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- 中国BYDのフラッグシップBEV
BYD シール 「中国BYDのフラッグシップBEV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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3
- デザイン
- 3
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 3
- 積載性
- 3
- 燃費
- 4
- 価格
- 4
中国BYDのフラッグシップBEV
2024.7.27
- 年式
- 2024年6月〜モデル
- 総評
- 中国の自動車メーカーBYDが送り出したDセグメントクラスのBEVセダン。Dセグメントは2022年と2023年の輸入車販売台数において過半数を占める売れ筋ゾーンだ。後輪駆動シングルモーター仕様と、前/後輪駆動ツインモーター仕様の2グレードを用意。セールスポイントは高い次元での安全性能、スポーティな走行性能、シーンを選ばない快適性能の3点だ。
- 満足している点
- シールの第一印象は非常によかった。シックな色使いで上質なタッチを随所に感じさせる。走行パフォーマンスこそシール最大の強みだ。BEVだから速い、もはやこれは当たり前だが、それだけでなく独特の走行感覚がしっかり造り込まれている。ブレードバッテリーも優秀で、30分間のDC充電で約300〜325km走行分に相当する42kWhの充電が可能。
- 不満な点
- 技術的なマイナス点は少ない。不満を抱くとすればBYDブランドのイメージだろう。信頼性を含め未知数なので、結果としてクルマの評価を下げており、日本のクルマ好きからするとそれが最大のマイナス点に。最近では有名女優をCMに起用してBYDの好感度が上がってきた。上向く好感度によって、ようやくクルマとしての評価がなされていくのだと思う。
- デザイン
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3
- 実車はずいぶんとシャープな印象だ。欧州プレミアムブランドを研究したことがよくわかる。全長4800×全幅1875×全高1460(mm)、ホイールベース2920mm、最小回転半径は5.9mと日本の道路環境でも扱いやすい。インテリアはダッシュパネルやドアパネルにバックスキン調の生地をあしらい立体的な面構成をとる。欧州モデルとは異なるBYD独特の世界観だ。
- 走行性能
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4
- ツインモーター仕様は、メカニカル式の油圧可変ダンパーシステムを搭載する。シールでは車体剛性が高いこと、サスペンションの取り付け剛性が高いことなどが加わり、足もとがいつでもスッと動く。これは「ブレードセル+車体」とする新世代BEV専用の「e-プラットフォーム3.0」によるもの。BYDではこれを「CTB」(Cell To Body)と呼ぶ。
- 乗り心地
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3
- カーブの連続する山道になると一層、シールは強い個性を主張する。車体がロールした際の振動の収束がものすごく早く、鉛直方向の振幅などは瞬間的に収まる。シングルモーター仕様は通常ダンパー形式となり独特の乗り味は薄いが、それでも俊敏に動く。ただし、後席ではクルマ酔いを誘発しやすい。これが難点だ。
- 積載性
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3
- BEVなので通常のエンジン搭載車で言うところのボンネットフード下にはエンジンは搭載されない。よってここも収納スペースに。それほど大きくはないが便利だ。トランクルームはボディサイズの割には広く、フロアも低め。これはBEV専用の「e-プラットフォーム3.0」によるところが大きい。車内各部にも収納スペースが用意されており、使い勝手は良好だ。
- 燃費
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4
- 容量82.56kWhのリチウムイオン「LFPバッテリー」を採用。1充電あたりの走行可能距離はシングルモーター仕様の場合のWLTCカタログ値で640km(ツインモーター仕様は575km)。よって電費は単純計算ながら7.75km/kWh(ツインモーター仕様は6.96km/kWh)となる。LFPはエネルギー密度が低いと言われるがシールの電費は良好な部類。
- 価格
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4
- シングルモーター仕様は528(補助金を考慮すると実質493)、ツインモーター仕様605(同570)。さらに導入記念として1000台限定の特別価格として、シングルモーター仕様495(同460)、ツインモーター仕様572(同537)。BYD Auto Japanでは2025年末までに全国100カ所の販売拠点を目指す。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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495.0 〜 605.0
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- 中古車本体価格
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339.0 〜 605.0
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