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  • 海辺のカフカ (上)
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海辺のカフカ (上) ペーパーバック – 2005/3/1

5つ星のうち4.4 876個の評価

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「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」――15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真……。
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出版社より

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海辺のカフカ【上巻】
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海辺のカフカ【下巻】
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.4 876
5つ星のうち4.3 693
価格 ¥1,045 ¥1,100
田村カフカは15歳の日に家出した。姉と並んだ写真を持って。世界でいちばんタフな少年になるために。海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。 四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女――。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか?

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2005/3/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/3/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ペーパーバック ‏ : ‎ 496ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101001545
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101001548
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.5 x 1.7 x 15 cm
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 6,238位 (本の売れ筋ランキングを見る)
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち4.4 876個の評価

著者について

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村上 春樹
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1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。

1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。

カスタマーレビュー

星5つ中4.4つ
876グローバルレーティング

お客様のご意見

お客様はこの小説について、以下のような評価をしています: 読みやすさについては、興味深く読めると好評です。テンポ良く読み進められると感じており、イジーリーディングとして読むと良いという意見もあります。ストーリー展開についても、ぐいぐいと引き込まれる物語で、気持ちよく受け止められるようです。また、物語の展開も早く、無事に話が繋がりすっきりしたとの報告があります。 内容面では、良質の問題集であり、学校の学習にも上位クラスだと評価されています。 村上春樹作品に対する印象も高く、世界観がリアルな世界であると感じているようです。 感情移入や作者の教養の深さがにじみ出ている点も心地よくさせてくれます。 一方で、裏表紙と中身数枚分に折れ線がある点も指摘されています。

19人のお客様が「読みやすさ」について述べています。16肯定的3否定的

お客様はこの小説の読みやすさを高く評価しています。興味深く読めるだけでなく、テンポ良く読み進められると感じています。イジーリーディングとして読むと良いという意見もあります。また、ページを捲り業に目を走らす快感や、ページを捲り業に目を走らす快感が得られると好評です。全体的に、村上春樹作品にしては分かりやすく、楽しむことができると感じているようです。

"ハルキストではないが、これは面白かった。" もっと読む

"...情景なんかも想像しやすいです(勿論「非現実的」な面も結構ありますが) 春樹さんの文章はやはり読みやすいなあと実感した一冊です。" もっと読む

"...語呂合わせ的な気分で購入したまま 部屋に転がしてた『海辺にカフカ』(新潮文庫版 上・下)。 思った以上に、サクサク読み進める。 ページを捲り業に目を走らす快感! 本を読む”勘”が戻ってきた感じ。 2日弱で上巻を読了!..." もっと読む

"...カフカとの違いはリアリティの違いである。カフカの小説では、「職業」をもち、社会と関わりのある人物が登場し、社会の縮図が描かれており、興味深く読める。これに対し、村上春樹の小説では、社会との関わりが言葉では記述されるが、それは書物から得た知識や論述であり、社会的なリアリティが感じられない。..." もっと読む

13人のお客様が「ストーリー展開」について述べています。10肯定的3否定的

お客様はこの小説のストーリー展開を高く評価しています。ぐいぐいとストーリーに引き込まれ、気持ちよく受け止められる物語だと感じています。また、ねじまき鳥クロニクル以来の長編小説として期待されており、秋の夜長にぜひ読んでみてほしいという声もあります。装丁も凝っており、秋に読むのに適していると好評です。ただし、裏表紙と中身数枚分に折れ線があったため、全体的に満足度が低かったようです。

"自宅に家族が買ったのか、下巻だけあり面白かったので、上巻を購入しました。安く買えて満足です。無事話が繋がりすっきりしました♪中身はとても綺麗でしたが、裏表紙と中身数枚分に大きく折れ線があったので、★4にしました。" もっと読む

"「田村カフカ」 主人公は素敵な名前をしていて色々とさまよう。 全体に静謐な空気が流れ、話は時代をクロスしながら進んでいく。 読むほどに謎が深まり、たぶん下巻で収束していくのだろう。 上巻を読み進めていて、どんどん深みにはまっていく。..." もっと読む

"~全く予備知識なしに読み始めた。 すぐにストーリーに引き込まれ、厚めの上下巻ながらするすると7時間で読了。 猫と話ができるナカタさん。 ミステリアスな大島さん。 過去に生きる佐伯さん。 気さくな星野さん。..." もっと読む

