モラハラ婚のリアル
この記事では、自己愛性パーソナリティ障害(NPD)や境界性パーソナリティ障害(BPD) を持つパートナーと結婚すると何が起きるのか、そのリアルな実態を紹介します。ここでは、これらのパーソナリティ障害を持つ人を総称して「ナルシシスト」と呼びます。
私自身、悪性ナルシシストの妻との結婚と離婚を経験しました。そして、このブログで情報発信を続ける中で、他の被害者の方の相談に乗り、多くの実例を見てきました。さらに、AIを活用して得た情報を加え、ナルシシストと結婚すると何が起こるのかを一般論として整理しました。
もちろん、人によって状況の程度に差はありますが、ここで紹介するのは、多くのケースで共通する「虐待型ナルシシスト」の特徴です。もし今現在、「自分の結婚生活がこれに当てはまるかもしれない」と思ったら、適切な対策を考えるきっかけになればと思います。
また、本記事はナルシシストと結婚した人だけでなく、「結婚を希望するすべての人」 にも読んでほしい内容です。結婚にはリスクが伴います。相手がナルシシストかどうかを見抜くことは重要です。信じがたいような出来事が実際に起こる可能性があることを知って頂きたいです。
さらに言えば、この問題は誰にとっても他人事ではありません。ナルシシストは人口の5〜10%に存在するとされており、仮にあなたが無事だったとしても、もしあなたに3人の子どもがいて、それぞれがさらに3人の子を持つとすれば、孫の代にはあなたの家族の誰かが必ずこの問題に直面することになります。
被害者が救済される社会を実現するためには、まず多くの人がこの問題について正しい知識を持つことが不可欠です。その一助となることを願い、本記事を執筆しました。
- モラハラ婚のリアル
- DV・モラハラの原因ーナルシシズム
- 結婚生活におけるナルシシストの2パターン
- 虐待型ナルシシストとの結婚生活のリアル
- 異常事態の連続
- 言葉は矮小化する
- ナルシシストとのモラハラ婚 まとめ
DV・モラハラの原因ーナルシシズム
DV・モラハラの根本的な原因は加害者の持つ自己愛性・境界性人格障害です。ナルシシストによるDV・モラハラの根本的な原因は「自己愛の異常な肥大化と脆さ」にあります。以下のような心理的要素が関係しています。
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自己愛の肥大化:自分は特別で、常に賞賛されるべきだと考える
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自己肯定感の脆弱さ:批判されることに耐えられず、怒りや攻撃性で反応する
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共感性の欠如:相手の気持ちを理解できず、自分の都合だけで行動する
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支配欲求:相手をコントロールすることで、自分の優位性を保とうとする
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投影とガスライティング:自分の欠点を相手に押し付け、現実を歪める
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他責思考:自分の非を一切認めず、問題が起きたときはすべて相手のせいにする
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投影による自己紹介:自分の問題行動を相手に投影し、「お前がモラハラをしている」などと非難する
このような心理が、結婚生活の中で次第にエスカレートし、家庭内の支配構造を生み出していきます。特に「投影(プロジェクション)」は、現実認識を大きく歪め、被害者が自分を疑うようになるため、非常に危険です。
ナルシシストは、「自分は賞賛されるべき偉大な存在である」という思い込みを、内面的な自己肯定感によって支えることができません。そのため、他者を支配・コントロールすることで、そのギャップを埋めようとします。自分が他者を支配・コントロールできていることを通して「自分は特別な存在である」という証拠を外側に求めます。
この「実は自分には何の価値もない」という深刻な自己肯定感の欠如が、他責思考や投影の根本にあります。自分に価値がないと深層で感じているナルシシストにとって、自らの間違いや過ちを認めることは、存在そのものを脅かすほどの恐怖を伴います。そもそも何の価値がない自分がさらに間違いをおかしたなんて受け入れることができません。だからこそ、謝罪をせず、責任を転嫁し、あくまで自分は正しいという立場を貫こうとするのです。
結婚生活におけるナルシシストの2パターン
ナルシシストとの結婚生活は、大きく「虐待型」と「不貞型」の2つのパターンに分かれます。この記事では、「虐待型」に焦点を当てます。
