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- 日本仕様はステーションワゴンの9代目
フォルクスワーゲン パサート ワゴン 「日本仕様はステーションワゴンの9代目」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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5
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 5
- 積載性
- 5
- 燃費
- 5
- 価格
- 5
日本仕様はステーションワゴンの9代目
2025.2.26
- 年式
- 2024年9月〜モデル
- 総評
- 従来型ではセダン&ヴァリアント(ステーションワゴン)という2種類のボディタイプを導入していたが、9代目の新型はステーションワゴンボディのみで車名も「パサート」に絞られた。パワートレーンは直列4気筒1.5Lターボ(150PS/250N・m)+PHEV(116PS/330N・m/6速DSGでFF方式)、直列4気筒1.5Lターボ(同)+マイルドハイブリッド(17.7PS/56N・m/7速DSGでFF方式)、直列4気筒2.0Lディーゼルターボ(193PS/400N・m/6速DSGで4WD方式)の3タイプ。
- 満足している点
- 高い実用性が歴代パサートの美点だったが、新型もそれをしっかり受け継ぎながら、内外装ともにスタイリッシュになった。わかりやすく垢抜けた感があり手を伸ばしやすくなったともいえる。現在、整理されたがスタイリッシュで好評だった「アルテオン・シューティングブレーク」が担ってきた分野と、パサートの実用性が組み合わされたといえばわかりすい。インテリアにしても最新のフォルクスワーゲンが誇る15インチタッチモニターとボイスコマンドで操作するインフォテイメント機能をおごった。
- 不満な点
- いつの時代もそうだが、筆者はフォルクスワーゲンの各モデルに大きな不満点を抱かない。ゴルフ、ティグアンにしてもそうだ。筆者が思うパサートで唯一の弱点は、4輪駆動である4MOTIONを選択すると必然的にディーゼルエンジン搭載車になる点か。また、PHEVのカタログ燃費数値が1.5LマイルドハイブリッドとのWLTC値における比較で0.6km/Lしか伸びていない。しかし、これは不満点ではなく、ハイパワーグレードでも燃費数値の悪化量が少ないと捉えるべきで、実用燃費はグっと差が開きPHEVがグンと良い数値を記録する。
- デザイン
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5
- 筆者は、控えめながら随所に光るデザインを用いた車両を好む。その意味では5点と評価するが、一般的に多くの自動車ユーザーからは、美しくなったとはいえパサートは地味に映るだろう。ただし、デザインは攻めている。造形にしてもそうだが、日本向けのプライバシーガラスはフォルクスワーゲンの他モデルよりも濃色化したり、切れ長ヘッドライドに横4本グリルを大胆に配して、最新フォルクスワーゲンファミリー色を強く押し出した。
- 走行性能
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4
- PHEVである「eHybrid Elegance(イーハイブリッド・エレガンス)」に試乗。ご存知の方も多いと思うが、先代のパサート(セダン&ヴァリアント)にもPHEVモデルが「パサートGTE」として日本市場に導入されていた。直列4気筒1.4Lターボに6速DSG+モーターでシステムを構成。二次バッテリーの容量は9.9kwhだった。新型のeHybridはエンジンを「1.5L TSI evo2」へ、駆動モーター「HEM80evo」の高効率化、9.9→23.14kWh(使用可能容量は19.7 kWh)へ進化。EV走行換算距離(WLTC値)は142kmに伸びた。
- 乗り心地
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5
- 試乗車は「DCC Pro」(電子制御可変減衰力ダンパー)をオプション装備していたが、その効果は大きかった。伸びと縮みを独立してバルブ制御するDCC Proは0.01秒単位で減衰力を調整する。よって路面の凹凸や車体の動きに対して敏感に反応し、乗り心地や車体姿勢を効果的に制御する。後席もシートサイズ、足元ともに広大で、本当にショーファードリブンとして使えるほどの乗り味だ。
- 積載性
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5
- 評価点としては存在しないが10点としたいくらい、広大で使いやすいラゲッジルームだ。筆者は30年以上、ステーションワゴンに乗り続けているが、ワゴンに特化した空間演出はフォルクスワーゲンの得意分野だ。歴代パサートは広さだけでなくフラットな床面でも好評だった。新型では、大きくなったボディサイズを室内とラゲッジルームに振り分けている。6:4分割可倒式後席を使った状態で690L、倒した状態で1920Lと、現在販売されているステーションワゴンでは最大級の容量だ。バッテリーや補機類でスペースを取られるPHEVモデルでも1770Lを確保する。
- 燃費
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5
- eHybridを約80km走らせた。高速道路が40%で残りが山道と市街地の一般道路だ。その結果、燃費数値は32km/L、電費数値は10.5km/kWhだった。なお、イグニッションをオンにすると毎回、走行モードはBEVの「Eモード」になる。よってそのまま走らせればSOCが許す限りBEV然とした走り。「ハイブリッドモード」にすれば一般的なハイブリッド走行になる。Eモードでは140kmまでエンジンを停止したBEVとして走行可能。
- 価格
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5
- ガソリンモデル524万8000〜576万4000、ディーゼルモデルが622万4000〜645万8000。PHEVモデルが655万9000〜679万4000だ。PHEVモデルのCEV補助金が55だから、単純計算すればディーゼルモデルよりも21万5000安価に手に入れることができる。BEVとして実用100km程度走行可能なので、充電環境さえ整っていて4年以上乗ることができれば魅力的な価格だ。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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524.8 〜 655.9
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- 中古車本体価格
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