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- 「FC+PHEV」独創のパワートレーン
ホンダ CR-V 「「FC+PHEV」独創のパワートレーン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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5
- デザイン
- 3
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 5
- 燃費
- 4
- 価格
- 4
「FC+PHEV」独創のパワートレーン
2024.10.27
- 年式
- 2024年7月〜モデル
- 総評
- 2024年7月に誕生した「CR-V e:FCEV」。特徴は燃料電池車でありプラグインハイブリッド車(二次電池容量17.7kWh/AER61km/6.4kWhのAC対応)である点だ。他社の燃料電池車も小容量の二次バッテリーを搭載するがプラグイン方式は量産車初。日本でもリース販売(初年度の割り当て台数は70台)が行われている。
- 満足している点
- CR-V e:FCEVが搭載する発電システムのFCスタックは「e:FUEL CELL」と呼ばれる。乗用車だけでなく、商用車や建設機械、定置電源としての使用も想定。水素社会の普及は、水素を「つくる/ためる/はこぶ/つかう」をワンセットで考えると無駄がないとされるため、e:FUEL CELLはそうした枠組みに沿って各部の仕様が決められた。
- 不満な点
- そもそも燃料電池車の認知度が低い。さらには水素の充填スタンドが少ない。この2点から一般市場からは受け入れられにくいのが実情。CR-V e:FCEVの場合、国などからの補助金を差し引けば実質400台中盤で手に入るのだが周知が進まない。現状では水素タンクに車体設計が左右され背の低いスポーツカーには不向きだ。
- デザイン
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3
- 外観や内装は北米市場などで販売されているCR-Vそのもの。北米市場で支持されやすいスマートなスタイリングだ。内装では燃料電池ユニットと駆動ユニットを車体前部の内燃機関におけるエンジン搭載に収め、二次バッテリー内蔵型の制御系パワーユニットを床下に、水素タンクを後輪を挟み込むように2本搭載。良好な居住空間はベースのCR-Vと同じだ。
- 走行性能
-
4
- 試乗舞台はホンダのテストコース。前輪を駆動するモーターは定格出力60kWで最高出力130kW、最大トルク310N・m。車両重量は2010kg。アクセル全開でも滑らかな加速で、駆動モーターの回転上限から最高速度は160km/hだが、圧倒的に静か。燃料電池車はFCスタックに大量の空気を送り込むブロアー音が気になるが、CR-V e:FCEVはほぼ耳に届かない。
- 乗り心地
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4
- ベースのCR-Vにはガソリンターボやハイブリッドモデルがある。ハイブリッドモデルに対して重心高を11mm下げ、前軸荷重を0.8%増加。ダンパーは振幅感応型として連続可変的な減衰力を生み出しつつ、スプリングのバネレートを上げて重量増加に対応。大きな入力に対しても鉛直方向は一発で収束させる。重さを感じさせないスッキリとした乗り味だ。
- 積載性
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5
- 2本で合計109Lにもなる水素タンクを搭載しているがラゲッジルームは使いやすい。さすがにベースのCR-Vよりも狭くなるが、柱型の水素タンクを平らなボードで覆うことで、その上部も積載スペースとなるように工夫を凝らした。9.5インチのゴルフバッグなら3個積載可能。フレキシブルボードを使えば長尺物も積み込める。
- 燃費
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4
- 燃費数値(燃料電池車も燃費が尺度)は、WLTCモードで129km/kg、水素を充填した際の一回あたりの走行可能距離は約621km、二次バッテリー17.7kWhを満充電した際のEV走行可能距離は約61km。現時点12〜14km/L程度の内燃車両のハイオク仕様と同等のランニングコストだが、水素の単価(執筆時1650/kg)が下がれば大きく低下し魅力が倍増する。
- 価格
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4
- 法人および個人リース専用販売方式をとるCR-V e:FCEV。価格は809万4900。CEV補助金で255、東京都であれば135〜145程度の助成金が出るから実質400台。課題は水素充填スタンド数が少ないこと。しかし燃料電池車の将来には明るい兆しも。水素タンクはコンフォーマブル化を図ることでボディタイプの拡充が図れるからだ。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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809.5
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- 中古車本体価格
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33.0 〜 459.9
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