↑↑↑抜粋)家庭や職場のパートナーから、ことあるごとに侮蔑され、否定されて、自分の考え方や感じ方はおかしいのだろうかかと自身がなくなっていたある日、あなたはモラルハラスメントの言葉に出会い「もしかすると自分は被害者なのでは」とふと気づきました。「このわけのわからない苦しみはモラハラという攻撃を受け続けたからだったのだ」・・・
虐待型ナルシシストとの結婚生活のリアル
虐待型ナルシシストとの結婚生活では、次第にコントロールと支配が強まり、逃げ場を失っていきます。特に、入籍や子供の誕生など、被害者が簡単に離れられなくなるタイミングを見計らって、彼らの虐待は激しさを増します。
もし結婚前にその本性を知っていれば、誰もそんな相手を選ばないのは当然ですが、ナルシシストは巧妙に自分を「理想的なパートナー」に見せかけるため、結婚後に本性が明らかになることがほとんどです。ここでは、そのリアルな実態を明らかにします。
DV・モラハラ
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言葉の暴力:「お前は無能だ」「誰もお前を愛さない」「その程度の稼ぎで恥ずかしくないの?」などの人格否定。「死ねよ」「出て行けよ」「むかつくんだよ」の言葉の暴力。
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物理的な威圧:壁を殴る、物を投げる、大声で怒鳴る。ゴミを顔になげつける。殴る蹴るの実際の暴力。
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サイレントトリートメント:無視し続け、相手の存在を否定する。
- ダブルバインド:何をしても否定される。悪者にされる。仕事で帰りが遅くなれば、「家族を何だと思っている!!」と責められ、早く帰宅すると「こんなに早く帰ってきて邪魔なんだよ」「顔見るだけでムカつくんだよ」と何を選んでも責められる。
ナルシシストが示す特徴の中でも特に問題となるなのが、虐待型ナルシシストによるDVやモラハラです。彼らは、パートナーや子どもを虐待することでしか、自分の精神的安定を保つことができません。その背景には、誇大な自己像と脆弱な自己肯定感のギャップを埋めるための衝動があります。
社会的成功との関係
このDV・モラハラの傾向は社会的な成功度によって変化する傾向があります。例えば、会社の重役など一定の成功を収めたナルシシストは、社会的地位によって誇大な自己像が補強されるため、家庭内での虐待行動が比較的抑制されます。しかし、無職でパートナーの収入に依存している寄生型ナルシシストや社会的成功を納めていないナルシシストは、その自己愛のギャップを補う手段を持たず、DV・モラハラがより苛烈になります。虐待によってしか自身の精神を保てないためです。
DVモラハラは加齢とともに。。。
寄生型や社会的成功のないナルシシストのDVモラハラは加齢とともに悪化します。一般的に年齢を重ねるごとに社会的な成功が難しくなり、ナルシシストが抱える誇大な自己像とのギャップがより深刻化するためです。若い時なら、将来自分は大成功するかもしれないと妄想に浸ることもできますが、加齢とともにこの精神的な逃げ道が塞がれて行きます。これにより、彼らの攻撃性や支配欲求がますます強まり、パートナーや家族への精神的・肉体的な圧力が増します。
もしあなたが、まだ若く、なんとか耐えられる程度のモラハラに苦しんでいる場合でも、「社会的成功との関係」や「加齢による変化」を心に留めておいてください。ナルシシストは若いうちは、まだ人間らしい部分が残っていることもありますが、年齢を重ねるにつれてそれが失われていく可能性が高まります。とりわけ、社会的成功を収めていないタイプのナルシシストにおいては、その傾向がより顕著です。
女性ナルシシストのDVモラハラの特徴
男性加害者は、虐待の手段として腕力で相手を押さえつければ良いですが、女性はそうは行きません。そのため、女性加害者は「それでも男か?」「そんな稼ぎで恥ずかしくないのか?」といった言葉で男性パートナーの罪悪感や責任感を刺激し、精神的に追い詰めて支配する特徴があります。また、後に紹介する実家依存も女性ナルシシストの方が顕著で、モラ妻の実家総出で被害者を追い詰めて行くこともあります。男性よりも女性のほうが、寄生型ナルシシストとなる可能性が高く、社会的成功や他者からの賞賛からは遠ざかるため、寄生型となった場合、加齢とともに悪性度が増して行きます。
他責・責任転嫁
ナルシシストの特徴として、絶対に自分の非を認めないことが挙げられます。自分の非を認めないため、決してパートナーに謝罪することがありません。異なるバックグラウンドを持つ夫婦の共同生活では、ときに「謝罪」が必要不可欠ですが、ナルシシストからその言葉が出てくることはありません。
自分の非を認めないまま日々の生活を送っていれば、当然、何らかの問題は発生します。そうした際、ナルシシストが常に取る態度が「他責」、すなわちパートナーへの責任転嫁です。
