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- 庶民派軽乗用車の最適解
ダイハツ ムーヴ 「庶民派軽乗用車の最適解」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 大音 安弘(著者の記事一覧)
- 自動車ジャーナリスト
- 評価
-
5
- デザイン
- 4
- 走行性能
- 5
- 乗り心地
- 5
- 積載性
- 5
- 燃費
- 5
- 価格
- 5
庶民派軽乗用車の最適解
2025.8.1
- 年式
- 2025年6月〜モデル
- 総評
- 軽乗用車市場で、スライドドアを付加価値として拡大を続ける軽スーパーハイトワゴンの陰に隠れてしまった軽ハイトワゴン。その未来を切り開くべくリボーンを図ったのが、7代目となる新型ムーヴだ。最大の評価点は、より身近な軽ハイトワゴンにスライドアを搭載したこと。現状、スライドドア付き車は軽乗用車市場の中では高価なものばかり。それを150前後の価格帯に収めたのは素晴らしい。もちろん乗用車としての基本性能も磨かれており、乗れば納得の出来栄えだ。装備内容もバランスが良く、高機能なアイテムもオプションでしっかり選べる。個性派のカスタムが失われたのは残念だが、カスタム派に愛されてきた走りのターボはしっかりと継承されている。酸いも甘いも知るシニア世代も意識したというだけに、価格を含め、トータルバランスに優れた一台といえよう。
- 満足している点
- 便利なスライドドアを採用しつつ、従来型の顧客を裏切らない現実的な価格帯を提案したこと。DNGA第一弾の集大成という走りと乗り心地を両立した高い基本性能。飽きの来ないシンプルな内外装デザイン。誰でも見やすく分かりやすいアナログメーター。車線変更時などの見落としを防ぐブラインドスポットモニターを後付けできるオプション設定。
- 不満な点
- 伝統のカスタムモデルが消滅したこと。全車が電動パーキングブレーキ仕様ではないこと。
- デザイン
-
4
- 7代目となる新型は、全車共通デザインとしたことも大きな特徴だ。スタイリッシュなエクステリアデザインに仕上げており、誰でも受け入れやすいものとした。内装もオーソドックスなデザインだが、その分、すっきりとした印象だ。目新しさは薄いが、その分、長く使っても飽きがこないといえる。何よりも軽ワゴンのエントリーでありながら、チープさを感じさせないところが素晴らしい。唯一残念なのが、伝統のカスタムを止めてしまったこと。それを加味したデザインではあるが、選ぶ楽しさが薄まったのは、少し寂しく思う。
- 走行性能
-
5
- DNGA第一世代の集大成というだけあって、走りにも磨きが掛かっている。足回りは、自然吸気仕様とターボ「RS」の2種類に分かれる。走りの良さでは、断然ターボRSだ。軽ハイトワゴンが苦手とする横風を受ける高速走行でも安定した走りを見せ、街中での動きも機敏よくシャープ。路面からの衝撃もしっかりと受け止める。自然吸気仕様はコンフォート志向でソフトな足なため、RSよりは横風に対しての弱さを感じるが、高速走行でも元気な走りを見せてくれる。エンジンパワーは限られるが、ソフトの「S」や「POWER」ボタンを使い、より高いエンジン回転域を使えば問題ない。共通する魅力として、電動パワステのフィーリングの良さを挙げたい。クセの出やすい電動パワステを手なずけるべく、かなりこだわって研究と実験をしたというが、その努力はしっかりと実っている。その良さを、交差点のステアリング操作でも実感できるのは見事だ。
- 乗り心地
-
5
- 乗り心地は運転席基準となるが、自然吸気仕様とターボ車の「RS」で味付けが異なる。一言でいえば、自然吸気仕様はソフトな乗り心地重視の味付け。一方、RSはDNGAとターボエンジンが生む走りの良さを体感できるしっかりとした味付け。そのため街乗りの印象では、自然吸気エンジンの方が乗り心地が良いと感じる。ターボ車の足回りは、自然吸気仕様と比べれば固めといえるが、決して乗り心地が悪いわけではない。ターボの性能を活かすための最適なセッティングと捉えるべきだろう。いずれにしても、快適性をしっかり考量した味付けになっており、完成度は高い。
- 積載性
-
5
- ワゴンの特徴を活かすべく、荷室の調整に役立つ240mmのスライド機構&分割可倒式後席であることは従来同様。新型では室内長が拡大され、後席スペースにさらなるゆとりが増したこともポイント。助手席下の小物入れが省かれるなど削減された部分もあるが、必要な収納ははしっかりと備わっている印象だ。新たな武器となるスライドドアは、スペースの限られた場所での荷物の出し入れがしやすくなったことも評価したい。
- 燃費
-
5
- カタログ値ベースとなるが、新型の前輪駆動車では、自然吸気エンジンが22.6km/L、ターボエンジンが21.5km/Lとなり、従来型比で共に約10%の燃費向上を果たした。エンジンは非電動なうえ、スライドドア化で重量が増しているだけに、20km/L越えは頑張っている。将来的にはハイブリッド化を期待する人もいるだろうが、価格重視ならば現状のままでも悪くないと思う。軽自動車の燃費は、かなり突き詰められているため、大幅な進化は難しい。むしろ、大切なのはカタログ値よりも日々のアクセルワークだろう。
- 価格
-
5
- スライドア付きの軽ハイト系ワゴンとしては最安値。さらに150を中心とした価格帯は、現実的なもの。特にNAの中間グレード「X」が、必要なものを押さえつつFF車で150切りを実現している。電動スライドドアは左側を標準化。オプションで右側も追加できるなど、必要なものを追加できる仕組みなのも良い。スライドドア付き車は高いというイメージを覆す価格としたのは評価できる。ターボ車に関しても、装備を充実させながら190切りとしている。現在の軽自動車の価格からすれば、検討しやすい価格に収めたことを評価したい。
- 大音 安弘
- 自動車ジャーナリスト
- 1980年生まれ、埼玉県出身。幼少からのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿でのモットーは、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がけること。愛車はスバル「WRX STI(VAB)」やポルシェ「911(996)」など。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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