レクサス UX EV 「改良型は航続距離を大幅アップ！」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

改良型は航続距離を大幅アップ！

2025.3.27

年式

2024年1月〜モデル

総評

2020年のデビューから一部改良を受けた2024年モデルは長足の進化を見せていた。新開発の電池パックの採用により容量が54.4kWhから72.8kWhに増え、一充電走行距離が367kmから512km（WLTCモード）に達している。さらにボディ剛性の向上、電動パワステや足まわりなどのチューニングなどにより、操縦安定性や乗り心地のレベルアップが図られている。インフォテイメントシステムや装備内容のアップデートも行われるなど、完成度はさらに高められている。

満足している点

操縦性や乗り心地の向上だけではなく、運転席まわりにおいても高解像度化した12.3インチのタッチ式センターディスプレイを採用するなど、コクピットデザインも一新されている。また、駆動用バッテリーにクーラー＆ヒーターを採用することで、従来モデルに対して充電時間を25％短縮するなど、利便性も向上させている。

不満な点

どのEVにも言えることだが、一充電走行距離は長くなる傾向にあるものの、実際に走らせるとWLTCモード燃値の7〜8割程度しか走れないこと。UX300eの場合も100％充電での航続可能距離は418kmを表示しており、充電なしで500km走行は難しそうだ。

デザイン

3

UXとしてのデビューから6年以上が経過しているだけにデザイン的な新鮮味はないが、全高1550mm制限の立体駐車場に入るクロスオーバーモデルは貴重。ベーシックなCセグメントモデルに対してレクサスらしい上質な仕上がりは相変わらず。

走行性能

4

203馬力/300Nmのモーター出力に変更はなし。アクセル操作に応じてスムーズかつ力強い走りが得られ、高速巡航でも走りに余裕がある。最新のBEVには高出力をアピールするモデルも多いが、普段使いにはこれで何の不満もない。足まわりについては、デビュー当初のモデルは不整路面でドタつく印象もあったが、ボディのスポット溶接を増やし、ダンパーの変更などによってボディ剛性を向上したことでしなやかさを増し、操縦安定性も高められている。ワインディングでは適度なロールを伴い、フラットかつ快適な走りが印象的だ。

乗り心地

4

BEVならではの静粛性の高さ、滑らかな加速フィールは一度味わうとやみつきに。乗り心地はさらに向上し、ボディ剛性の向上やダンパーの変更などがしっかりと反映されている。室内空間はボディサイズのわりにタイトで、後席足元のスペースにもさらにゆとりが欲しい。

積載性

3

トランク容量は310リットルを確保。容量としてはまずまずだが、横方向はあまり広くない。ゴルフバッグなどのかさばる荷物は6:4分割のシートバックを倒して積み込むことになる。

燃費

3

電費は高速7割、一般道3割で6.7kWhとまずまず。東北道の120km/h区間を追い越し車線のペースで走行した際は5.9〜6.1kWh に低下。状況にもよるが、実際の航続距離は400km程度といったところか。

価格

4

UXのシリーズではもっとも高価なモデルとなるが、CEV補助金や地方自治体の補助金の活用によってHEVに近い額で購入可能。レクサスならではの上質な仕立てや快適性の高さは魅力だが、検討する際は同クラス（同価格帯）の最新BEVもチェックしておきたい。