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スズキ eビターラ 「期待膨らむ!新たなスズキのフラッグシップBEV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 大音 安弘(著者の記事一覧)
- 自動車ジャーナリスト
- 評価
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4
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 4
- 燃費
- 3
- 価格
- 3
期待膨らむ!新たなスズキのフラッグシップBEV
2025.8.1
- 年式
- 2026年1月〜モデル
- 総評
- スズキ初の市販EVとして、大きな注目を集めている電動SUV「eビターラ」。同時に、最新スズキ乗用車のフラッグシップモデルにもなるモデルだ。プロトタイプによる評価なので少し控えめな点数としているが、内外装の質感や走りなどの総合点は極めて高い。驚いたことに、インフォテイメントシステムと一体デザインのディスプレイメーターやプレミアムオーディオシステム、グラスルーフといった、コスパ重視のスズキ車にはなかった豪華装備も用意。内外装デザインでは先進感を意識しているが、EVであることよりも魅力的なSUVに仕上げたという熱意が感じられたところにも好感が持てる。ボディサイズもスズキ車としては全幅が1800mmと広めだが、全長は4275mmと取り回しやすいサイズ感。クローズドコースの試乗では、誰でも運転しやすいクルマと感じた。正直、想像以上の出来栄えと内容になっていただけに値段の予測がしにくいが、スズキだけに驚きのプライスを期待したい。また初となるEVの販売やPR、ユーザーサポートにも注目している。
- 満足している点
- スポーティかつスタイリッシュなSUVデザイン。質感の高さを感じるインテリア。取り回しの良いサイズ感。駆動用バッテリーのサイズと4WDが選べること。プレミアムオーディオの採用。視認性の良いディスプレイメーターとインフォテイメントシステム。エンジン車から乗り換えても違和感のない走り。
- 不満な点
- 慣れが必要なダイヤル式ATシフト。開閉するサンルーフではなく、固定式ガラスルーフなこと。
- デザイン
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5
- SUVというとジムニーのイメージの強いスズキだが、グローバルではさまざまなタイプのSUVを投入済み。また地域によっては、上級車も展開している。その経験を活かし、洗練されたSUVに仕上げてきた。走りの良さを感じるスポーティさと頼れるSUVとしてのワイルドさを兼ね備えており、サイズの割に存在感もある。これは全長に対してワイドな全幅としたボディの効果も大きいだろう。内装は、フルカラーディスプレイメーターを中心とした先進感のあるもので、ダッシュボードデザインも凝っている。シンプルにいえば、小さな高級車に感じられるほど。従来のスズキ車のイメージを覆すインパクトを持つため、EVに関心がない人も内外装のチェックをしてみて欲しい。きっと驚くはずだ。
- 走行性能
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4
- クローズドコースでのプロトタイプを試乗した印象は、かなり良い。用意された車両は、1モーターのFF車と2モーターの4WD車で、いずれも61kWhの駆動用バッテリーと搭載し、フロントモーターが128kW。4WDはリヤに48kWのモーターを追加する。その重量差は100㎏となる。スペック上のパワフルさでは4WDの方だが、2モーターをパワフルさに振るというよりも、4WDが生む走行安定性を重視しているようで、日常的な加速領域では駆動差による劇的な差はない印象だ。個人的には、むしろ軽快な動きを見せるFF車の方が運転が楽しかった。ただモーターの緻密な制御を武器とする4WDシステムなので、変化のある路面状況では、その強みが感じられるだろう。路面状態の良いクローズドコースでの個人的な好みでは、走りに軽快さのあるFF車だった。これはエントリーモデルの走りも期待できるということ。ステアリングの応答性の良さや違和感のない加減速など、乗用車としての完成度は高い。それだけに公道に連れ出すのが待ち遠しいばかりだ。
- 乗り心地
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4
- 海外では幅広いSUVのラインアップを持つスズキだけに、乗り心地の配慮もばっちり。シートの出来栄えもなかなかのものだ。今回はクローズドコースであるため、路面状況が良好であったものの大径タイヤによる乗り味の硬さもなく、コーナリングではしなやかな動きを見せた。また、ボディの長さに対してホイールベースが長く、トレッドも広いので、走行安定性も高い。後席を含め、さまざまな路面での乗り味を試してみたいが、いずれのシーンでも快適な移動空間となってくれそうだ。
- 積載性
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4
- 運転席周りはスポーティかつ先進的なデザインだが、使いやすい前方配置のドリンクホルダーに加え、フローティング式センターコンソールの下にも小物入れを用意するなど機能性は高い。ラゲッジスペースは余計な凹凸がなく使い勝手は良さそう。状況に合わせて調整できるスライド機構と3分割の可倒機能も備えている。英国サイトによると、後席を倒した際の容量は562Lとのことだ。
- 燃費
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3
- まだ発売前のモデルだけに開発目標値となるが、eビターラには49kWhと61kWhの2タイプの駆動用バッテリー仕様を用意。一充電走行距離は、FF車の場合49kWh仕様で400km以上、61kWhで500km以上とする。4WD車は61kWh仕様のみで450km以上を掲げている(全てWLTCモード)。いずれもロングドライブを意識した性能を目指していることが伺える。急速充電も90kWまで対応できるので、充電のスムーズさも期待できる。
- 価格
-
3
- 価格に関してはプロトタイプなので未公表。海外では英国仕様の価格が公表されているが、恐らく日本仕様よりもだいぶ高価と思われる。現時点で言えることは、スズキが最大限EVとして現実的な価格を目指していることだ。それでもライバルと目される輸入EVの中には、eビターラよりも安価なものもあるだろうが、いざというときに津々浦々にあるスズキ販売店のバックアップを受けられることも、ひとつのバリューとして考えるべきだろう。
- 大音 安弘
- 自動車ジャーナリスト
- 1980年生まれ、埼玉県出身。幼少からのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿でのモットーは、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がけること。愛車はスバル「WRX STI(VAB)」やポルシェ「911(996)」など。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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