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メルセデス・ベンツ Vクラス 「欧州で人気の乗用ミニバン/商用バン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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3
- デザイン
- 3
- 走行性能
- 3
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 5
- 燃費
- 4
- 価格
- 2
欧州で人気の乗用ミニバン/商用バン
2025.2.26
- 年式
- 2024年10月〜モデル
- 総評
- 初代の本国登場は1996年のため、およそ30年の歴史がある。乗用としてミニバン、商用としてバンとして現在へと続く。W447型を名乗る3代目の現行型は本国では2014年に発売され、日本では2016年に導入された。標準ボディ、ロングボディ、エクストラロングボディの3タイプで、搭載エンジンは直列4気筒2.0Lターボディーゼルで9速ATとの組み合わせ。駆動方式は後輪駆動のみ。乗車定員はいずれも7名だ。
- 満足している点
- 圧倒的な車内空間の広さだ。カタログスペックだけで国産ミニバンと比較するとそれほど広いようには感じないが、切り立ったボディデザインは有効スペースを大きくすることができ、またウインドウ面積も大きく、部分的なグラスルーフも選べるので外光がふんだんに車内へ入ってくる。また2列目、そして3列目シートもサイズがたっぷりとしている。これらの相乗効果から、空間そのものにゆとりがあるため身体を預けるとリラックスした気分に浸れる。
- 不満な点
- ボディサイズだ。標準ボディで全長4895〜4905mm、車幅は1930mm、全高は1880mm。ロングでは全長が5140mmになり、エクストラロングでは5370〜5380mmになる。最小回転半径は5.6m/同/6.0mとボディサイズからすれば小回りがきく。ここはメルセデス・ベンツらしい。しかし、運転するとやはり大きさを意識する。これは積荷を最優先にした商用バンとボディ骨格を共有していることが要因だ。ゆとりある車内を提供する代わりに、運転操作には気を遣うところがある。
- デザイン
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3
- 2024年に行われた大々的なマイナーチェンジで風貌が大きく変化した。現メルセデス・ベンツファミリーらしいフロントマスクには、光沢度合いを高めたハイグロスブラックパネルを採用。さらにデジタルチックな処理をライト周りに行った。EXCLUSIVEモデルであればスリーポインテッドスターのマスコットもボンネットフード先端に付く。インテリアでは12.3インチのTFT液晶モニターを並べつつ、各所のデザインや色使いを変更し上質さを高めた。
- 走行性能
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3
- 163PS/380N・mのスペックに9速AT、車両重量は2380〜2550kgと重量級だ。よってガツンとくる速さはない。さらに前面投影面積も大きいので、高速域ではそれなりに抵抗を意識する。ただトルク特性に優れており、シフトアップ直後は最大トルク発生回転下限の1600回転あたりに落ち着くので、数値以上にグングン加速する印象がある。これには9速ATの細かいステップ比も貢献している。W447型の初期モデル(日本導入2016年)は2.2Lターボディーゼル+7速ATだったが、その時代から日本の道路事情に合わせたエンジン設定を行っている。
- 乗り心地
-
4
- 広大で明るいキャビン、そして優雅なデザインとくれば満点の5点を獲得して当たり前のように思える。しかし、実際は国産ミニバンと比較するとスプリングレートやダンパーの減衰力特性は高め。乗り味として荒さや硬さは感じないものの、国産Lサイズミニバンと比較すればハードな印象だ。ただ2列目、3列目ともに長時間移動で乗車した経験からすれば、ロングランになればなるほど疲れ知らずで快適だ。フワフワした乗り味ではなく、終始ビシッとした印象。ボトムグレード以外は空気をダンパーに用いたエアサスペンションが標準装備。
- 積載性
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5
- ここは間違いなく100点をあげたい。2〜3列目シートを取り外して外に持ち出せば、それこそハイエース・ロング顔負けの広い空間が出現する。もっともシートベルト内蔵型は高い安全性を誇るだけにシートは重量級で、ボディや内装に傷をつけないよう、1脚でも大人二人がかりで運んだほうが良い。ラゲッジスペースを上下2分割する「ラゲッジルームセパレーター」がグレード別に備わる。これを活用すると開閉式のリヤゲートガラスを開け積荷の出し入れが可能。
- 燃費
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4
- WLTC値の総合値では、12.6〜13.0km/Lだが、高速道路でACCを活用して走らせれば15km/L台を記録する。ボリュームあるボディなので前面投影面積は大きいが、空気抵抗係数を減らしていること、9速ATによる巡航エンジン回数数が日本の道路事情にマッチしていることなどから、カタログ値を超える数値は誰でも記録できる。市街地走行でも、よほどひどい渋滞路でなければ10km/L台を下回ることは少ない。
- 価格
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2
- ベーシックグレードの「V220d」940〜最上級グレードの「V220d EXCLUSIVE extra-long Black Suite」1370まで。2016年当時のW447初期型は535〜だったので、かなりの値上げが行われた。もっとも内外装は大きく変更され部材も上質なものに変更、インフォテイメントであるMBUXを装備しながら、車線中央維持機能を加えたADASで安全&快適性も高まった。競合である国産ミニバンも、たとえばレクサス「LM500h」は1500万〜2000。フルサイズミニバンは国籍問わず高級車になった。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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940.0 〜 1370.0
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- 中古車本体価格
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55.0 〜 1980.0
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