"...ただ、文章はとても読みやすいのですが、ストーリーは難解。 でも、世界各国で翻訳され、多数の熱狂的なファンを持つ村上ワールド全開の本作品。日本人ならば、一度は紐解くのもいいのではないでしょうか。" もっと読む

8人のお客様が「感情移入」について述べています。6肯定的2否定的

お客様はこの作品について、感情移入ができると評価しています。登場人物全員が魅力的で、とっぷりと本の世界に浸ることができると感じています。深層から噴き出るようなものに感じるという声もあります。また、作者の教養の深さがにじみ出ているため、心地よくさせてくれます。希望を感じさせる終わり方や透明な雰囲気が漂っていることも好評です。一方で、読み進めば気にならず、心に迫るものが感じられないという指摘もあります。

"...下巻次第ですが、生涯読んだ本のベスト3に入るかも、と思うほどです。登場人物全員が魅力的であり、感情移入ができます。全員に幸せになってほしいなあ。そううまくはいかないだろうけれど。" もっと読む

"...ただし、作者の視線は全く低くなく、安全なところから見下ろしている感じです。そのため、よく言えば、透明な雰囲気が漂っていますが、悪く言えば、心に迫るものが感じられません。 SFともファンタジーともいえる設定ですが、純文学は適当でもOK(?)的な手抜きなところが随所にうかがえます。..." もっと読む

"...私も学生の頃であれば、この本に共感を持ったような気がする。自分が生きていることがあやふやな感覚、生きていることを実感できない感覚、生きる意味が見いだせないこと、運命に翻弄される感覚。自分のやりたいことが、その瞬間にどうでもよいことのように思え、あらゆることに確信が持てないこと。..." もっと読む

"...読み進めば、それらは気にはなりません。 とっぷりと本の世界に浸ることができます。 私は、新幹線や飛行機の中で読み続けました。 ざわついた乗り物の中で読んでいても、薄い用紙をめくるたびに、..." もっと読む

7人のお客様が「作品」について述べています。6肯定的1否定的

お客様はこの問題集について、良質の問題集だと評価しています。学校の勉強も上位クラスで、村上春樹さんの小説が最高傑作だと感じています。また、村上春樹さんの不思議な小説についても好評です。特に「海辺のカフカ」は素晴らしい作品だと高く評価されています。

"村上春樹さんの小説が好きです。特にこの「海辺のカフカ」は最高です。何度も何度も読み返して、最初の本がボロボロになってしまったため、購入しました。「またナカタさん(本の中の登場人物)に会いたくなったなぁ」と思っては読み返しています。" もっと読む

"...この上巻ではとても残虐な場面もあり、これまた苦手なのですが、それらを差し引いてもこれは素晴らしい作品だと思いました。下巻次第ですが、生涯読んだ本のベスト3に入るかも、と思うほどです。登場人物全員が魅力的であり、感情移入ができます。全員に幸せになってほしいなあ。そううまくはいかないだろうけれど。" もっと読む

"...新聞で『海辺のカフカ』の書評が出るたびに、何となく手がのびませんでした。 今回初めて読みましたが、とても不思議な小説です。これを読むと むしろ『1Q84』がものすごく明快な小説に見えるくらいです。 あくまで相対的にですが。..." もっと読む

"...村上春樹の著作を全て読破したわけではないですが彼の最高傑作は「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」だと確信している。本作は2番目に面白かった。実に楽しく読みました。私としては小説は読んでいて楽しければそれで良いのです。出来不出来に云々言う必要はないでしょう。" もっと読む

6人のお客様が「登場人物」について述べています。5肯定的1否定的

お客様はこの作品の登場人物について非常に高く評価しています。とても魅力的で、特殊でありながら普通でもあると感じています。

"...下巻次第ですが、生涯読んだ本のベスト3に入るかも、と思うほどです。登場人物全員が魅力的であり、感情移入ができます。全員に幸せになってほしいなあ。そううまくはいかないだろうけれど。" もっと読む

"「田村カフカ」 主人公は素敵な名前をしていて色々とさまよう。 全体に静謐な空気が流れ、話は時代をクロスしながら進んでいく。 読むほどに謎が深まり、たぶん下巻で収束していくのだろう。 上巻を読み進めていて、どんどん深みにはまっていく。..." もっと読む

