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Date: Mon, 14 Jul 2025 14:57:35 GMT
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BIND 9.xの脆弱性(サービス性能の劣化及びパケットの連続送信)について(CVE-2017-3140)
株式会社日本レジストリサービス Copyright©2001-2025 Japan Registry Services Co., Ltd.
--------------------------------------------------------------------- ■BIND 9.xの脆弱性(サービス性能の劣化及びパケットの連続送信)について(CVE-2017-3140) - バージョンアップを強く推奨 - 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 初版作成 2017/06/15(Thu) --------------------------------------------------------------------- ▼概要 BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からの攻撃が 可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。本脆弱性により、 提供者が意図しないサービス性能の劣化や、特定の権威DNSサーバーに対す るパケットの連続送信が発生する可能性があります。 本脆弱性は、namedにおいてRPZを有効にしている場合にのみ対象となります (デフォルトでは無効)。該当するBIND 9.xを利用しているユーザーは関連 情報の収集やバージョンアップなど、適切な対応を取ることを推奨します。 ▼詳細 ▽本脆弱性の概要 RPZ(Response Policy Zones)はフルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー) がクライアントに返す応答内容を、そのフルリゾルバーの運用者のポリシー により制御可能にする機能を提供します。RPZの技術的詳細については、以 下の情報をご参照ください。 (*1)DNS Response Policy Zones <https://dnsrpz.info/> DNS Response Policy Zones (RPZ) <https://tools.ietf.org/html/draft-ietf-dnsop-dns-rpz-00> RPZはBIND 9.8.0以降でサポートされています。ただし、デフォルトでは無 効に設定されています。 BIND 9.xにはRPZの内部処理に不具合があり、以下の条件をすべて満たした 場合、当該クエリの処理において、namedが無限ループの状態に陥ります。 1. RPZが有効に設定されている 2. RPZにおいて、NSDNAMEまたはNSIPのポリシールールが使われている 3. 受信したDNSクエリにより、上記のポリシールールが処理される 無限ループに陥ったnamedは、特定の権威DNSサーバーにパケットを送り続け る状態となります。この状況を発生させることができた場合、namedのサー ビス性能を劣化させることが可能になります。 ▽対象となるバージョン 本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。 ・9.11系列:9.11.0~9.11.1 ・9.10系列:9.10.5 ・9.9系列:9.9.10 ▽影響範囲 ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「中(Medium)」と評価していま す。 本脆弱性は、namedにおいてRPZを有効に設定しており(デフォルトでは無 効)、かつ、RPZにおいてNSDNAMEまたはNSIPのポリシールールが使われてい る場合にのみ影響を受けます。 本脆弱性については、以下の脆弱性情報(*2)も併せてご参照ください。 (*2)CVE - CVE-2017-3140 <https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-3140> ▼一時的な回避策 RPZにおいてNSDNAMEとNSIPのポリシールールを使用しないようにすることで、 本脆弱性を回避できます。 ▼解決策 本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.11.1-P1/9.10.5-P1/ 9.9.10-P1)への更新、あるいは各ディストリビューションベンダーからリ リースされる更新の適用を、速やかに実施してください。 ▼参考リンク 以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、 適切な対応を取ることを強く推奨します。 - ISC セキュリティアドバイザリ CVE-2017-3140: An error processing RPZ rules can cause named to loop endlessly after handling a query <https://kb.isc.org/article/AA-01495> パッチバージョンの入手先 BIND 9.11.1-P1 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.11.1-P1/bind-9.11.1-P1.tar.gz> BIND 9.10.5-P1 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.10.5-P1/bind-9.10.5-P1.tar.gz> BIND 9.9.10-P1 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.9.10-P1/bind-9.9.10-P1.tar.gz> ▼連絡先 本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ さい。 --------------------------------------------------------------------- ▼更新履歴 2017/06/15 11:00 初版作成
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