これは被害者の精神的疲弊を加速させる要因となります。たとえば家庭内でトラブルが発生した際、ナルシシストは決して自分の過ちを認めず、「お前のせいでこんなことになった」「お前がもっと○○していれば、問題は起きなかった」といったように、責任を一方的に押しつけてきます。被害者は、理不尽な非難を浴びせられ続けることで、「本当に自分が悪いのではないか?」という錯覚に陥り、次第に自己肯定感を失っていくのです。
投影・自己紹介
「投影・自己紹介」は、ナルシシストが頻繁に用いる特徴的な言動のひとつです。これは、自分の欠点や問題行動を、あたかも相手が持っているかのように非難する心理的メカニズムであり、心理学では“Projection”(投影)と呼ばれます。
イメージとしては、プロジェクターを使って自分自身を他者に映し出しているようなものです。実際にはナルシシスト自身が抱える問題であるにもかかわらず、彼らはその問題を相手になすりつけ、糾弾します。この現象があまりにも的確にナルシシスト自身の行動を反映しているため、皮肉を込めて「自己紹介」と呼ばれるのです。
たとえば、日常的に相手を言葉で傷つけ、支配しようとするモラハラ加害者が、「お前こそがモラハラをしている!」と責め立てるケースがあります。被害者は、自分こそがモラハラを受けている立場なのに、加害者から全く同じ言葉を投げつけられることで、混乱し、まるで自分が加害者なのではないかと錯覚してしまいます。自分の頭がおかしくなったのではないかとさえ思わされるのです。
マイルールの押し付け
虐待型ナルシシストの特徴のひとつに、異常なまでの「マイルール」の押し付けがあります。
たとえば─
・箸の置き方
・靴の脱ぎ方
・歯ブラシの置き場所
・これはしてはいけない
・これは必ずしなければならない
このように、細部にわたる独自のルールを設け、相手に強制します。
儀式化して行きます。
彼らは相手を完全にコントロールすることで、自身の精神的安定を保とうとするのです。そのため、パートナーがナルシシストの望む通りにルールを守れない場合、すぐさま精神的な虐待が始まります。
「そんなこともできないのか?」「何度言ったら覚えるんだ?」といった侮蔑的な言葉を浴びせるだけでなく、罰として無視をしたり、生活上の権利を制限したりすることもあります。
被害者は常に相手の機嫌を伺い、ルールを守らなければならないというプレッシャーにさらされ、心から安らげる時間を奪われていきます。
家庭内で起きるイジメ
ときに、家庭内でおきるいじめとしか言いようのない異常なマイルールの押し付けが起きることもあります。
・部屋で寝てはいけない ── 廊下や地下室など、常識外れの場所で寝るよう強制される ・家族旅行でも、被害者だけベッドで寝てはいけない ── 床に寝かされる
・トイレの使用を禁じられる ── 外で済ませてから帰宅するよう命じられる
・キッチンの使用を禁止される ・食事をとること自体を制限される
・洗濯機の使用を禁じられる、あるいは他の家族とは別にされる
・締め出し ── 家の外で一晩過ごすよう強いられる
これらは単なる家族間のルールというレベルではなく、精神的・肉体的虐待に等しいものです。
ナルシシストの実家依存
ナルシシストの実家依存には、大きく分けて二つのパターンがあります。 一つは、何かと理由をつけて実家に頻繁に戻り、なかなか夫婦の家に帰ってこないケース。 もう一つは、ナルシシストの家族が夫婦の家に頻繁に訪れ、まるで自分たちの家のように入り浸るケースです。 どちらの場合も、パートナーは家庭の主導権を握れず、次第に孤立感を深めていきます。
いずれの場合においても深刻なのは、ナルシシストの家族全体が一丸となって被害者を追い詰めるケースです。 家庭内で起きるDVやモラハラは、まるで学校でのいじめのように、集団でターゲットを孤立させ、精神的に支配するという構造を持っています。
被害者は「家族の一員」として認められることはなく、むしろ明確に線引きされた“外様”として扱われます。 家庭内での役割も、被害者の意思とは無関係に都合よく決められ、愛情を受けるどころか、義務と責任だけを押し付けられる存在になってしまうのです。 言葉は強いかもしれませんが、まるで“利用するための存在”として扱われているかのようです。
このようなケースでは、婚姻中からすでに「片親疎外」が始まっていることもあります。 子どもは自分自身では生きていく力がないため、自分の生存にとって有利な存在に自然と傾く傾向があります。 ナルシシスト家族が一団となって被害者を追い詰める場合、子どももその流れに巻き込まれ、加担するようになってしまうことがあります。自らの子どもが、まるで集団いじめの加害者の一員のような立場となり、自分を攻撃してくるのを目の当たりにすることは、親として非常につらく、心に深い傷を残します。
一般的に、子どもは母親と強く結びつく傾向がありますが、ナルシシスト(毒)家系への「嫁入り婚」の場合、母親(被害者)が酷い片親疎外を受け、結果的に子どもから拒絶されてしまうことも少なくありません。