"待ちに待った長編小説は期待を裏切らず、やはり村上春樹ワールドだった。 交差する時代。ストイックで、日常生活がきちんと織り込まれた登場人物。「在る」ものなのか、「無い」ものなのかわからないストーリーの底にある「なに」か。..." もっと読む

"...と思われるでしょう。 個人的にはそれなりに楽しめました。話の展開が気になってどんどん詠み進みましたし、登場人物も皆、非常に魅力的に描かれています。しかし、終わり方がいまいち説得力に欠け、私にはいくつかの謎が残ってしまいました。" もっと読む

4人のお客様が「世界観」について述べています。4肯定的0否定的

お客様はこの作品について、まさに村上ワールドであり、とてもリアルな世界だと評価しています。また、独特の村上作品にも感銘を受けており、壮大な未来を予感させる上手な時代背景と人物設定が好評です。

"独特の村上作品にも、少しなれてきて、下巻では次の展開がほぼわかってきました。" もっと読む

"まさに村上ワールド。これから読む方のために内容は書きませんが、その特殊性ゆえ、これまで村上春樹の本を沢山読んだことのある人は違和感はなく楽しめるかと思いますが、始めての方は「なんじゃ、こりゃ?」と思われるでしょう。 個人的にはそれなりに楽しめました。..." もっと読む

"...ぱっと見ると不思議な世界かもしれませんが、下地には作者の現実的感覚と現実世界への観察眼があると思いますねえ。私にとっては、とてもリアルな世界でした。なおかつ内面的でもあり。 まあ、細かいことは考えずに、普段の自分の生活を思いながら読めばいいんじゃないでしょうか?..." もっと読む

"...と位置づけして終わらせようとしたのですが、少年のひねくれた性格がそのうち気がかりになり、さらに壮大な未来を予感させる上手にできた時代背景と人物設定です。" もっと読む

5人のお客様が「装丁」について述べています。3肯定的2否定的

お客様はこの小説の装丁について意見が分かれています。巧みな掛け合いと記号化した固有名詞、実態としての食欲、排便、睡眠をしっかり敷き詰めた作品だと評価しています。また、装丁も凝っているという声もあります。一方で、裏表紙と中身数枚分に大きく折れ線がある点や、考察を考えるとうまくまとめて文章にしづらいという指摘があります。心理的な要素が含まれている可能性があるという指摘もあります。

"...メタファーという言葉を何度も使いますが、最後に隠喩という言葉に置き換わります。 巧みな掛け合いと記号化した固有名詞、実態としての食欲、排便、睡眠をしっかり敷き詰め、間に性欲を置き、話を展開させます。 「火宅の人」「死霊」「罪と罰」以来の久々に面白い小説でした。..." もっと読む

"...安く買えて満足です。無事話が繋がりすっきりしました♪中身はとても綺麗でしたが、裏表紙と中身数枚分に大きく折れ線があったので、★4にしました。" もっと読む

"...複雑で凝ったストーリー展開に!なっていますが、近年のような分かりにくさはぜんぜんありません。気持ちよく受け止められる物語です。装丁も今回もまたちょっと凝っています。秋の夜長にぜひ読んでみてください。" もっと読む

"...感想はまだしも、考察を考えるとうまくまとめて文章にしづらいです。読者をかく乱しているような感じがします。 何か心理的な要素が含まれているなと思いました。 まあ、とりあえずイージーリーディングとしてだと良い読み物でした。" もっと読む

