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Date: Mon, 14 Jul 2025 10:56:43 GMT
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(緊急)BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2023-2911) - バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス Copyright©2001-2025 Japan Registry Services Co., Ltd.
--------------------------------------------------------------------- ■(緊急)BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2023-2911) - バージョンアップを強く推奨 - 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 初版作成 2023/06/22(Thu) --------------------------------------------------------------------- ▼概要 BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービ ス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。 本脆弱性により、提供者が意図しないDNSサービスの停止が発生する可能性 があります。 該当するBIND 9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビュー ションベンダーからリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適 切な対応を速やかに取ることを強く推奨します。 本脆弱性はserve-stale(後述)が有効になっているnamedにおいて(デフォ ルトでは無効)、設定ファイル(通常はnamed.conf)の stale-answer-client-timeoutオプションに0を指定している場合のみ対象と なります。 ▼詳細 ▽本脆弱性の概要 serve-staleはRFC 8767で定義される、DDoS攻撃や事故などで権威DNSサーバー から応答が得られなかった場合に期限切れのキャッシュデータを活用して、 名前解決を継続するための機能です。namedのserve-staleはデフォルトで無 効になっており、設定ファイルのほか、rndcコマンドで有効に変更できます。 BIND 9.xにはserve-staleの実装に不具合があり、以下の条件をすべて満た した場合、namedにおいてループが発生し、スタックオーバーフローにより 異常終了する可能性があります。 1)serve-staleが有効になっている 2)設定ファイルにおいて、stale-answer-client-timeoutオプションに 0を設定している(デフォルトではoff) 3)serve-stale機能を使用する名前解決を実行する そのため、外部の攻撃者がこの状況を発生させることができた場合、当該サー バーのDNSサービスを停止させることが可能になります。 ▽対象となるバージョン 本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。 ・9.18系列:9.18.7-9.18.15 ・9.16系列:9.16.33-9.16.41 ▽影響範囲 ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。 本脆弱性はnamedの設定ファイルにおいて、stale-answer-client-timeoutオ プションに0を設定している場合のみ対象となります。 本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*1]も併せてご参照ください。 [*1] CVE Record | CVE <https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2023-2911> ▼一時的な回避策 namedの設定ファイルにおいて、stale-answer-client-timeoutオプションに off/disabled(デフォルト)または0以外の値を設定することで、本脆弱性 を回避できます。 なお、stale-answer-client-timeoutオプションに0以外の値を設定する場合、 2023年1月に公開された、CVE-2022-3924[*2]の修正が適用されている必要が あります。 [*2] (緊急)BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2022-3924) <https://jprs.jp/tech/security/2023-01-26-bind9-vuln-serve-stale-softquota.html> また、同時に受け付ける再帰問い合わせの数を制限するrecursive-clients オプションの値を大きくすることで、本脆弱性によるnamedの異常終了の可 能性を低減できます。しかし、recursive-clientsオプションによる制限は サーバーのリソース枯渇を防ぐための重要な仕組みであり、本対策の実施は 推奨されません。 ▼解決策 本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.18.16/9.16.42)への更新、 あるいは、各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適 用を、速やかに実施してください。 ▼参考リンク 以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、 適切な対応を取ることを強く推奨します。 - ISC セキュリティアドバイザリ CVE-2023-2911: Exceeding the recursive-clients quota may cause named to terminate unexpectedly when stale-answer-client-timeout is set to 0 <https://kb.isc.org/docs/cve-2023-2911> パッチバージョンの入手先 BIND 9.18.16 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.18.16/bind-9.18.16.tar.xz> BIND 9.16.42 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.16.42/bind-9.16.42.tar.xz> ▼連絡先 本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ さい。 --------------------------------------------------------------------- ▼更新履歴 2023/06/22 10:00 初版作成
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