CARVIEW |

日産 キックスは便利でパワフルでプロパイロット装備だが価格が迷いどころ。ライバル勢との優劣も解説
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:日産自動車 140
プロパイロット標準装備のほぼモノグレード構成
「日産 キックス」は、海外市場では2016年から販売されているコンパクトSUV。日本では2020年6月に、シリーズハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載するモデルが発売されました。
ボディサイズは全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mmという手ごろな大きさですが、それでいて後席は十分に広く、運転席からの視界も良好であることが、まずはキックスの大きな特徴です。ちなみにキックスは荷室も広く、5人乗車時でも9型(直径約23cm)のゴルフバッグ3セットを積載可能です。
日本に導入されたキックスに純粋なガソリンエンジン搭載グレードはなく、パワーユニットは「e-POWER」のみです。日産が「電気自動車の新しいカタチ」と呼んだe-POWERというのは、ガソリンエンジンを搭載はしているのですが、それは駆動には使わず「発電」のみに使い、その電気でモーターを動かして車を駆動させる――という仕組みです。
キックスの場合は1.2Lの直3エンジンを発電用に搭載し、結果として129psの最高出力と260Nmの最大トルクを得ています。これは、キックスに先立って発売された「日産 ノートe-POWER」(先代モデル)より20%ほどパワフルということです。
SUVですが駆動方式はFFのみで、4WDの設定はなし。日産自慢の先進運転支援システム「プロパイロット」は全車に標準装備です。
ただ「全車に標準装備」といっても、日産 キックスは基本的にはモノグレードみたいなもの。「X」というグレードが基本で、そのほかにはXの内装をツートーンカラーにした、その名のとおりの「X ツートーンインテリアエディション」があるのみです(正確には、日産の関連会社が手がけた「AUTECH」というのもあるのですが、やや特殊なため今回は割愛します)。
XおよびX ツートーンインテリアエディションの価格は下記のとおりです。
・X|275万9900
・X ツートーンインテリアエディション|286万9900
日産 キックスの走りは、なかなかパワフルです。エンジンというのは特性上、大きな力を出すまでにどうしてもある程度の時間がかかるのですが、電気モーターは瞬時に最大の力を出すことができます。まぁ本当に瞬時にMAXのパワーを出してしまうと運転しづらいため、そこはいろいろと調整されていますが、とにかく電動車というのは非常に力強い加速が持ち味なのです。
そして日産 キックスも電動車のご多分にもれずダッシュ力は十分以上で、なかなか軽快な走りを楽しむことができます。それでいて、発電のため積まれているエンジンの音は比較的静かですので、先代ノートe-POWERでは感じられた「エンジン音がうるさくてウザい!」みたいな感触はありません。
舗装のいい道では乗り心地も良好ですが、より上級な車種向けではなく「低価格な車種向けの車台」を使っているため、段差などを越える際にはやや大きめの衝撃を感じてしまいます。
しかし日産 キックスは、そういったマニアックな部分ではなく「e-POWERで」「車内も荷室も広くて」「それでいて扱いやすいサイズで」という部分こそを重視している車ですので、段差を越える際のフィーリングうんぬんを過剰に気にするのはナンセンスかもしれません。「便利でパワフルで小ぶりな実用車」を求めている人には、悪くない選択肢だといえるでしょう。
ただ、パワフルなのはいいのですが、「便利で小ぶりな実用車」としてはちょっと高いと感じるかもしれません。ベースグレードを選んだとしてもオプション込みの総額では320ほどになりますので、いくらプロパイロットが表重装備とはいえ、ちょっと悩んでしまう金額です。
まぁこのあたりは各自の価値観やお財布事情に基づき、自分にとっての「e-POWER」や「プロパイロット」の価値を見極めるしかありません。
次のページ>>ヤリスクロスを筆頭に強敵が多いがe-POWERと後席荷室の広さは魅力
全国の日産 キックス中古車一覧 (1,274件)
みんなのコメント
ログインしてコメントを書く
査定を依頼する
あなたの愛車、今いくら?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
おすすめのニュース
サイトトップへ-
業界ニュース 2025.09.29
「睡眠分析」と「健康管理機能」が大幅進化! GPSウォッチのガーミンが「Venu 4」で示すスマートウォッチの新たな基準とは
-
業界ニュース 2025.09.29
おしゃれデザインが高評価の日産 新型「ルークス」リアシートの完成度は? 人気の軽スーパーハイトワゴン界に誕生した新モデルの気になる「後席の居住性」
-
業界ニュース 2025.09.29
日産「“3列6人乗り”ミニバン・オープンカー」が斬新すぎ! めちゃ楽しそうな“開放的ワンボックス”に「これ本当に欲しい…!」の声も! 環境にも優しい“超静音”モデル「EVガイド-II」がスゴかった!
