スバル クロストレック 「待望のストロングハイブリッドを追加！」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

待望のストロングハイブリッドを追加！

2025.4.26

年式

2024年9月〜モデル

総評

燃費がネックとなっていたスバルにとってストロングハイブリッドの登場は朗報以外の何物でもない。トヨタ由来のハイブリッドシステムに2.5リッター水平対向ユニットの組み合わせは力強い走りとすぐれた経済性を発揮。さらに燃料タンクの大容量化も行われ、満タンでは1000km以上の航続距離も得られる。高い走破能力を誇る機械式のシンメトリカルAWDの採用もスバルらしく、悪路からの脱出にすぐれるXモードも採用されている。

満足している点

スペックで計算すると、実に1190kmも無給油で走ることが可能で大容量電池を搭載したBEVの2〜3倍の航続距離の長さを実現。さらに1500Wまで使えるAC100Vコンセントもオプションで用意されており、アウトドアで家電製品を使うことが可能だ。悪路走破能力にもすぐれているので、災害時など万が一の際は心強いモデルでもある。

不満な点

ドライバーモニタリングシステムは眠気や視線をそらすと注意喚起して安全運転をサポートするシステムだが、眠気を催していないのに居眠り警告が出ることもあって同乗者に不安を与えることも。走行中の警報音も余計なお節介なことがあり、ドライバーへの注意喚起の仕方も再考してもらいたい。

デザイン

4

エクステリアはマイルドハイブリッドのリミテッドに準じたデザインで、ダークグレー塗装のフロントグリルバーを装着。サイドとリヤに装着されるストロングハイブリッド用のe-BOXERオーナメントが唯一の識別点だ。

走行性能

4

2.5 リッター水平対向エンジンを組み合わせたことで実用域でも余裕のある走りが確かめられる。デフォルトのIモードは穏やかでスムーズな加速感が印象的だ。大排気量らしいグイッと来るトルク感が好みであればSモードを選択したい。発進時の走行フィールは技術供与を受けたトヨタのハイブリッドシステムにそっくりで、通常はモーターで走り出し、アクセルを踏み込むとエンジンが始動するパターンだ。12.3インチの液晶メーターにはパワーフローメーターが備わるが、エンジン回転計を表示出来るようにしてもよかったのではないか？

乗り心地

5

純正のオールシーズンタイヤ（ファルケンZIEX）を装着した試乗車は直進安定性にすぐれ、ステアフィールも良好だ。しっかりとしたボディにストローク感のある乗り味は快適でしなやか。ハイブリッド化でエンジンノイズや振動はさらに抑えられており、ロングドライブでも快適なクルージングが確かめられた。

積載性

3

ストロングハイブリッド用のバッテリーを荷室のフロア下に搭載することで、フロアが高くなった。荷室容量はマイルドハイブリッドの311リットルに対して279リットルに減少したが、使いにくくなったという形状ではない。後席シートバックは6:4の分割可倒式を採用する。

燃費

4

東京から東北道を使って往復500kmを走行した際の燃費は19.2km/L。往路は18km/L台だったが、流れの遅くなった復路の高速ではモーター走行が増えたことから燃費が向上した。都内走行を含めた700km走行時の燃費も18.1km/Lと、2.5リッターモデルとしては優秀なデータが得られた。

価格

3

ストロングハイブリッドモデルは383万3500から405万3500。マイルドハイブリッドのリミテッドAWDに対して38万5000から60万5000のアップとなるが、装備内容もやや異なるのでストロングハイブリッド化による価格アップは30強といったところか。昨今の車両価格の上昇を踏まえると本格ハイブリッドのクロストレックで400は妥当なところ？