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Date: Mon, 14 Jul 2025 15:11:51 GMT
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BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2017-3135)
株式会社日本レジストリサービス Copyright©2001-2025 Japan Registry Services Co., Ltd.
--------------------------------------------------------------------- ■BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2017-3135) - DNS64とRPZの双方を使用している場合のみ対象、バージョンアップを推奨 - 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 初版作成 2017/02/09(Thu) --------------------------------------------------------------------- ▼概要 BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービ ス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。 本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する可能性があ ります。 本脆弱性は、namedにおいてDNS64とRPZの双方を有効にしている場合にのみ 対象となります(デフォルトではいずれも無効)。該当するBIND 9.xを利用 しているユーザーは関連情報の収集やバージョンアップなど、適切な対応を 取ることを推奨します。 ▼詳細 ▽本脆弱性の概要 DNS64はRFC 6147で定義される、AレコードからAAAAレコードを合成するため の仕組みです。RFC 6146で定義されるステートフルNAT64と組み合わせるこ とにより、IPv6アドレスのみを持つクライアントからIPv4アドレスのみを持 つサーバーへの、ドメイン名を用いた透過的なアクセスを実現できます。 RPZ(Response Policy Zones)はフルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー) がクライアントに返す応答内容を、そのフルリゾルバーの運用者のポリシー により制御可能にする機能を提供します。RPZの技術的詳細については、以 下の情報をご参照ください。 (*1)DNS Response Policy Zones <https://dnsrpz.info/> DNS Response Policy Zones (RPZ) <https://tools.ietf.org/html/draft-vixie-dns-rpz-04> DNS64/RPZは共に、BIND 9.8.0以降でサポートされています。ただし、双方 ともデフォルトでは無効に設定されています。 BIND 9.xにはDNS64/RPZの内部処理に不具合があり、特定の条件下において DNS64とRPZの双方を使用した場合、DNSクエリの処理において矛盾した状態 が発生し、namedが異常終了を起こす障害が発生します(*2)。 (*2)本脆弱性においてnamedが異常終了した場合、INSIST assertion failureを引き起こした旨のメッセージがログに出力されるか、NULL ポインターの読み込みによるsegmentation fault (SEGFAULT)を引き 起こします。 ▽対象となるバージョン 本脆弱性の対象となるBIND 9.xのバージョンは以下の通りです。 ・9.11系列:9.11.0~9.11.0-P2 ・9.10系列:9.10.0~9.10.4-P5 ・9.9系列:9.9.3~9.9.9-P5 ▽影響範囲 ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。 本脆弱性は、namedにおいてDNS64とRPZの双方を有効に設定している場合に のみ、影響を受けます(デフォルトではいずれも無効)。 本脆弱性については、以下の脆弱性情報(*3)も併せてご参照ください。 (*3)CVE - CVE-2017-3135 <https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-3135> ▼一時的な回避策 以下のいずれかを当該サーバーで実施することにより、本脆弱性を回避でき ます。 ・DNS64もしくはRPZの、いずれかの設定を削除する ・RPZにおけるポリシーゾーンのコンテンツを慎重に制限する ▼解決策 本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.11.0-P3/ BIND 9.10.4-P6/ BIND 9.9.9-P6)への更新、あるいは各ディストリビューションベンダーから リリースされる更新の適用を、速やかに実施してください。 ▼参考リンク 以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、 適切な対応を取ることを強く推奨します。 - ISC セキュリティアドバイザリ CVE-2017-3135: Combination of DNS64 and RPZ Can Lead to Crash <https://kb.isc.org/article/AA-01453> パッチバージョンの入手先 BIND 9.11.0-P3 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.11.0-P3/bind-9.11.0-P3.tar.gz> BIND 9.10.4-P6 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.10.4-P6/bind-9.10.4-P6.tar.gz> BIND 9.9.9-P6 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.9.9-P6/bind-9.9.9-P6.tar.gz> ▼連絡先 本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.jp> までご連絡ください。 --------------------------------------------------------------------- ▼更新履歴 2017/02/09 11:00 初版作成
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