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- 911シリーズに初のハイブリッドモデルが登場
ポルシェ 911 「911シリーズに初のハイブリッドモデルが登場」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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4
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 3
- 積載性
- 2
- 燃費
- 3
- 価格
- 3
911シリーズに初のハイブリッドモデルが登場
2025.7.26
- 年式
- 2025年4月〜モデル
- 総評
- 1964年の初代誕生以降、世界中のスポーツカー愛好家から熱いまなざしが向けられている911シリーズ。2024年にシリーズ初のハイブリッドモデルが加わった。T-Hybridと呼ばれるシステムは、水平対向6気筒3.6Lエンジンに41kWの電動モーターを組み合わせた。さらにターボチャージャーも電動化され、排出ガスエネルギーが得られにくい低回転域での過給も実現した。
- 満足している点
- ハイブリッドシステムを得たものの、911らしい水平対向エンジンの鼓動をしっかりと感じながら走ることができる。ここが美点だ。8速PDK(デュアルクラッチトランスミッション)につながる電動モーターのアシストを受けたことで、パワー感の向上もさることながらトルクの増強(システムトルク610N・m)がすさまじい。これに電動ターボが加わり、下から上までよどみなく走りきる。
- 不満な点
- 車両価格だ。ボトムグレードである911カレラの価格は1853、試乗したカレラGTSは2379、もう一台のカレラTは2006。カレラTはハイブリッドシステムをもたず、トランスミッションは6速MT。また、購入資金が用意できたとしても世界中から引き合いが強いため、すぐには手に入らない。中古車市場でも人気は高いままで品薄だ。
- デザイン
-
5
- 好き嫌いがはっきりわかれるだろうが、遠くからみてもポルシェ911とわかるアイコン的なデザインはさすがだ。年々厳しさを増す衝突安全基準をクリアしながら全長4545mm、全幅1850mm、全高1290mmに収まり、車両重量も1510kgとスーパースポーツのなかでは小型軽量の部類に入る。インテリアでは、TFT液晶画面になるもののポルシェのアイデンティティである丸形メーターの意匠は継承されている。
- 走行性能
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4
- 試乗は市街地と都市高速のみで山道の走行はできなかったが、緻密な走りは存分に体感できた。ハイブリッドシステムは本当に自然で、電動モーターはあくまでもエンジンサポートに徹している。電動ターボは二面性があり、低回転域ではクランク軸から動力源を得るスーパーチャージャーに近く、高回転域ではターボらしい盛り上がりをみせる。カレラTの6速MTはカチッとしたシフト/セレクトフィールがよかった。
- 乗り心地
-
3
- やはりピュアスポーツだ。市街地では道路状況により突き上げがある。ただし、プラットフォームからボディに至るまで剛性が非常に高く、またサスペンションの取り付け部分もがっちりと作られていることから、ドンときても一発で収束。しかも衝撃にはカドがないので、体感的にもいくぶんマイルドだ。この傾向はカレラTでも同様だった。
- 積載性
-
2
- 911はリヤエンジン方式であるため、通常であればエンジンルームとなるボンネットフード下にトランクルーム(135L)がある。お世辞にも広いとはいえないが、深さがとられているため、機内持ち込みサイズの小型スーツケースであれば収納できる。また、リヤシートをラゲッジとして考えれば261L、リヤシートなしモデルとして考えれば373Lの積載スペースが確保されている。
- 燃費
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3
- 大前提として、ハイパワースポーツモデルなので性能を活かそうとアクセルペダルを踏み込めば燃費数値は悪化する。ハイブリッドシステムでは燃費数値への貢献はあるものの、例えばプリウスのような値は望めない。しかし、丁寧な運転を心がけると驚くほど伸びる。以前の試乗では高速道路を80km/hで淡々と1時間強走らせた結果、車載燃費計は16.1km/Lを示していた。
- 価格
-
3
- 性能からすれば5点満点ながら、実際に購入するとなれば2点。あまりにも高額だからだ。3点とした理由は、丁寧な乗り方でランニングコストが抑えられることを加味した。世界中で厳しくなる燃費規制に対して、新しい技術でどこまであらがうことができるのか不明ながら、60年以上、続いているピュアスポーツには高い将来性がある。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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1853.0 〜 4118.0
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- 中古車本体価格
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265.0 〜 8500.0
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