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- 日本の道路事情にマッチするマルチステージHV
トヨタ クラウン(セダン) 「日本の道路事情にマッチするマルチステージHV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
-
4
- デザイン
- 3
- 走行性能
- 5
- 乗り心地
- 5
- 積載性
- 3
- 燃費
- 5
- 価格
- 3
日本の道路事情にマッチするマルチステージHV
2025.1.30
- 年式
- 2023年11月〜モデル
- 総評
- 直列4気筒2.5Lエンジンを縦置きにして、4速有段ギヤを内蔵したTHS-Ⅱを組み合わせたのがクラウン(セダンボディ)のマルチステージハイブリッドシステムだ。美点は大きく2つ。圧倒的に滑らかな乗り心地と、1回の給油で1000kmを大きく超える航続可能距離だ。乗り味の優位性は燃料電池モデルを有していることに起因する。燃料電池専用車「MIRAI」をベースにクラウン向けに味付けを変えた。
- 満足している点
- 運転してよし、後席に乗ってもよし。これが最大の満足ポイントだ。スポーツモデルではないので俊敏な身のこなしは楽しめないが、大柄なボディを意識させないドライバーとの一体感は秀逸だ。後席の乗り味は、電子制御サスペンションモードを「リヤコンフォート」にすると一段と向上する。「前後方向のピッチングを抑えた乗り味にした」とは開発者の弁。
- 不満な点
- 見た目がもっさりしている外観と、触れた際の質感に欠く車内の装備品だ。見た目は好き嫌いが分かれるため一概にはいえないところだが、画像でも、実車で確認してみても、前後方向に間延びしたように見えてしまう。また、車内はデザインセンスこそ高いものの、物理スイッチ類のタッチ感がカローラと大差ない。ここはカローラの質感が高まったと評すべきなのかもしれないが、いずれにしろ特別感が薄い。
- デザイン
-
3
- 登場時のレポートでは5点としていたが、今回、数日間、公道試乗を重ねていき、さまざまな場所やシーンでそのスタイルを見てきた。初見のとおり、80年代のマークⅡのような正統派セダン的な潔さを感じるものの、マイカーとなると疑問点も。たとえばストップランプ。ハイマウントストップランプがあるから危険ではないものの、肝心のストップランプは高輝度ながら小面積のLEDのみ。被視認性という観点からもデザインに疑問符がつく。
- 走行性能
-
5
- マルチステージHVは日本の道路事情との親和性がとても高い。今回、800kmほど試乗してその考えが深まった。数値上のシステム出力は245PSだが、4速有段ギヤが有効に駆動力を生み出すから、THS-Ⅱ特有の加速時の待ち時間がなくなっている。アクセル開度ごとにモーター出力、エンジン回転、シフトダウンを併用しながら最小限の燃料消費で求める加速度を生みだす。
- 乗り心地
-
5
- 市街地から高速道路、荒れた路面や山道にいたるまでフラットな乗り味を提供する。なかでも感心したのが長距離の高速道路走行時。大きな凹みを通過しても前後サスで一発で衝撃をいなして進路を一切乱さない。ステアリングへのキックバックも皆無。ここには燃料電池モデルを有するクラウン専用のプラットフォームの高剛性化も効いている。
- 積載性
-
3
- フルサイズのボディだからさぞかしトランクルームが広そうだが、マルチステージHVの場合、ゴルフバックは3個の積載に留まる。もっともトランクルームの床面は広いから、積み方に工夫を凝らせば容量そのものは確保できる。トランクリッドは、足の操作だけで開閉できるハンズフリー機能がつく。前席中央のセンターコンソールボックスは左右両方から開閉できるので便利だ。
- 燃費
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5
- カタログ上のWLTC総合値は18.0km/Lで、良好な値となる高速道路モードで19.7km/L、悪化する市街地モードで14.4km/Lだ。筆者による約800kmの試乗では、高速道路で80km/hにACCをセットして走らせて22km/L台、市街地で15km/L台。総合値は17.8km/Lと、ほぼカタログ値と同一だった。燃料タンクは82Lなので、計算上は1460km近く走れる。
- 価格
-
3
- マルチステージハイブリッドが730と高額だが、不可欠なオプション装備品はなく実質、この価格で高い満足度が得られる。価格相応の性能も今回の長距離試乗で体感できた。なかでも、運転支援システム向けに車載している光学式カメラやミリ波レーダーなどを、日常時の安全運転にも活用するプロアクティブドライビングアシストが非常に有効だった。たとえばカーブをはみ出さないように支援したり、先行する車両に近づき過ぎないよう支援する機能などはありがたかった。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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