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トヨタ ヤリスクロスハイブリッド 「ヤリスファミリーを支えるコンパクトSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
-
4
- デザイン
- 4
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 3
- 積載性
- 3
- 燃費
- 4
- 価格
- 3
ヤリスファミリーを支えるコンパクトSUV
2022.12.21
- 年式
- 2020年8月〜モデル
- 総評
- SUVは販売すれば飛ぶように売れる、そう言われた時代もあったが、ヤリスクロスがリリースされた2020年8月になると競合車も多種多様で、ここぞといった特徴がないと販売台数はそれほど伸びない。そうしたなかヤリスクロスは安価なガソリンモデルのほかにハイブリッドを用意。FFモデルと後輪に独立した駆動モーターをもたせたE-Four(4WDモデル)による確かな走破性能が最大の武器だ。デザインもシリーズ一のまとまり具合だ。燃費数値も優秀。
- 満足している点
- 扱いやすいボディサイズと燃費数値、そしてE-Fourと称する後輪専用モーターによる4WDシステムの路面状況を問わない走破性能は魅力的。ガソリンの4WDも優秀ながら、E-Fourはハイブリッドモデル専用4WDシステムであり前後独立した状態で緻密な駆動力制御が可能。制御遅れが発生しやすい前輪の空転を後輪モーターがカバーする領域でも前輪「エンジン+駆動モーター」と、後輪「専用駆動モーター」との連携はスムースだ。
- 不満な点
- ヤリスシリーズ全般にいえることながら、FFモデルと4WDモデルでは乗り心地面で違いが大きい。ハイブリッドモデルの前/後重量配分を確認してみると、FFモデルが前62.5%/後37.5%であるのに対して、4WDモデルは前57.4%/後42.6%とFFの後軸重量は5%ほど軽い。さらにFFモデル/トーションビーム、4WDモデル/2リンク式ダブルウイッシュボーンと後輪サスペンションの構造も異なる。このあたりが乗り味に影響している。
- デザイン
-
4
- コンパクトモデル「ヤリス」のSUVモデルとして誕生したヤリスクロス。ベースとなるヤリスからボディ各部のサイズをアップ。全長418mm、全幅1765mm、全高1590mm、ホイールベース2560mm、最低地上高は170mmを確保した。ギュッと詰まったデザインで塊感がある。一方、グリルの開口部が二段構えになり口を開けているようでソフトな一面も感じる。フェンダーアーチモールとサイドシルの樹脂素材面積が多く下半身が力強い。
- 走行性能
-
4
- ハイブリッドモデルはガソリンモデル以上に元気の良い走りが実感できる。発進時は駆動モーターによる力強さが全面に出て、一連のTHS IIシステム同様に20km/hあたりを過ぎたころからはエンジン出力も加勢する。ハイブリッド化による重量増はわずか50kg。リアサスペンション形式も駆動方式で異なっており、FFモデルがトーションビーム方式であるのに対して、4WDモデルは2リンク式ダブルウィッシュボーン方式。
- 乗り心地
-
3
- ハイブリッドのFFモデルはちょっとしたギャップでも車体の上下動が大きい。具体的には、ある凹みを50km/hで乗り越えたとする。すると前輪がコツンと、後輪が小さくガツンとシートを通じて身体に衝撃を与えてくる。振幅そのものは大きくなく揺れも一発で収束するのだが、少しでも路面状況が悪くなると、ガソリンモデルのFFや、ハイブリッドモデルの4WDとの違いが顕著になった。乗り心地はサス形式が異なり後軸重が重くなる4WDが優勢。
- 積載性
-
3
- リヤシートは4.5対1対4.5の分割可倒式。中央部はいわゆるトランクスルー的なサイズで、ここを倒せば4名乗車(乗車定員は5名)状態で長尺物を積載できる。ラゲッジルームはコンパクトクラスのSUVながら9.5インチのゴルフバッグ2つを収納できる。もっとも、ボディサイズが大きくないので床面積は限られるが、リヤサスペンションの張り出しも気にならず、床面は倒したリヤシート部分を含めてフラットなので使いやすい。
- 燃費
-
4
- ハイブリッドのFFモデルに試乗した際の市街地燃費は良好だった。筆者一人の試乗状態で26.7km/Lと、WLTC市街地モード29.4km/Lの約90%を記録している。群を抜いて良い値で、少々ラフなアクセル操作を行なっても数値の悪化も少なかった。ハイブリッド4WDモデルの市街地燃費数値は22.8km/Lと、WLTC市街地モード26.4km/L(18インチ装着車の値)の約86%を記録した。
- 価格
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3
- 登場時の価格は、ボトムグレードの「HYBRID X」がFFモデルで2,284,000、4WDモデルが2,515,000だ。快適装備は少ないが、走行性能や優れた燃費数値を考えれば安価な価格設定。トップモデルの「HYBRID Z」は2,584,000と2,815,000とやや高価だが、先進安全技術など上級装備が多いことが要因。ただし差額は300,000に収まる。Xグレードでほしいオプション装備品を選ぶなら、Zグレードがお買い得だ。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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243.3 〜 323.4
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- 中古車本体価格
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141.2 〜 371.1
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