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- ターボモデルを加えてユーザー層を拡大
ダイハツ ムーヴキャンバス 「ターボモデルを加えてユーザー層を拡大」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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4
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 3
- 燃費
- 3
- 価格
- 4
ターボモデルを加えてユーザー層を拡大
2022.11.28
- 年式
- 2022年7月〜モデル
- 総評
- ムーヴキャンバスが築いたジャンルは若い女性ユーザー層だった。それを2代目では男性ユーザー層も狙いつつ、大人世代(若い世代の親たち)を新たなターゲットにした。ストライプスでは従来のほんわかしたムードを大切にしつつ、新しいセオリーでは男性や大人世代を狙った。その方針転換は見事にヒット。発表後約1ヶ月時点で、月販目標台数(6,500台)の4倍となる約26,000台を受注している。コロナ禍の部品不足の影響を受け、半年ほどの納車待ちが発生しているという。
- 満足している点
- ムーヴキャンバスはそのスタイルと独特な世界観で人気を博している。2代目となり待望のターボモデルが加わった。走行性能に不満をもっていた方々も多かったようで、発売直後からターボモデルの売れ行きが好調とのこと。ダイハツとしても「想定よりもターボモデルが売れてます」とニンマリだ。インテリアの質感が大きく向上したことも高く評価している。色遣いにしても上品で、かつ視界を妨げないので安全面からの好ましい。新たなグレードラインであるセオリーで、ますますユーザーを増やすだろう。
- 不満な点
- 軽自動車、とりわけムーヴキャンバスが属するハイトワゴン、そして「タント」が属するスーパーハイトワゴンでは、走行時の車両安定性と乗り心地などのバランスを図るのがとても難しい。わかりやすく全高が高いと横風の影響を受けるが、高速走行時に大型車が側方を通過すると、その走行風の影響を受けてハンドリングが悪化したり、安定性が悪くなる。物理的な課題であるため抜本的な解決は難しいが、プラットフォームと電動パワステの継続的な改良で、さらなる進化を望みたい。
- デザイン
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5
- 初代のムーヴキャンバスは、マイクロバス的なアイコニックなデザインとアースカラーともいえる優しいボディカラーと内装色で人気を博した。2トーンボディカラーも話題になっている。そのイメージそのまま受け継いだのが2代目ムーヴキャンバスだ。キープコンセプトだが比較すると2代目はボディライン全体で丸みを強調しながら、リヤセクションではナンバープレート位置をリヤバンパーへと移設してすっきりとしたデザインとした。従来モデルを踏襲したイメージの「ストライプス」と新「セオリー」の2本立て。
- 走行性能
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4
- 新しい車作りの概念である「DNGA」を採用に伴い、エンジン含めたパワートレーンを一新。具体的には車体軽量化とエンジン制御を改良したことでWLTC値で22.9km/L実現(従来から約10%向上)。さらに要望のあったターボモデルを新設定している。ターボのCVTには発進用ギヤを組み込んだ「D-CVT」を採用し、ストレスのない発進加速と、高速巡航時のエンジン回転数低下を両立させた。サスペンションや電動パワーステアリングのフィールも変更し落ち着いた走りに仕上げた。
- 乗り心地
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4
- DNGA化によりプラットフォームの高剛性化、さらには上屋であるボディそのものの剛性も高めたことで、しっかり感が向上。ターボモデル、NAモデルとも良好な乗り心地だ。タイヤの接地感が大きく増えたことで、市街地走行ではしなやかさが大きく向上。乗り心地で不利になりがちなスライドドア方式だが、荒れた路面でもしなやかさを失わない。高速走行では電動パワーステアリングの制御を変更したことで、直進安定性が大幅に向上した。結果、横風への耐性が上がり、同乗していても不安がない。
- 積載性
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3
- ラゲッジルームは広くはないが使いやすい。シートアレンジは後席の前倒しのほか、前席を後ろ倒しすることで後席座面までのフラットシート化を実現した。毎日の買い物に便利な「置きラクレイアウト」を進化させて継続採用。これは後席フロアに設けた「ついたて」を上げて、高さのある荷物を固定できる「置きラクボックス」のことで、片手でセッティングができるように2代目では改良を加えた。前席の両側背もたれ部分には耐荷重3kgのフックを備える。
- 燃費
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3
- 燃費数値もDNGAとなって改善された。NAエンジンはFFモデルで22.9km/L、4WDモデルで24.7km/L。ターボモデルはFFモデルで25.2km/L、4WDモデルで24.5km/Lだ。このようにカタログ値では両エンジンに違いがありNAが有利だが、筆者による両エンジン乗り比べでは、運転方法を揃えるとほぼ互角だった。高速道路ではD-CVT効果もあってターボのほうが良好な値を示した。ランニングコストがほぼ同じであることから、走行性能のゆとりが大きいターボモデルをおすすめする。
- 価格
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4
- FFモデルが「X」グレードの1,496,000から「Gターボモデル」の1,793,000。4WDモデルが同1,622,500〜同1,919,500。上位グレードではACCや車線中央維持機能なども標準装備となる。軽自動車の上位モデルが200クラスとなって久しいが、衝突被害軽減ブレーキは法規対応となったため標準装備化、それにまつわる先進安全技術にしても装着が進む。そう考えると、軽自動車とはサイズの小さな実用車であり、今や我慢を強いられる存在ではない。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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146.3 〜 192.0
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- 中古車本体価格
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32.0 〜 220.8
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※ 掲載しているすべての情報について保証をいたしかねます。新車価格は発売時の価格のため、掲載価格と実際の価格が異なる場合があります。詳細は、メーカーまたは取扱販売店にてお問い合わせください。