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Date: Mon, 14 Jul 2025 09:00:12 GMT
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(緊急)BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2023-5679) - serve-staleとDNS64を共に有効にしている場合のみ対象、 バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス Copyright©2001-2025 Japan Registry Services Co., Ltd.
--------------------------------------------------------------------- ■(緊急)BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2023-5679) - serve-staleとDNS64を共に有効にしている場合のみ対象、 バージョンアップを強く推奨 - 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 初版作成 2024/02/14(Wed) --------------------------------------------------------------------- ▼概要 BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービ ス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。 本脆弱性により、提供者が意図しないDNSサービスの停止が発生する可能性 があります。 該当するBIND 9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビュー ションベンダーからリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適 切な対応を速やかに取ることを強く推奨します。 本脆弱性はnamedにおいて、serve-stale(後述)とDNS64(後述)を共に有 効に設定している場合のみ対象となります(いずれもデフォルトでは無効)。 ▼詳細 ▽本脆弱性の概要 serve-staleはRFC 8767で定義される、DDoS攻撃や事故などで権威DNSサーバー から応答が得られなかった場合に期限切れのキャッシュデータを活用して、 名前解決を継続するための機能です。serve-staleはデフォルトで無効になっ ており、namedの設定ファイル(通常はnamed.conf)のほか、rndcコマンド で有効に変更できます。 DNS64はRFC 6147で定義される、AレコードからAAAAレコードを合成するため の仕組みです。RFC 6146で定義されるステートフルNAT64と組み合わせるこ とにより、IPv6アドレスのみを持つクライアントからIPv4アドレスのみを持 つサーバーへの、ドメイン名を用いた透過的なアクセスを実現できます。 BIND 9.xの実装には不具合があり、serve-staleとDNS64の不適切な相互作用 により、namedにおいてserve-staleとDNS64の双方が有効に設定されている 場合、serve-stale機能が使われるドメイン名の名前解決の実行中に、named が異常終了する可能性があります[*1]。 [*1] 本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、assertion failureを引き 起こした旨のメッセージがログに出力されます。 そのため、外部の攻撃者がこの状況を発生させることができた場合、当該サー バーのDNSサービスを停止させることが可能になります。 ▽対象となるバージョン 本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。 ・9.18系列:9.18.0-9.18.21 ・9.16系列:9.16.12-9.16.45 ▽影響範囲 ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。 本脆弱性はnamedにおいて、serve-staleとDNS64が共に有効に設定されてい る場合のみ対象となります(いずれもデフォルトでは無効)。 本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*2]も併せてご参照ください。 [*2] CVE Record | CVE <https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2023-5679> ▼一時的な回避策 namedの設定ファイル(通常はnamed.conf)においてstale-cache-enableと stale-answer-enableオプションを共にnoに指定してserve-stale機能を無効 にするか、DNS64を無効にすることで、本脆弱性を回避できます。 ▼解決策 本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.18.24/9.16.48)への更新、 あるいは、各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適 用を、速やかに実施してください。 ▼参考リンク 以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、 適切な対応を取ることを強く推奨します。 - ISC セキュリティアドバイザリ CVE-2023-5679: Enabling both DNS64 and serve-stale may cause an assertion failure during recursive resolution <https://kb.isc.org/docs/cve-2023-5679> パッチバージョンの入手先 BIND 9.18.24 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.18.24/bind-9.18.24.tar.xz> BIND 9.16.48 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.16.48/bind-9.16.48.tar.xz> ▼連絡先 本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ さい。 --------------------------------------------------------------------- ▼更新履歴 2024/02/14 11:00 初版作成
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