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トヨタ ヤリスクロスハイブリッド 「標準モデルと異なる走りのGR SPORTはハイブリッドがベストバイ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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4
- デザイン
- 4
- 走行性能
- 5
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 3
- 燃費
- 4
- 価格
- 5
標準モデルと異なる走りのGR SPORTはハイブリッドがベストバイ
2024.12.23
- 年式
- 2024年1月〜モデル
- 総評
- トヨタのコンパクトハッチバックモデル「ヤリス」をベースにSUV化したのが「ヤリスクロス」。2024年1月に小変更を行っている。そのスポーツモデルがハイブリッドモデルとガソリンモデルの両方にラインアップする「GR SPORT」(FFモデルのみ)だ。専用のタイヤとホイールに加え、造形を変えた前後バンパーなどを備える。単に外観や内装を変更しただけでなく、ボディ、シャーシ、パワートレーンのすべてに手を入れた。いずれも自動車メーカーにしかできないメニューだ。
- 満足している点
- 見た目の変更点よりも走行性能が大きく異なる。ここが最良ポイントだ。その違いは標準モデルと乗り比べるとスグに実感できるものばかり。まずボディ各部を補強して剛性を高め、スプリング/ダンパー/ブッシュなどサスペンションの構成パーツを専用に。さらに電動パワーステアリング特性も変更。極めつけはハイブリッドモデルの駆動モーターの特性変更とドライブシャフトの変更。ここまでくると別の車だ。
- 不満な点
- 小さなヤリスをベースにしていることからSUVとなっても居住性のゆとりは少ない。また、インパネやシフト回りは高機能ゆえにスイッチ類が所狭しと並んでいる。使い勝手そのものは悪くないのだが、抑揚をつけたインテリアデザインとの相乗効果でギュッと濃縮された印象が強い。
- デザイン
-
4
- スポーツモデルだからといってアクの強さを出すのではなく、ベースのデザインにちょっとだけアクセントを加えたGR SPORTの手法は好印象。GRといえば白や黒のボディカラーをイメージするが、シルバーやセンシュアルレッドマイカを名乗るメタル系の赤色も上品な印象だ。インテリアでは専用のスポーツシートをおごるが、合皮とバックスキン調の落ち着いた表皮の組み合わせで上質なイメージを強めた。
- 走行性能
-
5
- 標準のハイブリッドでも4点としていたが、GR SPORTでは走行性能に特化させたことで一層、乗りやすくなった。スペック上の数値はいずれも標準モデルから変化はないが、カタログ記載の燃費数値は5〜10%(グレードにより異なる)悪化している。これはその分で走行性能を高めていることの証明だ。事実、ハイブリッドモデルのGR SPORTは標準モデルとは全く異なる乗り味。ヤリスクロスのベストバイだ。
- 乗り心地
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4
- 標準モデルでの課題だったFFモデルの突き上げが大きく減っている。これなら後席乗員から不満は出ないはず。専用装備がすべて織り込まれているハイブリッドモデルのGR SPORTでは乗り心地の向上幅がもっとも大きい。低速域で感じていた硬さが取れて、高速域で気になっていたフラつき感が消えている。スポーツをうたうものの、各部の剛性を高めたことで乗り味全般が良くなった。
- 積載性
-
3
- ここは標準モデルと変わらず。ボディサイズに起因するラゲッジルームはやはり小さい。後席は分割可倒式(4.5:1:4.5)。3分割の1の部分は狭いが独立して倒せるので細長い荷物の積載では重宝する。なお、後席を利用した際のラゲッジ長は820mmで、高さは最大で871mmと限られるが、後席を倒せばヤリス以上の容積は得られる。
- 燃費
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4
- GR SPORTとなりカタログ記載の燃費数値は5〜10%(グレードにより異なる)悪化したとはいえ、トヨタのハイブリッドシステムTHS-Ⅱは優秀だ。WLTC総合値で27.8km/Lのところ、25.0km/Lを達成。駆動モーター制御に加えてタイヤも走行性能向上に特化したタイプへ変更しているにもかかわらずこの値は立派。ガソリンモデルモデルでは主にタイヤのみが悪化要因なので4%弱の悪化に留まっている。
- 価格
-
5
- ガソリンのGR SPORTが257万1000、ハイブリッドモデルで295万4000。装備の違いから正確な比較はできないものの、ざっくりGR SPORTになるとGグレードとZグレードの中間に位置することから値上がり額は15〜25相当になる。ただ、GR SPORT化はボディ各部やハイブリッドモーターの制御ロジックなど多岐にわたることから自動車メーカーにしかできない。そして乗り味はまったくの別物。ヤリスクロスの購入前にはぜひ試乗をおすすめします。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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243.3 〜 323.4
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- 中古車本体価格
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141.2 〜 371.1
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