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- EVを強みにした個性派軽バン
ホンダ N-VAN e: 「EVを強みにした個性派軽バン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 大音 安弘(著者の記事一覧)
- 自動車ジャーナリスト
- 評価
-
3
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 5
- 乗り心地
- 5
- 積載性
- 5
- 燃費
- 3
- 価格
- 3
EVを強みにした個性派軽バン
2025.7.3
- 年式
- 2024年10月〜モデル
- 総評
- N-VANをベースとしながらも、ホンダらしくエンジン車にはない性能や魅力をしっかり与えており、価格重視の商用車でも妥協しないという姿勢は素晴らしいと思う。価格と積載性などビジネスカーとしてのバランスを見極め、あえて小型バッテリーを採用しながらも、いかなる条件下でも最低100kmの移動を可能にした点も評価出来る。ただ個人ユーザーに向けては、航続距離の短さや、二名乗車だとドライバーとパッセンジャーで快適性の差が生じるシートしか選べない点は改善を願いたい。ただ軽EVバンは、趣味向けギアとしての可能性もあるため、今後の進化に期待したいと思う。そういう想いも含め、少し厳し目の評価とした。
- 満足している点
- 商用バンとして、質実剛健に仕上げながらも、しゃれたカラバリと愛らしいデザインを与えたこと。室内空間を最大化すべく、EV化による室内空間の影響を抑えるどころか、N-VANを超える積載性能力を実現したところ。EV化による走りの良さと快適な乗り心地を与えたところ。軽バンとは思えない走行中の静かさ。グレードにより内容こそ異なるが、先進安全機能を全車に搭載し、国内軽商用バン初のサイドカーテンエアバックの採用など安全性を強化したこと。給電機能を備えること。
- 不満な点
- プロユースに特化した短距離の航続距離は、個人ユーザーにはメリットが薄いこと。ドライバー以外は、補助席となるシートしか選べないシートレイアウト。室内に蓋のついた収納ボックスがないところ。商用車としては、高価なところ。
- デザイン
-
5
- 基本的にはN-VAN譲りのデザインだが、充電口を兼ねるフロントグリルは、単にブラック化するだけでなく、サイクル部材を活用することで1台ずつ模様が異なるのが特徴。同じ車両で比べても分かりにくい程度の差だが、リユース材料による面白い試みだ。ボディカラーは、イエローやグリーン、グレーなど個性的な色味に加え、ツートンも用意されるなど選ぶ楽しさもある。内装は、N-VANよりも簡素なイメージがあるが、コンテナ風デザインにするなど遊び心があってよい。個人的には、N-VANよりもしゃれたコーデだと思う。
- 走行性能
-
5
- EV化のメリットが最大限活かされているのが、走りの良さだ。電気モーターによる加速の良さ、滑らかな走り、低重心化によるバンとは思えないコーナリング特性などは、商用車であることを忘れさせるほど。小さなクルマが活躍する狭い道や峠のようなアップダウンが多い道では、その身のこなしがスポーティに思えるほどだ。ブレーキ特性も、長年のEVとハイブリッド開発の知見がしっかりと活かされており、自然なフィーリングを見せる。見た目からは想像できない走りの良さは、まさに目から鱗だ。
- 乗り心地
-
5
- 軽商用車トップレベルの乗り心地を目指したというだけあって、商用車としては快適性が高め。EV化による静粛性の高さと滑らかな加減速、ボディの低重心化による安定感ある走りは、疲れにくい乗り心地を実現させている。もちろん、サスペンションは専用チューニングを行い、タイヤも1インチアップさせることで、ゆとりが生まれている。そのため、段差の突き上げ特性や路面からの細かい振動特性に関しては、乗用のN-BOXを超える性能を示すほどだ。
- 積載性
-
5
- N-VANの積載性の高さを受け継ぐだけでなく、さらなる磨きをかけたのが、N-VAN e:の強み。室内の改良等で、N-VANでは搭載できなかった長さ2.47mの脚立を収納可能としたり、積載スペースを最大化できる1人乗り仕様を設定したりするなど、積載性を高める工夫にあふれている。また傷が目立ちにくいインパネデザインなど、ギアとして存分に使い倒せるように配慮されているのも嬉しいところ。もちろん前席には、小物入れやドリンクホルダーはしっかりと用意されている。
- 燃費
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3
- ビジネスカーとしてみれば、厳しい条件下でも最低100kmの航続距離を確保したことは正義といえる。ただ個人車となると、少し見方は異なる。N-VAN譲りの高い積載を魅力と感じる人にとっては、航続距離の短さにもどかしさを感じるのではないか。航続距離の短さは、愛車との生活にある程度の制約が生じるからだ。理想を言うならば、自身の用途に合わせて、もう少し大きな容量の駆動用バッテリーが選べるようになると嬉しいが、それは優れた積載性とのトレードオフともなる。また価格上昇にも繋がる。なんとも悩ましい課題だ。
- 価格
-
3
- EVを導入したい中小の貨物事業者ならば、手厚い補助金が受けられるため、魅力的な価格とみる人もいるだろう。しかし個人では補助金額が少なくなるため、軽商用バンとしては割高に感じるはずだ。ドライバー+荷物が基本となる同車だと、個人ユーザーには手が出しにくい印象がある。もちろん、それはN-VAN e:の責任というよりも、まだ普及期にあるEVの製造コスト高が最大の原因であるため、将来の価格の低減に期待したい。
- 大音 安弘
- 自動車ジャーナリスト
- 1980年生まれ、埼玉県出身。幼少からのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿でのモットーは、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がけること。愛車はスバル「WRX STI(VAB)」やポルシェ「911(996)」など。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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