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(緊急)BIND 9.10.2/9.9.7の脆弱性(DNSサービスの停止)について(2015年9月3日公開)
株式会社日本レジストリサービス Copyright©2001-2025 Japan Registry Services Co., Ltd.
--------------------------------------------------------------------- ■(緊急)BIND 9.10.2/9.9.7の脆弱性(DNSサービスの停止)について(2015年9月3日公開) - フルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)/権威DNSサーバーの双方が対象、 バージョンアップを強く推奨 - 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 初版作成 2015/09/03(Thu) --------------------------------------------------------------------- ▼概要 BIND 9.10.2/9.9.7における実装上の不具合により、namedに対する外部から のサービス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表さ れました。本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する 可能性があります。 該当するシステムを運用しているユーザーは、関連情報の収集やバージョン アップなど、適切な対応を速やかに取ることを強く推奨します。 ▼詳細 ▽本脆弱性の背景:OPENPGPKEYリソースレコード OpenPGP(*1)の公開鍵をDNSで配布するための仕組みとして、OPENPGPKEYリ ソースレコード(RR)の標準化作業がIETFで進められています。 OPENPGPKEY RRの仕様はインターネットドラフトdraft-ietf-dane- openpgpkeyで定義されており、Experimentalでの標準化が予定されています。 BIND 9ではOPENPGPKEY RRの取り扱いを、BIND 9.10.2/9.9.7以降のバージョ ンでサポートしています。 (*1)データの暗号化と電子署名の双方をサポートしているセキュリティソ フトウェアで、RFC 4880で仕様が標準化されています。 ▽本脆弱性の概要 BIND 9.10.2/9.9.7にはOPENPGPKEY RRの取り扱いに不具合があり、不正な OPENPGPKEY RRを含む応答を受信した際、namedが異常終了する障害が発生し ます(*2)(*3)。 (*2)本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、"REQUIRE" assertion failureを引き起こした旨のメッセージがログに出力されます。 (*3)OPENPGPKEY RRを設定・利用していない場合も、本脆弱性の対象とな ります。 本脆弱性により、DNSサービスの停止が発生する可能性があります。また、 本脆弱性を利用した攻撃はリモートから可能です(*4)。 (*4)攻撃者が不正なOPENPGPKEY RRを含むゾーンデータを準備した後、そ のOPENPGPKEY RRを応答に含む名前解決を実行するように仕向けるな どの方法が考えられます。 ▽対象となるバージョン 本脆弱性は、BIND 9.10.2/9.9.7以降のバージョンのBIND 9が該当します。 ・9.10系列:9.10.2~9.10.2-P3 ・9.9系列:9.9.7~9.9.7-P2 ▽影響範囲 ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「重大(Critical)」と評価して います。 本脆弱性は前述したバージョンのすべてのフルリゾルバー(キャッシュDNS サーバー)が影響を受けます。また、ISCでは本脆弱性について、特定の条 件下にある権威DNSサーバーへの攻撃も成功させることができたと発表して います。 本脆弱性については、以下の脆弱性情報(*5)も併せてご参照ください。 (*5)CVE - CVE-2015-5986 <https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2015-5986> ▼一時的な回避策 本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。 ▼解決策 本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.10.2-P4/9.9.7-P3)への更 新、あるいは各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の 適用を、速やかに実施してください。 ▼参考リンク 以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、 適切な対応を取ることを強く推奨します。 - ISC セキュリティアドバイザリ CVE-2015-5986: An incorrect boundary check can trigger a REQUIRE assertion failure in openpgpkey_61.c <https://kb.isc.org/article/AA-01291> パッチバージョンの入手先 BIND 9.10.2-P4 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.10.2-P4/bind-9.10.2-P4.tar.gz> BIND 9.9.7-P3 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.9.7-P3/bind-9.9.7-P3.tar.gz> ▼連絡先 本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.jp> までご連絡ください。 --------------------------------------------------------------------- ▼更新履歴 2015/09/03 11:00 初版作成
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