桃太郎 村の秋祭りは、桃形の神輿が川を遡ることで有名だ。表向きは五穀豊穣を願う儀式。だが川を“上る”神輿は、人目を集めながら、人目をそらす装置でもある。桃太郎は祭礼の古文書をめくり、余白の走り書きを見つけた。――「桃、封ずる器なり。禍を飲み、福を返す」爺さまは言う。「昔、流行り病の子を川に流して鎮める、忌まわしい風があった。封蝋はその名残りかもしれぬ」 犬田の名を継ぐのは、今の名主の縁者だ。名主は祭の差配も担う。背負い籠の格子跡、草鞋三つの踏み跡、そして舟着き場の新しい帆縄――すべては海辺の者と村の内の手が合わねば成立しない。「犬田は、鬼ヶ島と通じ、帳簿に空白を作って荷を流した。荷の正体は………

桃太郎 鬼ヶ島の砦は岩を積んだだけの粗い造りだった。だが門前の砂は掃き清められ、見張り台の縄は新しい。雉が鳴く。「人影、二。槍なし」 門を叩くと、青い面をつけた大きな影が現れた。角は木彫り、塗りはあせている。「客人か、賊か」桃太郎は団子を差し出し、言った。「話がしたい」 青鬼と呼ばれる者は団子を割り、匂いをかいだ。「人の飯だ。懐かしい」案内された奥の座敷には、帳簿が積まれていた。 墨でびっしりと書かれた文字。日付、品目、数量、渡し先。「……これは？」「取引の記録だ」青鬼は平然と答える。「俺たちは奪ってなどいない。買っている。海の向こうから来る商い人と、時に村から来る連中からな」 桃太郎は帳簿を…

桃太郎 米俵が消えた翌朝、村外れの祠に、古びた首輪が掛けられていた。 革に焼印の跡、「イヌタ」。昔この村で役を務めた犬飼いの姓だ。首輪の穴は二つ、片方は不自然に広がり、急ぎで外した形跡。祠の影から、痩せた犬が遠巻きにこちらを見る。毛並みは荒れているが、眼だけが澄んでいた。 桃太郎は手を広げ、婆さまのきび団子を一つ、犬の前に置いた。団子の香りに、犬の鼻が震える。しかしすぐに食べず、桃太郎の顔を見た。「食べていい。代わりに、真実を探す手伝いをしてくれ」犬は団子を口に入れると、鼻面を地に這わせ、蔵から川筋へと、そして村の端の舟着き場まで迷いなく導いた。 舟付き場まで導く痩せ細った犬 舟着き場の杭には…

桃太郎 山裾の村は、春の雪解けで川筋が太くなっていた。 婆さまが洗濯桶を押さえていると、どんぶらこと大きな桃が流れてきた。「まあ、見事な……」抱え上げると、桃は驚くほど重い。皮は指で押してもたわまず、まるで漆で封じた宝箱のようだった。 爺さまは昔、町方の岡っ引きの手伝いをしていたことがある。 彼は小刀を火であぶり、「封」を切る要領で、桃の“継ぎ目”に刃を滑らせた。 桃切爺さん ぱかり、と静かに開いた果肉から、泣き声がこぼれる。赤子だった。 赤子の足首には、細い赤紐。 紐の結び目に結わえられた小さな札には、墨でこうある。――赤鬼は笑わない。 赤子はすぐに泣き止み、婆さまの指を掴んだ。果肉はほとん…

"鬼ヶ島"（出典：いらすとや） 日記 校正 大音量 きびだんご 日記 今朝の手稲山。低い雲低い。2025.08.23 昼前にラーメン純平に行き塩ラーメンを食べた。いつも通りあっさりしてうまかった。 校正 昨日のここのブログ全文をオンラインの文章校正ツールを試してみた。 「校正に失敗しました。不適切な表現が含まれている可能性があります。文章を変えてお試しください。」というメッセージだけを表示してエラーとなった。 それを指摘するためのツールじゃないのかい？ 大音量 こちらでは放送されていない 千原ジュニアの座王 をTVerで見ていたら途中のCMの１つが気が狂ったかのような大音量で流れた。 あまりの…

先日、京都鉄道博物館に行ったことで、鉄道愛が復活したＲくん✨️ 急に「桃太郎に運転士を乗せたいなぁ🎶」と。 パパは嬉しい😆😆😆 さて、当然ボディを外す必要があるのですが、初めて開ける機体、ツメを探します。 ボディ内側にある切り欠き部？ それとも動力台車側の切り欠き部？？ 動力台車の切り欠き部と踏み、爪楊枝をブスっ‼️ 計6箇所挿しました。 そしてボディを起こして持ち上げ、ボディを開き気味にして少し揺すると動力台車が下にずり落ちて外れました🎉🎉🎉 因みに動力台車側の切り欠き部はこんな感じ。 反対側も同じように切り欠きがあります。 で、、、運転席は？？ ありゃ⁉️ 運転席はボディ側に付いているのね…

拝啓、あなた様夏の甲子園。わたしの故郷、岡山の高校のことがネットのニュースに出ていました。応援歌が話題になっていたのです。岡山では、昨年サッカーチームがJ1に昇格して、とても盛り上がっています。そのサッカーチーム「ファジアーノ岡山」の応援歌が、甲子園でも歌われたという話題でした。そこで初めて、わたしはその応援歌を知ったのですが。これが、とてもユニークで、一度聞いたら忘れられません。岡山と言えば「桃太郎」です。その桃太郎の童謡に載せて「岡山」と言うワードを何度も繰り返す応援歌です。「岡山です」「もっかい言うけど 岡山です」「覚えたか 岡山です」「まだまだ言うけど 岡山です」「しつこいけれども 岡…