私の場合は、元妻の両親や兄弟が頻繁に我が家に出入りし、まるで自分たちの家のように振る舞うパターンでした。その家族全体からは、元妻の浪費を支えるために「稼ぐだけの存在」、そして「大切にする必要のないロボット」のような扱いを受けていました。その影響で、子どもたちも次第に同じ考え方に染まっていったのです。この写真に映っているのは、私が家の中を自由に移動できないように、子どもが作ったバリケードです。ナルシシストとの結婚生活では、本人だけでなくその家族、そして自分の子どもまでもが加わり、まるで集団いじめのような状況が日常になっていきます。
マネハラ(経済的虐待)
マネハラ(経済的虐待)は、パートナーの経済状況をコントロールし、自由を奪う手段として用いられます。加害者の性別によってその手法は異なるものの、共通するのは被害者を経済的に追い詰め、依存を強いることです。
男性加害者の場合、妻が働きに出ることを禁じたり、「子どもには母親と一緒にいる環境が理想的だ」といった美辞麗句を使って専業主婦にさせることがあります。そして、生活費を渡さない、収支を細かく監視し自由に使えるお金を制限するなど、経済的な支配を強めていきます。
一方、女性加害者の場合、浪費を繰り返す、自分のルールで家計を管理しパートナーの収入を搾取するなど、経済的寄生の傾向が強くなります。結果として、男性パートナーは自分が自由に使えるお金がほとんどなくなり、精神的にも追い詰められていきます。
いずれの場合も、被害者は慢性的な経済的ストレスを抱え、生活の選択肢を狭められることで、より一層支配されやすくなるのです。
私の経験上、女性型の経済的寄生のパターンを示す男性ナルシシストは一定数存在しますが、男性型の自分だけがお金を稼いでくる状況を作りだし、男性被害者に専業主夫となるよう強要して支配を強めていく女性ナルシシストの存在は一度も聞いたことがありません。マネハラに関する明らかな性差はこの部分です。もし、男性型のマネハラパターンを示す女性ナルシシストを御存知でしたら、コメント頂けると嬉しいです。
ナルシシストとの結婚で失う金額
ナルシシストは、才能や努力によって自立した人、いわゆる“優秀な人”をターゲットにする傾向があります。女性被害者の中には、結婚前にキャリアを築き、安定した収入を得ていた方も少なくありません。しかし、男性ナルシシストは往々にして、そのキャリアを断念させ、専業主婦や家庭内に閉じ込める方向へと誘導します。その結果、被害者が本来得られたはずの生涯収入──ときには数億規模──が失われることになるのです。
一方、男性被害者もまた例外ではありません。家庭内での精神的・経済的支配やモラルハラスメントにより、仕事への集中が妨げられたり、キャリアが停滞したりすることで、収入の機会を大きく逸することになります。そのうえ、ナルシシストパートナーの浪費癖により、経済的な搾取や借金まで背負うケースもあります。
実際、ナルシシストとの長期的な結婚生活を経験した人に話を聞くと、「本来なら得られた収入」や「実際に浪費された金額」を合計すると、数千から数億単位の損失になることも珍しくありません。
仮に10年以上の結婚生活であれば、数百レベルでは済まない──それが現実です。
ゴミ屋敷化と潔癖症・強迫性障害の共存
ナルシシストは空っぽな心を埋めるために、浪費家であり、家が物で溢れて行くことが多いです。空っぽな心を埋めるために物で溢れていないと落ち着かないのかもしれません。片付けて物が減ると不安になるのかもしれません。結果として家がゴミ屋敷化して行きます。被害者側が片付ければ良いのでは?と思うかもしれませんが、片付けてしまうと、先ほどの「他責」がやってきます。何かものが見つからない、紛失したなんてことがあると、「お前が片付けていただろう?お前がなくしたに違いない!!」となります。被害者は、片付けたいと思っても、次第にどうすることも出来なくなります。
元妻のベットの様子を例にします。
このゴミ屋敷のような状況と一見矛盾するかのように思えますが、自己愛性人格障害は「潔癖症」や「強迫性障害」の原因の一つとされています。家中が物で溢れ混沌としている一方で、外から持ち込んだ食材や日用品を一つひとつ除菌シートで執拗に拭き取るなど、過剰なまでに潔癖な行動を取ることがあります。その様子は、まるで何かに取り憑かれているかのようで、周囲の人々にとっては理解しがたく、異様さすら漂います。
もちろん、この“除菌儀式”は本人だけで完結するものではなく、被害者にも厳しく強制されます。論理性を欠いた一貫性のないマイルールとして押し付けられ、少しでも従わなければ「家族を危険にさらすつもりか!」「ばい菌を家に持ち込む気か!」といった激しい非難や責めを浴びることになります。
異常事態の連続
他の被害者の方々との会話や、自分自身のモラハラ婚を振り返って思うナルシシストの特徴は、ナルシシスト以外のほとんどの人が一生のうちに誰に対しても決してしないようなことを、何度も平然と繰り返すという点です。
しかも、それらは狙ったターゲットに対してのみ行われ、他の人には決してしないのではないかと感じます。
・どんな旅行でも、家族や友人にベッドで寝ることを禁じ、床で寝るよう強要したことのある人がいるでしょうか?
