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ルノー カングー 「大幅に進化した新型は、上質感重視ならガソリンがおすすめ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- まるも 亜希子(著者の記事一覧)
- 自動車ジャーナリスト
- 評価
-
5
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 5
- 乗り心地
- 5
- 積載性
- 5
- 燃費
- 5
- 価格
- 5
大幅に進化した新型は、上質感重視ならガソリンがおすすめ
2023.5.22
- 年式
- 2023年3月〜モデル
- 総評
- 新型カングーは目に見えて変わった部分以上に、目に見えないところで変わった部分が大きいです。本国では商用車として活躍するだけに、地球150周分にも相当する過酷な走行テストに加え、数字は秘密ですが数百万回に及ぶドア開閉耐久テストなどもこなしたと聞くと、スマートなデザインの陰にはやはりタフな一面がちゃんとあるのだなと感じます。ルノー車初搭載の機能を含め、安全運転・駐車システムもしっかり装備されているので、唯一無二の「ルドスパス=遊びの空間」ここにアリと納得です。
- 満足している点
- 先代までは手動のスライドドア操作が重くて硬く、一発で閉められないことも多かったのが、新型ではなめらかに軽々と閉められるようになりました。また、キーをいちいち取り出してボタンを押してドアロック/アンロックをしていたのが、新型ではキーレスに進化。キーのストレスがまったくなくなり、よりスマートに乗れるようになったと感じます。
- 不満な点
- 劇的に変わったインパネ。水平基調のダッシュボードにはスマートフォンとリンクできる8インチマルチメディアのイージーリンクが置かれ、クロームで縁取られたダイヤル、フローティングしたセンターパネルにシフトレバーと電動パーキングブレーキがすっきりと配置されて、使い勝手はものすごくよくなったと思います。ただ、本国では郵便配達車として活躍するカングーには、1日に何度もパーキングブレーキを操作することを考慮して、横長のバーを引き上げるタイプのパーキングブレーキがアイコンとなっていたのですが、それがついに姿を消したり、そのほかのデザインに関してもカングーならではの個性的なモチーフなどが何もなかったのは残念なところです。
- デザイン
-
5
- 先代までのホンワカ癒し系とは違いますが、フロントマスクからフェンダーに続く盛り上がったフォルムや、リアのダブルバックドアといった、カングーのアイコンともいえる要素は引き継がれたデザインです。ブラックバンパー仕様が日本専用に用意されているのも嬉しいところ。先代よりも薄くなったグラスエリアや、大きく傾斜したAピラーが安定感とダイナミックさを表現しつつ、ショルダーラインには躍動感がプラスされています。リアは少しRのついたバックドアで、ドッシリと地に踏ん張るような頼もしさ。流線型のフォルムは空力にも貢献し、フロントバンパー両端に装備されるエアディフレクターが、ホイールから発生する乱気流を抑える役割を果たし、燃費がアップしています。
- 走行性能
-
5
- 1.2Lから1.3Lへ排気量アップしたガソリンターボモデルと、1.5Lのディーゼルターボモデルが用意され、トランスミッションはどちらも乾式6速から湿式7速となったデュアルクラッチを備えるEDCです。プラットフォームはミドルクラス向けのCMF-C/Dを採用し、基本性能から大きく進化しているだけあって、ガソリンモデルは出足から軽やかでスルスルと伸びていく加速フィールが爽快。上質感もあり、高速道路での抜群の安定感や、きれいに弧を描くコーナリングは全高1810mmにもなるクルマとは思えないほどです。ディーゼルモデルは、どの速度域でも穏やかに走れる懐の深い感じが、どことなく先代カングーに近いと思わせる乗り味です。
- 乗り心地
-
5
- 走行性能を磨きつつ、乗り心地の良さを向上させるという難題をクリアするために、サスペンションのストローク量を変えずにロールを抑えるという開発手法をとったそう。その効果は抜群で、とくにガソリンモデルの乗り心地は国産ミニバンを含めて全ミニバンでトップレベルと言えるほど。ディーゼルモデルは90kgほど重量が増えることもあってか、それよりもややカジュアルさが残る乗り心地となっています。
- 積載性
-
5
- ラゲッジ容量は5名乗車時でも先代比115Lプラスとなる775L、床面長が100mmプラスの1020mmを実現している大容量です。後席は6:4分割で折り畳むことができ、すべて畳むと132Lプラスの2800Lにもなるので、キャンプなどの大荷物もOK。出っ張りがほとんどないスクエアな形状で、フロア地上高が594mmと低く抑えられているため、効率よく荷物が積めるのもカングーの美点です。ダブルバックドアの使い勝手も受け継がれており、右ドア、左ドアをまずは90度まで開き、必要であればロックを外すと180度まで開くことも可能です。
- 燃費
-
5
- カタログ燃費はガソリンが15.3km/L(WLTCモード)、ディーゼルが17.3km/L(WLTCモード)で、ライバルのシトロエン・ベルランゴがディーゼルで18.1km/L(WLTCモード)となっているため、少し負けている状況ですが、実際の走行ではほぼ変わらないと言えるでしょう。国産ミニバンのガソリンモデルと比べても、優秀な数値だと思います。
- 価格
-
5
- バンパー同色のモデルも、黒い樹脂バンパーとなるモデルも、価格は同じ。ガソリンとディーゼルでは、ディーゼルの方が24ほど高い価格となっていますが、装備は共通です。ガソリンはハイオク仕様、ディーゼルは軽油なので維持費はディーゼルの方が抑えられる可能性も高いですが、走行距離を相当稼がないと価格差は取り返せないと思うので、単純に上質感優先ならガソリン、道具感が好みならディーゼルというような選び方がおススメです。
- まるも 亜希子
- 自動車ジャーナリスト
- 映画声優、自動車雑誌編集者を経て独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」、「おっさん on boad」にも出演中。
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