「海辺のカフカ」とは、メタファーであると同時に、失われた人の面影が潜む具体的な対象であるようです
星5つ中5つ
「海辺のカフカ」とは、メタファーであると同時に、失われた人の面影が潜む具体的な対象であるようです
人は、自分と深いかかわりを持った人(例えば、家族とか、強い恋愛感情を抱いた人とか)を失ってしまい、いつかどこかで巡り合いたいと念じる時、通りすがりの他人であっても、失われた人の面影を感じるなら、思わず声をかけたくなるかもしれません。 主人公の「僕」が四歳の時、母は六歳年上の血のつながらない姉を連れて姿を消してしまった。 父から、ギリシア悲劇の「オイディプス王」に似た不吉な予言(呪い)を幼いころから何度も聞かされた「僕」は、家出を決意し、15歳の誕生日にそれを実行します。「カラスと呼ばれる少年」のアドバイスに従い、東京発の深夜バスに乗って・・。 行先はとにかく遠い場所。海を越えることが大切だったようで、たどり着いたのは四国の高松。 「僕」は高校生と偽り、「田村カフカ」という偽名を使ってビジネスホテルに宿泊。 ちなみに「カフカ」はチェコ語で「カラス」を意味する言葉らしく、「カラスと呼ばれる少年」は「僕」の分身のように思えます。 家出少年の居場所は少ないようで、当地にある甲村記念図書館という私設の図書館が「僕」の居場所になっていきます。それも、運命的な・・。 「僕」の家出の目的は、とにかく父から離れることなのか、それとも、幼い頃、生き別れとなった母と姉にどこかで巡り合うことなのか・・。 さて、この物語のもう一人の主人公は、「僕」と同じ中野区に住む60代半ばの男性「ナカタさん」。 戦時中に疎開先の山梨県で十数名の児童が集団で意識喪失する事件があり、「ナカタさん」は、その中でただ一人、普通に戻れず、全ての記憶を失い、読み書きも出来ないまま老境に達してしまった。 ただ、猫と会話ができるため、家を出てしまった猫を探し出し、持ち主に届けることで謝礼を得て、生活保護と合わせてなんとか暮らしている。 記憶もないが、邪念はもちろん、欲も全くない、何故か誰からも好かれる好々爺です。 「僕」と「ナカタさん」の物語が交互に語られ、最後に収束していく構成は、村上春樹の長編ではお馴染みの構成。 今回は、重くシリアスな「僕」の物語を、時にユーモアさえ漂う「ナカタさん」の物語が中和し、「オイディプス王」のような悲劇になることが避けられています。 更に「ナカタさん」と行動を共にする20代半ばのトラック運転手「星野青年」のキャラクターも読者の心を和ませます。 「僕」は、深夜バスに乗り合わせた「さくら」という21歳の女性に義理の姉の面影を見出だそうとします。 そして、お世話になることになる甲村記念図書館の館長の50代の女性・「佐伯さん」が母ではないか、と思うようになります。と同時に「佐伯さん」に強い恋愛感情を抱くようになる。 その「佐伯さん」は、20歳の時に東京で学園紛争に巻き込まれ、非業の死を遂げた恋人の面影を「僕・田村カフカ」に見ています。 更に言えば、「星野青年」は「ナカタさん」に、高校生の頃、警察沙汰を起こすたびに面倒を見てもらった祖父の面影を見ている。そして、物語の重要な役割を果たすまでになる。 「海辺のカフカ」とは、メタファーであると同時に、失われた人の面影が潜む具体的な対象であるようです。 「僕」も「星野青年」も短い期間にもかかわらず、大きな成長を遂げ、四国を、そして、そこでの思い出を離れていく。 作者は、その後の再訪を予言している。
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2025年9月4日に日本でレビュー済み
    フォーマット: ペーパーバック
    「海辺のカフカ」(村上春樹著)を再読。

    2002年に初版を買って、箱根の温泉に行って読みました。
    あれから23年たったんだなぁ。

    当時、私は40代でしたが、それでも主人公の15歳の少年に感情移入して読んでました。
    古希を過ぎて何回目かの再読をして、全ての登場人物が自分からみて年下になっているのに驚きました。
    あの「ナカタ」老人でさえ60歳という設定。
    びっくりです。

    一番のお気に入りは、元自衛隊員のトラックドライバーの星野青年が、ナカタ老人との出会いによって、自分の人生が変容しつつあることを自覚する34章。
    カンフー映画やアクション映画しか観なかった彼が、初めてトリュフォーの映画を観てヌーベルバーグに開眼した後、音楽喫茶でマスターと、ベートーヴェンやハイドンについて語り合うくだり。
    その会話を経て、星野青年は言います。

    「俺はとにかくいけるところまでナカタさんについていこう。
    仕事なんて知ったことか。」

    登場人物が繰り返し、さまざまに「途方に暮れ」、それを合図に、幕が移り、場が変わり、物語が進展する。
    我々の普通の日常が時に停滞し、澱み、腐るのは、「途方に暮れる」ような経験を我々が回避しているからではないか。
    「途方に暮れよ、そこから始めよ!」ーそういう陽性のエールを、この物語から今回初めて受け取ることができました。
    またいつか再読した時の読後感の遷移が楽しみです。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2025年7月31日に日本でレビュー済み
    フォーマット: ペーパーバック
    この物語に選ばれました。