・友人や知人に、一晩家に入ることを禁じて外で過ごさせた経験のある人がいるでしょうか?
・誰かの顔にゴミを投げつけたことのある人がいるでしょうか?
・子どもを使って、誰かに暴力(殴る・蹴る)を強要したことがある人がいるでしょうか?
・食事やトイレを制限したことのある人がいるでしょうか?
人それぞれ、他の人と異なる点はあるものです。
しかし、ほとんどの人が一生涯、誰に対しても決してしないようなことを、ナルシシストはターゲットに対してだけ、何度も何度も繰り返してくるのです。
言葉は矮小化する
ナルシシストとの結婚で何が起こるのかをまとめましたが、実体験者として強く感じるのは、「言葉では到底伝えきれない」ということです。言葉にすることで、その異常な状況がどうしても矮小化されてしまいます。あの、何とも言えない違和感や理不尽さを、文章では完全には表現できません。実際には、ここに書ききれなかったことがたくさんあります。
言葉にした瞬間、それはどうしても薄れてしまうのです。たとえば、「カサンドラ症候群」という概念で説明すると、少しは伝わりやすくなるかもしれません。パートナーとの意思疎通が極端に困難で、話がまったく噛み合わない日々。「夫(妻)が私のことを理解してくれない」と第三者に相談しても、その被害の深刻さは正確に伝わらず、「どこの夫婦もそんなものよ」と軽く返されてしまいます。
幸いにも、愛情深い、あるいはごく普通の家庭環境で育ち、ナルシシストを家族に持つことがどういうことなのか想像できない方には、この記事だけでは被害の全貌を十分にお伝えできていないことを、どうかご理解いただきたいと思います。
ナルシシストとのモラハラ婚 まとめ
ナルシシストとの結婚生活は、外からは見えにくい深刻な支配と搾取の構造を持っています。言葉による暴力、経済的拘束、家族ぐるみの孤立化、そして精神的・物理的な圧迫。こうした状況は、被害者が自分の力だけでは気づきにくく、抜け出すのも非常に困難です。
実際には結婚しているものの、その関係はまるで悪質な結婚詐欺にあったかのような状態です。結婚をちらつかせてお金や身体を奪う結婚詐欺と異なり、精神的虐待や子どもへの洗脳・引き離しまで行われるため、ある意味では結婚詐欺以上に深刻な被害となります。
すべての被害者に共通しているのは、「適齢期までに相手がナルシシストかどうかを見抜く力を持てなかった」という一点の未熟さが、大きな被害に繋がってしまったということです。
私は職業柄、大学で学生と接する機会が多くあります。熱心に学業に励む学生たちや、その受験を支えてきたご家族の努力は、将来の自分や、自分が築く家庭の幸せを願ってのことだと思います。しかし、「見抜く力」が備わっていなかったがために、結婚相手によってこれまでの努力や時間が一瞬で吹き飛ばされ、さらに窮地に追い込まれ、時には「生きることさえ諦めてしまう」ような学生が、全体の5〜10%ほどいるのではないかと感じると、何とも言えない気持ちになります。
本記事で紹介した特徴や事例を通じて、「もしかして自分も…」と感じた方がいれば、それは決して気のせいではないかもしれません。知識を持つことで、自分や大切な人を守る第一歩になります。
そして、これから結婚を考えるすべての人にも、この現実を知ってほしいと思います。健全で尊重し合える関係を築くために、パートナー選びは何よりも重要です。