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- 3列6人乗りのフルサイズSUV
キャデラック XT6 「3列6人乗りのフルサイズSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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3
- デザイン
- 3
- 走行性能
- 3
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 4
- 燃費
- 2
- 価格
- 2
3列6人乗りのフルサイズSUV
2025.3.23
- 年式
- 2024年10月〜モデル
- 総評
- 本国アメリカで2019年、日本では2020年に発表された大型SUV。その本国では標準的なサイズであり扱いやすいエンジンながら、日本では5060mm×1960mm×1775mmのボディサイズがやや使い勝手を悪くする。ハンドル位置は左のみ。エンジンはV型3.6Lで314PS/368N・m、トランスミッションは9速ATを組み合わせ2110kgのボディを引っ張る。駆動方式は4WDのみ。2列目シートは独立したキャプテンシートなので定員乗車は6名だ。
- 満足している点
- XTシリーズは、ボディサイズ別にXT4→XT5→XT6とラインアップされ、その上にフラッグシップとしてエスカレードを揃える。日本では道路環境からして、オーナーカーとして乗るにはXT6は事実上のトップモデルになるが、美点は威厳あるデザインと乗り味の両立だ。価格は1080と高額ながら、先進安全技術に始まり各種の快適装備はすべて揃う。インテリアではウッドパネルとカーボン素材を適所に配置し、上質さとスポーティさを演出する。
- 不満な点
- 1960mmのボディサイズは駐車環境に気を遣うものの、実際の取り回しは見切りが良い視界に支えられるので筆者にはそれほど問題ではなかった。ただし最小回転半径が大きい。公表されていないが、運転した際の概算値では6mを超えている。左ハンドルに慣れていればギリギリを攻めることができるが、狭い道では切り返し回数は多くなる。クルマそのものには大きな不満はなく、物理スイッチも多く残されており使いやすい。
- デザイン
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3
- XT4とXT5が共通のデザインテイスト。XT6とエスカレードが同じく共通のデザインテイストだ。非常にわかりやすくアイコン化されており、4モデルともにキャデラックのSUVであることは遠くからわかるからブランドイメージも定着しやすい。インテリアでは欧州各モデルが採用する大型液晶+タッチスイッチではなく、各部の物理スイッチ+センターディスプレイ+タッチスイッチでコントロールする。
- 走行性能
-
3
- 日本や欧州のSUVのような俊敏さはないものの、おおらかな走行性能でゆったり走らせるのには向いている。ショートストロークのV6エンジンは高回転域までスッと回りきる。組み合わせる9速ATは7速目が1:1の直結設定なので、発進時から巡航までリズミカルな速度上昇をアシストしてくれる。前ストラット、後マルチリンクのサスペンション機構だが、スポーツ走行というより大きなボディの荷重変動をしっかり支えるための設定だ。
- 乗り心地
-
4
- 徹底してしなやかだ。足回りそのものはソフトな傾向ながら「パフォーマンスドライバーセレクトモード」をスポーツに設定しても硬さはない。2列目はとくに乗り味が滑らかで、9速ATの細分化されたギヤレシオのおかげもあり、高い静粛性能とともにいっそう快適だ。3列目シートは、平均的な日本人の体躯であればシートサイズ/足元スペースともに十分だ。そのボディ形状から車体後部になっても天井が高く保たれているので、乗り降りもしやすい。
- 積載性
-
4
- ボディが大きく、リヤゲートの開口面積が広いことから積載性能は高い。2列目と3列目のシートはヘッドレストレイントを装着したまま、電動での前倒しが可能。2列目シートの左右席の間には空間ができるが、フラットに近い床面になるため使い勝手は良さそうだ。テールゲートは大きく、全開時には車両後部のスペースを気にかける必要があるものの、電動開閉機構を備え利便性は確保されている。
- 燃費
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2
- 日本仕様の燃費数値は公表されていないが、試乗時に自動車専用道路で規制速度である70km/hで巡航させた際は11km/Lを超える値を記録した。空気抵抗係数は抑えられているものの、物理的に前面投影面積が大きいため高速道路での巡航燃費もそれほど伸びないかもしれないが、フルサイズSUVとしては納得できる。市街地走行では6km/L台だが、これも諸条件を考えれば合点がいく。燃料はプレミアムガソリンを指定する。
- 価格
-
2
- 日本においては1080のワンプライス。2020年の日本発売当初は870だったので値上がり傾向にある。為替や物価高の影響はあるし、2025年モデルでは各部の装備や機能がリファインされているため単純な値上げではないものの、なかなかの高額車両だ。ただ、キャデラックを名乗るにふさわしい装備の数々、先進安全技術、サイズを活かしたゆったりとした乗り味は、欧州のSUVとは趣が異なる。各部の信頼性も高いため駐車環境さえ許せば、長期間、乗り続けるには最適の一台だろう。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 中古車本体価格
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485.0 〜 819.0
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- 新車価格(税込)
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1080.0
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※ 掲載しているすべての情報について保証をいたしかねます。新車価格は発売時の価格のため、掲載価格と実際の価格が異なる場合があります。詳細は、メーカーまたは取扱販売店にてお問い合わせください。