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- S-AWCによる一体感の強い走り
三菱 エクリプスクロス PHEV 「S-AWCによる一体感の強い走り」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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4
- デザイン
- 4
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 3
- 燃費
- 3
- 価格
- 3
S-AWCによる一体感の強い走り
2022.12.21
- 年式
- 2020年12月〜モデル
- 総評
- 長年、ランサーエボリューションやレースシーンで培ってきた4輪制御技術こそ、エクリプスクロスPHEV最大の武器だ。SUVブームのなかで特別感をもったモデルである。ホンダ「CR-V」のe:HEV リアルタイムAWD、VCターボ×e-POWERに前後ツインモーターを組み合わせた日産「エクストレイル」など競合車があるなかで、三菱の強みはS-AWC技術。現在も次世代モデル向けに開発を継続しているという。
- 満足している点
- S-AWCによる4輪制御技術は、スポーツ走行だけでなく、ゆっくり走らせていてもその効果を大いに実感できる。なぜなら、独立した駆動/制動制御によって、カーブ走行時の揺れが少なく、またシリーズ式ハイブリッドなのでタイヤを回す力は基本、電動なので滑らかなになる。エクリプスクロスPHEVの場合はボディサイズがコンパクトな部類なので、すべての動きがスムースだ。スタイリッシュな見た目に対する評価も高い。
- 不満な点
- 三菱らしいと言ってしまえばそれまでだが、ダイナミックシールドによる押し出しの強いデザインは好き嫌いがはっきり分かれる。リヤデザインとの整合性は図られたものの、面構成ではなくキャラクターラインを中心にしたデザイン要素にしても評価がなかなか定まらない。また、三菱のハイブリッドモデルはS-AWCありきの設計思想で、走行性能向上が主な狙い。よって、競合他車との比較では燃費数値で劣る。ここが最大のマイナス点だ。
- デザイン
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4
- エクリプスクロスPHEVは2020年10月15日から予約注文を受け付け、同11月末時点で月販目標の2倍となる約2000台を受注している。電動駆動と三菱が誇るS-AWC技術の共演もさることながら、「ダイナミックシールド」を名乗る顔付きが一段とシャープになり、惹き付けられる要素が増えた。これも人気の一因だ。さらに、2段ガラス構成だったリヤゲートを1枚ガラスに変更し、ハイマウントのリヤコンビネーションランプと組み合わせた。
- 走行性能
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4
- 直列4気筒2.4Lエンジンに前輪/後輪それぞれに駆動モーターを備えるツインモーター4WD方式のPHEVシステムを採用する。二次バッテリー容量は13.8kWh。エンジンを停止させたEV走行はWLTCモード値で57.3kmだ。アウトランダーPHEVのパワートレーンをそっくり移植したのがエクリプスクロスPHEVだが、エクリプスクロスPHEVは、よりスポーティなキャラクターで応答遅れが前後/左右方向ともに少なく俊敏。走りは別物だ。
- 乗り心地
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4
- アウトランダーPHEVと比較試乗を行なったが、アクセルペダル操作に対する前後方向の応答遅れはエクリプスクロスPHEVが圧倒的に少ない。ステアリング操作に対する左右方向の動きも両車で大きく異なる。切り始めからすぐに反応するエクリプスクロスに対して、アウトランダーは加減速特性と同じくゆったりとしたクルマの動きを示す。それでいて乗り心地はスポーティなエクリプスであってもしなやかだ。駆動力制御の違いが如実に出ている。
- 積載性
-
3
- 全長4545mm、全幅1805mm、全高1685mmのコンパクトなボディサイズに大容量バッテリーによるPHEVシステムと前後ツインモーターを詰め込んだ。よって、ラゲッジルームはそれほど大きくないように思えるが、9インチのゴルフバック3セットの積載が可能だ。最大幅は1230mm、最大長はリヤシートを折りたたんだ状態で1540mm。ガソリンモデルよりも小さいが床面下にはアンダーボックスも備える。
- 燃費
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3
- バッテリーの総容量は13.8kWhだが、充電一回あたりでは12.29kWh。WLTC値でのハイブリッド燃費値は16.4km/Lだ。ガソリンモデルは1.5Lターボで、4WDモデルでは12.4km/L。よって約32%PHEVモデルが優れる。前輪モーターは82PS、後輪モーターは95PSと出力バランスが良く、結果、スムースな走りを実現し、燃費数値も安定。なお、ハイブリッドシステムにはエンジン出力を同時に使うパラレルモードもある。
- 価格
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3
- 3,863,200の「M」グレードから、4,650,800の「P」グレードまで3タイプ。2020年発売当時は、令和2年度クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金と、重量税が100%免税されていた。高価な二次バッテリーを13.8kWh搭載し、前後に駆動モーターをもっていることから、価格は最低でも380を超えているが、走行性能からすれば納得できる要素が多い。PHEVはここしばらくの間、電動化車両の現実的な選択肢になる。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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