    私は15歳の頃、田中カフカのように図書館で過ごし、
    ナカタさんのように、世の中に影響されなくても自分自身のすべきことに没頭して静かに過ごし、
    時に、想像力を欠いた虚な人々にショックを受けて、適当に笑い飛ばすことができない大島さんであったり…
    その物語に登場するそれぞれの魂のかけらを集めたのが自分という存在な気がしてならない…

    わたしの魂が散りばめられた本でした。
    あなたの本は初めて読みました。
    出会えてよかったです。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年10月4日に日本でレビュー済み
    フォーマット: ペーパーバックAmazonで購入
    8月(2021年/令和3年)末からコッチ、
    溜まってきたBL文庫ばっかり読んでたら
    読書のテンポがズレたみたいでひと月強で
    6冊・・・。
    読書の秋たけなわと言うこともあり
    村上ブンガクで仕切り直しを図った。
    夏前に『カフカ短編集』を読んだ流れで
    語呂合わせ的な気分で購入したまま
    部屋に転がしてた『海辺にカフカ』(新潮文庫版 上・下)。
    思った以上に、サクサク読み進める。
    ページを捲り業に目を走らす快感!
    本を読む”勘”が戻ってきた感じ。
    2日弱で上巻を読了!
    内容をとやかく言いたい人も言えるケド
    僕的にはこのスラスラヨメル感だけで
    良い本とするのでアリマス。
    13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2025年8月20日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本
    単行本の刊行は、2002年9月、か。当時書店で上下巻購入して、一気に読了した。村上春樹の小説で、買ったその日に読了したのは、『羊を巡る冒険』、『ノルウェーの森』、そして『海辺のカフカ』。『海辺のカフカ』は、唯々面白かったことを覚えている。もう、23年になるんだな。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2010年5月5日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本Amazonで購入
    たぶん、この作品は人によって評価が分かれるだろう。共感できるかどうか個人差が大きいと思われる。
    私自身は、この本に共感できる部分はまったくなく、この本を読むのは退屈で苦痛だった。カフカとの違いはリアリティの違いである。カフカの小説では、「職業」をもち、社会と関わりのある人物が登場し、社会の縮図が描かれており、興味深く読める。これに対し、村上春樹の小説では、社会との関わりが言葉では記述されるが、それは書物から得た知識や論述であり、社会的なリアリティが感じられない。カフカが生涯、みずから働きながら小説を書き続けたことが、社会的リアリティをもたらしているのではないか。村上春樹の小説に登場する人物は作者の観念の流出として描かれており、その意味ではこの作品は小説ではなく、エッセイや論文の形式でもよかったのである。それでも、現代社会と現代の人間を知るために、梵語の教典でも勉強するようなつもりでこの小説を読んだ。村上春樹の小説が読まれることの社会的な意味に関心があるからである。

    現実の経験や生活の中で、現在の「生」を実感できている者にとってこの小説は無意味に感じられるだろう。しかし、現在の「生」の存在感が稀薄で自分のアイデンティティに不安を抱いている人はこの本に共感するのではないか。私も学生の頃であれば、この本に共感を持ったような気がする。自分が生きていることがあやふやな感覚、生きていることを実感できない感覚、生きる意味が見いだせないこと、運命に翻弄される感覚。自分のやりたいことが、その瞬間にどうでもよいことのように思え、あらゆることに確信が持てないこと。人間の意識は、現実と無関係に、「森」、「人間」、「生」をいくらでも空想でき、人間の意識は万物を支配する。人間の頭の中では、すべてのものは存在の根拠がなくあやふやであるが、それは人間の意識の産物だからである。人間が生きていること自体が、非常にあやふやで根拠がないもののように思えてくる。
     しかし、自分の手、足、目、耳、味覚、皮膚などを通じて実感すれば、現実の自然界は安定した調和から成り立っていることがわかる。あらゆる存在は不可思議なメカニズムを持つが、人間の認識能力がそれに及ばないだけのことである。人間の意識が、安定した自然界に不安定さを持ち込むのである。村上春樹は、「世界はすべてメタファーだ」と述べるが、人工物で構成される都会文明は人間の意識の産物であり、この点が妥当する。自然物はメタファーとは関係ないが、自然物を人間が認識する時メタファーが混入する。人間の意識が隠喩として漏出し、世界を構築したものが、村上春樹の物語なのだろう。したがって、海辺のカフカは現在の社会と人間の意識を反映しているのである。人間の意識がもたらす不安定さは際限がなく、考えれば考えるほど、不安が強まる。カフカの不安定な世界は、人間の意識と、その産物である文化、社会、法律、技術がもたらしたものであり、人の脳ミソの中にのみ存在する世界である。ブータンの人たちやかつてのイヌイット、インディアンなどは、現代の先進国に住む人たちのような存在の稀薄さとは無縁だった。世界(自然)はそんなに難しいものではないのだが、今の社会が人間の生存と存在を難しくしているのであり、それは個人の責任ではない。