-
業界ニュース 2025.09.29
軽バンに「目一杯」の荷物を積んだらヤバかった! 最大積載量350kgの世界は想像以上の危険が待っている!!
-
業界ニュース 2025.09.29
トヨタ博物館館長は初のエンジニア出身者!! 館長が教えてくれた日本車が海外で人気沸騰するワケは?
-
業界ニュース 2025.09.29
プラレール号の記録簿 vol.16:「空冷911に乗りたいんです」と問われて答えに窮した話
-
業界ニュース 2025.09.29
【マツダ】今秋から商談予約抽選の応募が始まる「ロードスター12R」が「グランツーリスモ7」にお先に登場
-
業界ニュース 2025.09.29
スーパースポーツやスポーツツアラーの正装!? 車体を覆い尽くす「フルカウル」とは?
-
スポーツ 2025.09.29
ミック・シューマッハー、WEC富士参戦中に10月のインディカーテスト参加が明らかに「シングルシーターに挑戦したい」
-
業界ニュース 2025.09.29
焚き火台とBBQコンロを一台に!? Makuakeにて販売開始30分で目標金額を達成した“縦横両用”で使える新型グリル「ケイブ」の実力とは
-
熟の域" width="200"> ニューモデル 2025.09.29
【試乗】ここまで熟成させたボルボに敬礼! 質感もハンドリングも向上した8年目のXC60はまさに熟の域
-
カー用品 2025.09.29
これがあれば渋滞でも車内で無理なく用を足せる!サンコーの「簡易トイレコンパクト」は超便利
あわせて読みたい
サイトトップへ-
コラム 2025.9.29
「アクア」大変身で若返り成功? ハンマーヘッド採用で“おっさん臭さ”払拭。燃費おばけの超おしゃれカー爆誕
-
コラム 2025.9.29
安全性を担保し100kg軽量化、新エンジン&牛糞由来のバイオ燃料開発…スズキの10年先の技術戦略が独創的すぎた
-
コラム 2025.9.29
【新車で買えるのは3車種のみ】絶滅危惧種の国産ステーションワゴン…SUVやミニバンに受け継がれるその“血脈”とは
-
コラム 2025.9.29
【全長5m超え】新型「ES」が大型化&デザイン激変のわけは、米国と中国のマーケット変化。「LS」との関係はどうなる?
-
コラム 2025.9.29
【“ブルーバード”の血を引く1台】日産「セントラ」新型が北米で発表。大型ディスプレイを採用したモダンな内装に…セダン縮小の今、日本導入はあるか?
-
コラム 2025.9.29
新型「プレリュード」の復活からひもとく“クーペ”という特別な存在。デートカーのルーツは18世紀の馬車だった?
-
コラム 2025.9.29
BMW次世代「3シリーズ」は2026年登場予定! 小型化グリル採用でデザイン言語を刷新
-
コラム 2025.9.29
「水素はディーゼルに代わる存在になる」。トヨタが言う“燃料電池車の時代”は本当に来るのか? なぜすぐに実現しないのか?
-
コラム 2025.9.29
最強4WDミニバン「デリカD:5」は最安グレード「M」でも大丈夫か? 全7グレードの特徴と失敗しない選び方
ログイン
あなたにおすすめのサービス
あなたの愛車、今いくら?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
コメントの多い記事 2025.09.29更新
関連サービス
