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- 今や貴重な超普通のマニュアル!
スズキ スイフト 「今や貴重な超普通のマニュアル!」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 大音 安弘(著者の記事一覧)
- 自動車ジャーナリスト
- 評価
-
4
- デザイン
- 3
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 4
- 燃費
- 5
- 価格
- 3
今や貴重な超普通のマニュアル!
2025.9.4
- 年式
- 2023年12月〜モデル
- 総評
- 日本はAT車の普及率が高い国でもあり、令和の時代ではMT車は激レアな存在。メーカーによっては、スポーツカー以外のMT車の設定は辞めてしまったところも多い。その中で、あえてMT車のスイフトを残したことは、まさにユーザーサービスのひとつ。しかも、先代まで存在したスポーティグレードも、現状では非設定。極めて普通のMT車なのだ。そのため、身近なスポーツカーとして選ぶことはおススメしない。それでもMT車の運転の基本は学べるし、CVT車よりクルマとの一体感も強い。このMT車に価値を見出せるのは、MT車以外の運転が苦手な人や、のんびりと運転する操作を楽しみたい人だ。もちろん、その根底には、スイフトの素性の良さがあることを付け加えておきたい。
- 満足している点
- スポーツカー以外で、マニュアルトランスミッションを選べること。200を切る現実的な価格帯。駐車場に困らない5ナンバーサイズボディ。自分らしい一台を選べる豊富なボディカラー。MT車で安心なハンドブレーキ仕様であること。ドアの施錠と開錠時に自動的に開閉するドアミラーを標準化したこと。タコメーターが見やすい2眼式アナログメーターであること。ブラインドスポットモニターまで標準となる先進の安全運転支援機能。総合的に優秀な実用車であること。
- 不満な点
- グレード選択では、中間グレードの「HYBRID MX」でしかMTを選べないこと。先代に比べ、おとなしくなったスタイリング。先代のようなスポーティグレードがないこと。MTらしい走りの楽しさが薄いこと。ウレタンステアリングであること。USB電源ソケットがないこと。
- デザイン
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3
- スズキの世界戦略車として活躍するスイフトは、スポーティなスタイリングも売りのひとつだったが、一部ユーザーの声を受け、あえて新型はおとなしいデザインを採用している。ガラスエリアが強調され室内が広く見えるようになったが、個人的には伝統の若々しく元気なスタイルを受け継いで欲しかった。またグリルが押し出した個性の強いフロントマスクに対して、リヤスタイルは極めてオーソドックス。前後で印象が異なる点も好みが分かれるだろう。
- 走行性能
-
4
- 欧州でも活躍するスイフトは、走りの良さにも定評がある。その伝統はしっかり受け継がれており、「走る、曲がる、止まる」の基本性能はしっかりと作り込まれている。ただMTについて言及すると、スポーティさを求めるのは間違い。CVT車が嫌い、有段ギアのクルマに乗りたい、そしてスポーツカー以外のMT車を求める人向けのものであり、燃費重視のギア設定になっている。MTの操作性は非常に軽く、クラッチも同様に軽いので、運転にストレスはなく坂道発進時の下がりを防止するヒルホールドコントロールも備わる。もちろん、実用エンジンの限られたパワーを引き出すMT車の面白さは味わえる。
- 乗り心地
-
4
- どこでも自在に駆け回れるのが自慢のスイフトだけに、乗り味はしっかりしたもの。もちろん不快なものではないが、人によっては少し硬めに思うかもしれない。サイドサポート性の高いフロントシートは、ホールド性もまずまず。後席も大人が着座して不満のない空間は確保できている。デザイン的にガラスエリアが広く見えるようになったことで、室内もより明るくなり、後席の圧迫感も薄まっている。
- 積載性
-
4
- 5名乗車時で最大265Lを確保しており、小さなスーツケースが2個収まる大きさはあるので、日常的な買い物などでは必要十分。後席が2分割可倒式なので、必要に応じてサイズを広げることができるが、フルフラットにはならないので、ちょっと使いにくいシーンもあるだろう。小物入れは運転席周りとドアポケットなどにあり、ドリンクホルダーも全席分を確保するが、後席左右はドアポケットのみで斜め置きとなるので、蓋つきのボトルなどが基本だ。前席はマニュアルシフトの前にドリングホルダーがあるが、ドリンクがあってもシフト操作に影響しないのは良いところ。
- 燃費
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5
- 新型では、高効率な1.2L直列3気筒エンジンを基本とし、上位グレードがマイルドハイブリッド仕様となる。MT車も、マイルドハイブリッド仕様だ。今や燃費に関してはAT車も優秀だが、スイフトのMT燃費は25.4km/LとCVT車よりも0.9km/L高い。まさに経済的なMT車なのだ。走行中はマイルドハイブリッドによるモーターアシストもあるので、エンジンスペックから想像するより加速もスムーズだ。もちろん、低いギアで高い回転数まで引っ張るような運転をすれば、CVT車よりも燃費は悪くなるので、ドライバーにも燃費を意識した走りが求められることはお忘れなく。
- 価格
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3
- よりお手頃だからMT車を選ぶ、なんてことはもはや過去の話。今や乗用車だと、MT車の方が高い場合もあるほど。スイフトの場合は、CVT車と同価格だ。ここは割高と思うよりも、どうしてもMT車を選びたい人向けの特別仕様と捉えるべきかもしれない。そういう意味ではお得だ。ただ近年のCVT車は優秀で、走りも悪くない。CVT車よりもお得かと聞かれると難しい。また希少性は高いが、MTだからといってスポーツカーのようなリセールバリューは期待できないだろう。
- 大音 安弘
- 自動車ジャーナリスト
- 1980年生まれ、埼玉県出身。幼少からのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿でのモットーは、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がけること。愛車はスバル「WRX STI(VAB)」やポルシェ「911(996)」など。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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