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- ターボとハイブリッドの異なる味わいが悩ましい
スバル フォレスター 「ターボとハイブリッドの異なる味わいが悩ましい」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 大音 安弘(著者の記事一覧)
- 自動車ジャーナリスト
- 評価
-
5
- デザイン
- 4
- 走行性能
- 5
- 乗り心地
- 5
- 積載性
- 4
- 燃費
- 5
- 価格
- 4
ターボとハイブリッドの異なる味わいが悩ましい
2025.8.1
- 年式
- 2025年4月〜モデル
- 総評
- インプレッサから派生したクロスオーバーSUVとして誕生したフォレスターは、今やスバルのフラッグシップSUVへと成長した。それだけに世間の期待も高まるばかり。そこでプラットフォームを含め、全面刷新を図ることでその期待に応えたのが6代目となる新型だ。最大の目玉は、やはりストロングハイブリッドの採用。弱点だった燃費を克服し、新たなファンの獲得へと繋げている。注目すべくは、電動化の強化をスバルらしい走りにも活かしたこと。特に雪上やオフロードの走行で求められる繊細なアクセルワークを、緻密な制御が可能なモーターの強みを活かし、ドライバーの負担を軽減しながら走破性を高めている。そして従来型から継承されたターボエンジンでは、「SPORT」のグレード名が示すようにオンロードでの走りの楽しさを存分に感じられるSUVに仕上げてきた。スタイルでは、フォレスターファンの多いアメリカの香りを纏ったことも嬉しいところ。SUVとしてのターゲットユーザー層を広げながら、しっかりとスバルファンの心を掴む味わいも残す。磨けば光る逸材だけに、走りを重視したモデルやクロカンテイストを含んだモデルなどにも期待したい。
- 満足している点
- SUVらしい力強さが増したマッシブなエクステリアデザイン。ストロングハイブリッド「e-BOXER」とターボとのキャラ分けが明確なところ。スバルらしさにあふれる走りの良さ。フォレスター初のアイサイトXの採用。ストロングハイブリッド化による燃費と悪路走破性の向上。モデルとしての静粛性と乗り心地の向上。
- 不満な点
- 正統派SUVらしい演出が欲しいコクピットデザイン。エントリー価格が高いこと。全車オールシーズンタイヤとしたこと。
- デザイン
-
4
- モデルを重ねるごとに正統派SUVへと進化していったフォレスターだが、そのエクステリアは、もっと力強いデザインでも良いのではと感じていた。新型ではSUVのトレンドを意識し、押し出し感のある巨大なフロントグリルと、より筋肉質なボディラインで大幅に迫力が増したことで、存在感も強まったと思う。アクセサリーで異なるデザインテイストのフロントグリルを用意し、カスタムする楽しさを提案しているのも嬉しいところだ。一方、インテリアに関しては、より質感を高めた点は評価するが、他のスバル車と統一感のあるデザインのため、正統派SUVとなったフォレスターだけの空間作りをしてほしかった。
- 走行性能
-
5
- スバルらしい走りに磨きがかけられた新型フォレスター。ようやく実装したストロングハイブリッドだが、単に電動化で燃費を高めるのではなく、走破性の向上にも結び付けているのは、ファンの期待を裏切らないところだ。ストロングハイブリッドは、静粛性が高いだけでなく、電動パワーユニットのゆとりを活かした大人の走りも魅力だ。もう一つの選択肢となる1.8Lターボ「SPORT」は、フォレスターでもスポーティな走りを楽しみたい人に向けた味付けで、俊敏な加速と操る楽しさがある。個人的には、ファミリーカーが必要だけど、時には一人で運転を楽しみという人には、一押しの存在だ。
- 乗り心地
-
5
- さらに鍛えられたボディ剛性と路面追従性に優れる足回りにより、より乗り心地も良好に。スバルらしく、ストロングハイブリッドとターボ車の味付けは異なるので、王道的なSUVの味わいを求めるならばストロングハイブリッドが良い。上記にも示したが、運転の楽しさを重視するならば、ターボ車だ。ただいずれの仕様も快適性が高いので、オーナーの好みで選んでも問題はないのでご安心を。
- 積載性
-
4
- ボディサイズが少し大きくなったが、ラゲッジスペースの容量は同等。テールゲートの開口部の最大幅は50mm減少しているが、9.5インチのゴルフバックもしっかりと収まるので問題にはならないはずだ。新たな試みとして、SUVとして積載機能を高めるべく、ラゲッジスペースの壁面にユーティリティナットやカーゴフックなど新たな機能も与えられている。人気アイテムのキックセンサー式ハンズフリーパワーテールゲートを、Xブレイクを除き標準化。そのXブレイクにも、オプション設定としたのは評価できる。
- 燃費
-
5
- スバルユーザーの悩みのひとつが燃費だったが、クロストレックから採用する2.5Lのストロングハイブリッドは、18.4km/L〜18.8km/L(WLTC)と良好。またエンジンは発電、走行をモーターと役割分担することで、静粛性が高いだけでなく、燃費が安定しているのも魅力だ。一方「SPORT」には、今やスバル上級車のメインパワーユニットである1.8L水平対向4気筒直噴ターボエンジンを採用。燃費は13.6km/Lに留まるが、スバルらしいスポーティな走りの代償と考えれば納得できる。もちろん、いずれもレギュラー仕様だ。
- 価格
-
4
- 価格帯が、300台から400台へと一気に上昇したが、ハイブリッドはマイルドからストロングへとアップデート。装備面では、アイサイト、アルミホイール付きのオールシーズンタイヤ、フルLEDヘッドライト、4WDシステム、ステアリングヒーター、全席シートヒーター、ルーフレール、ナビゲーションシステム付き11.6インチセンターディスプレイ、コネクテッド機能、ETC2.0車載器などを全車標準化。さらに、ほとんどのグレードでパワーテールゲートを標準化するなど内容も豪華となり、内外装の質感も向上していることを鑑みれば、妥当なラインかもしれない。ただ使い勝手の良いSUVだけに、シンプルなエントリーグレードがあっても良かったかも。
- 大音 安弘
- 自動車ジャーナリスト
- 1980年生まれ、埼玉県出身。幼少からのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿でのモットーは、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がけること。愛車はスバル「WRX STI(VAB)」やポルシェ「911(996)」など。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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