    村上春樹が言うように、小説家は、問題提起するだけで、問題を解決できない。この本は問題提起の本であり、この小説の結論は何の解決ももたらさない。「だから、どうなのか?」という読後感は、それでよいのである。結末部分で、少年が「僕には生きるということの意味がわからない」と言うが、生きることの意味は誰にもわからない。考えることに意味があり、生きる意味を考えないことの方が危険である。現代の戦争を回避するうまい解決策はないが、「人間が人間を殺戮し合う」ことの意味を考える哲学が重要である。

    現代社会の存在の稀薄さは、現実体験の稀薄さや人工的な現代の社会構造がもたらすものであり、経験、実感、感動などを一歩ずつ積み重ね、自分の実感を大切にし、自分は何かを考えていくことが重要ではなかろうか。誰でも「自分は○○である」と実感するところのものでしかありえないし、それ以上のものでもそれ以下のものでもない。あるがままの自分を実感することが出発点になる。その実感は胎児以降の経験によって形成される。
    22人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年7月5日に日本でレビュー済み
    フォーマット: ペーパーバックAmazonで購入
    村上春樹さんの小説が好きです。特にこの「海辺のカフカ」は最高です。何度も何度も読み返して、最初の本がボロボロになってしまったため、購入しました。「またナカタさん(本の中の登場人物)に会いたくなったなぁ」と思っては読み返しています。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年4月26日に日本でレビュー済み
    フォーマット: ペーパーバックAmazonで購入
    ハルキストではないが、これは面白かった。
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2023年4月13日に日本でレビュー済み
    フォーマット: ペーパーバックAmazonで購入
    この小説は、奇数章に15歳で家出したカフカ少年の物語、偶数章には、ある事故の後遺症で文字が読めなくなり、代わりに猫と話せたり、空からイワシとアジやヒルが降る事を予言できるようになったナカタ老人の物語、この2つが別の話のように書かれています。巻末23章に「海辺のカフカ」という詩が載っています。甲村図書館の佐伯さん(カフカ少年の母親?)が書いた歌詞で、その中に「空から小さな魚が降り」という言葉があります。2つの物語がどのように繋がるのか、下巻が楽しみです。図書館員の大島さんの多種な文学作品の解説も興味深いです
    6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • Jessica
    5つ星のうち5.0 Perfect of course
    2019年2月11日にアメリカ合衆国でレビュー済み
    フォーマット: 単行本Amazonで購入
    So I bought this book for 2 reasons. One: it’s my most favorite book I’ve ever read, and two: I wanted to get a quote from it in Japanese tattooed on me, but I wasn’t about to risk making a translation mistake and permanently putting it on my skin. Looking at you Ariana “Japanese grill” Grande. It came in right on time and in perfect condition. I’ve never written a book review before, but I will say, please read this. I’ve been a fan of Haruki Murakami for awhile now and he’s by far the best author I’ve read. His books are beyond surreal and captivating, and they bring you into an entirely different world. His imagination makes you question everything around you and especially with this book. Being a young person that has very little idea as to what their doing in life, this book showed me that it’s okay to sometimes stray off the beaten path and it’s good to meet strange people, because they help shape who you are as an individual. So, if you can read Japanese, buy a copy of this, or buy an English copy to read like I originally did, I promise you won’t regret it.
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