昔の総理大臣なり政治家なりは、若い頃に何をしていたか、ということが語られることがあまりなかったように思います。学歴や職歴、あるいは活動歴や軍歴のようなものが紹介されることはありましたが、趣味の類を知ることはあまりありませんでした。かつての政治家にはそういう余裕がなかったのかもしれません。
ですが昭和30年代以降生まれの政治家は我々と同じような趣味、あるいは若いときの部活動歴などが紹介されることが多くなりました。育ち方が我々と近くなってきているからでしょう。
ということで、石破茂氏の場合、「軍事オタク」「乗り鉄」「キャンディーズのファン」だったなどという話が聞こえてきました。一方で高市早苗氏の場合、「ヘビメタバンドでドラムを叩いていた」とか、「バイク乗りだった」なんて話が聞こえてきます。どうも石破氏は「オタク気質」で、高市氏は「イケイケ」だったのではないかと思わせられます。
私はオタク気質の「乗り鉄」ですから、石破氏が「寝台特急出雲でひとりで寝ているときが至福の時間だった」と述べていたことに深く共感しました。軍事やアイドルの親衛隊などにはあまり共感しませんが、それでも違う分野ではやはりオタク的な趣味はありますし、特定のアイドルの熱烈なファンであったことはなく、どちらかというと冷ややかに見ていたのですが、それでも歌謡曲やアイドル現象には強い興味を持っていました。
ですが私はバイクを乗り回すような人ではありませんし、ロックバンドも全く縁遠い世界。高市氏の趣味嗜好とは合いません。
石破氏タイプは政治家にならなさそうに思うのですが、世襲だから政治家になったのでしょうね。私は世襲政治家には批判的ですが、政治家にならなさそうな非イケイケ気質の人が親の関係で政治家になる、という効果はあるのかなあ、と思ったりもします。まあ石破氏の場合は、総理にまで上り詰めたのでそれなりの社交性や世渡りのうまさがあるのでしょうけど。
一方、非世襲政治家の方には出自にこそ共感を持ちますが、情熱なのか押しの強さなのか、それをもって成り上がってきた人で、やはり気質が一般庶民で終わる人とは違うのかなあ、と思ったりもします。
まあ私は友達のいない人なので、石破氏が近くにいてもお友達にはならなかったように思いますし、高市氏など、こちらから敬して遠ざけたことでしょう。
ですからどっちもどっちなのですが、やはり遠くから見る分には石破氏に親近感を感じます。ですがしゃべり方もあってこの手の人が嫌いな層には「気持ち悪い」「だらしない」と映るのでしょうね。私は逆に高市氏に「怖そう」「きつそう」「振り回されそう」というイメージを持つのですが。
でも若いときに「イケイケ」「ヤンキー」だった人は、高市氏の方に親しみを感じるのでしょうかね。何度も書いているように「高市応援団」の情熱が私にはわからないのですが、もしかしたらこういうところが多少影響しているようにも思うのです。
ですから個人としての「石破さん」と「高市さん」であれば、前者の方に多少親しみを感じます。まああくまで「多少」ですけどね。