無茶苦茶は14話でモニター画面越しにする「エアタッチ」。
設定を入れるなら、ちゃんと守って脚本の段階から緻密に利用して欲しい。「そう言えば、そんな設定あったな、どうしようーまあ、適当に誤魔化すか?」って感じがすると冷める。
敵に囚われた相棒に飛び込んで空中タッチしたりもするが、出来るのか問題以前に皆の注目が集まってる中で完全に正体がバレちまうけど大丈夫なんだろうか?
「南 夕子」が退場して、29話からは1人で簡単に変身できる。最初からこれにすれば良かったやん。
敵の存在
セブンでは毎回違う文明の星人と遭遇する話で、必ずしも敵とは限らなかった。何なら地球人が悪者のエピソードもあったぐらい。
でもエースは固定の敵「異次元人 ヤプール」が地球侵略のために改造生物「超獣」を送るという設定になっている。『スーパー戦隊』や『仮面ライダー』の悪の組織って感じ。
感想
『ウルトラセブン』を見た後に期待しすぎて正直ガッカリ。完全に子供向け作品になったなって感じ。
子供向け作品がダメと言うよりは
- The Twilight Zone(1959)
- Black Mirror(2011)
- 世にも奇妙な物語(1990)
の宇宙人バージョンを見たかったもんだから、個人的には期待外れになってしまった。
子供向けとしては50年も前の作品なのに、今見ても楽しめる良作だと思う。
でも残念ながら私もう子供じゃないんだよなー超獣のデザインや強さって正直どうでもいいお年頃になってしもうて、エンタメとして楽しむのには最近の派手な作品と比べたら物足りなかった。
おすすめエピソード
★★★★★
第52話 明日のエースは君だ!
ウルトラマン少年「ね、そいつ死刑にするの?」
北斗 星司「どうして?」
ウルトラセブン少年「だって、宇宙人だろう?」
北斗 星司「宇宙人なら皆死刑にしてもいいと思ってんのか?ウルトラ兄弟は弱い者イジメはしない。何もしない宇宙人の子供をわけも無くイジメたりはしない!ウルトラ兄弟はゾフィーも、マンも、セブンも弱い者の味方なんだ」
山中隊員「隊長、ここは一応奴の要求通りサイモンを渡して様子を見たらどうです?」
北斗 星司「待って下さい。そんなことしたら、あの少年たちの気持ちを踏みにじってしまうことになります」
山中隊員「いいか?ジャンボキングを倒す手が無いとなれば、街を守る方法は他に無いじゃないか」
北斗 星司「家や街は、また建て直すこともできます。しかし、あの少年たちの気持ちは一度踏みにじったら簡単には元には戻りません!彼らはウルトラの兄弟のように勇敢で優しい気持ちを持とうとしています。その気持ちだけは大切にしてやりたいと思います!」
北斗 星司「僕が奴のテレパシーを分かったのは...それは僕が...ウルトラマンエースだからだ」
ゾフィー少年「...嘘だ」
北斗 星司「嘘じゃない。見ていてくれ。これがウルトラマンエース最後の戦いだ!」
皆の前でエースに変身する北斗 星司。
エース(北斗 星司の声)「彼らに真実を伝えるにはこうするしか仕方が無かった。さようなら地球よ、さようならTACの仲間たち!...さようなら...北斗 星司」
エース「優しさを失わないでくれ。弱い者を労り、互いに助け合い、どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。例え、その気持ちが何百回裏切られようと。それが、私の最後の願いだ」
など名台詞のオンパレード。
正直エースは最終話だけで十分かも。
★★★★☆
第30話 きみにも見えるウルトラの星
超獣発生が疑われて立ち入り禁止にした地区に救急車が来る。
一刻を争う状況で近道と言われて「北斗 星司」自分の判断で通してしまう。その結果、なぜか自転車で追って来た少女の目の前で母と姉が突然現れた超獣に踏み潰されて殺される。
その後も似た事件が起きて皆からの信頼を失い、罪悪感で苦しむ重いエピソード。
第48話 ベロクロンの復讐
ヤプールの生き残りが「北斗 星司」に幻覚を見せて皆からの信頼を失わせる。
北斗の言うことを信じてくれないのは今までよくあったことだが、このエピソードでは北斗自身も自分を止めに来た警察を宇宙人と疑う。
その他
南 夕子
ME:Iの「山本 すず」さんにソックリでビックリ。
そう思ったのは私だけ?時代が離れ過ぎて両方知ってる人が少ないかもしれないが。
個人的にME:Iの推し「海老原 鼓」さんの活動休止が長引いて心配していたが、この前やっと再開して何より。
歌がとても上手いんですよ。
ウルトラ5つの誓い
10話「決戦!エース対郷秀樹」で
- 1つ、土の上を裸足で走り回って遊ぶこと
- 1つ、腹ペコのまま学校へ行かぬこと
- 1つ、天気のいい日に布団を干すこと
- 1つ、道を歩く時には車に気を付けること
- 1つ、他人の力を頼りにしないこと
というのが出る。どうやら『帰ってきたウルトラマン(1971)』の最終話で出たようだ。
来年55周年記念として、またYouTubeにアップしてくれるのを期待してみよう。できれば60周年記念で初代の『ウルトラマン(1966)』も見てみたい。