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Date: Mon, 14 Jul 2025 20:26:15 GMT
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(緊急)BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2022-3924)
株式会社日本レジストリサービス Copyright©2001-2025 Japan Registry Services Co., Ltd.
--------------------------------------------------------------------- ■(緊急)BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2022-3924) - バージョンアップを強く推奨 - 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 初版作成 2023/01/26(Thu) --------------------------------------------------------------------- ▼概要 BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービ ス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。 本脆弱性により、提供者が意図しないDNSサービスの停止が発生する可能性 があります。 該当するBIND 9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビュー ションベンダーからリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適 切な対応を速やかに取ることを強く推奨します。 本脆弱性はserve-stale(後述)が有効になっているnamedにおいて(デフォ ルトでは無効)、設定ファイル(通常はnamed.conf)の stale-answer-client-timeoutオプションに、0より大きい値を指定している 場合のみ対象となります。 ▼詳細 ▽本脆弱性の概要 serve-staleはRFC 8767で定義される、DDoS攻撃や事故などで権威DNSサーバー から応答が得られなかった場合に期限切れのキャッシュデータを活用して、 名前解決を継続するための機能です。namedのserve-staleはデフォルトで無 効になっており、設定ファイルのほか、rndcコマンドで有効に変更できます。 BIND 9.xにはserve-staleの実装に不具合があり、以下の条件をすべて満た した場合、namedが異常終了する可能性があります。 1)serve-staleが有効になっている 2)設定ファイルにおいて、stale-answer-client-timeoutオプションに 0より大きい値を設定している(デフォルトではoff) 3)クライアントから数多くの再帰問い合わせを受け取った結果、処理中 の再帰問い合わせの数が設定ファイルのrecursive-clientsオプション の設定値[*1]に達し、応答待ちのクライアントにSERVFAIL[*2]を返す 必要が生じる [*1] デフォルトでは1000に設定されています。なお、recursive-clientsに よる制限は、設定値の90%(デフォルトでは900)に達した時点で発動 します。動作の詳細については、BIND 9に付属のマニュアルをご参照 ください。 [*2] 問い合わせを処理できなかった旨の応答。 ▽対象となるバージョン 本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。 ・9.18系列:9.18.0-9.18.10 ・9.16系列:9.16.12-9.16.36 なお、ISCではサポートを終了した系列のセキュリティパッチはリリースし ないと発表しています。 ▽影響範囲 ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。 本脆弱性はnamedの設定ファイルにおいて、stale-answer-client-timeoutオ プションに0より大きい値を設定している場合のみ対象となります。 本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*3]も併せてご参照ください。 [*3] CVE Record | CVE <https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2022-3924> ▼一時的な回避策 namedの設定ファイル(通常はnamed.conf)において、 stale-answer-client-timeoutオプションに0またはoff/disabled(デフォル ト)を設定することで、本脆弱性を回避できます。 なお、制限が発動しないようにrecursive-clientsの値を増やすことでも本 脆弱性を回避できますが、サーバー資源が限界を超える可能性が高まるため、 推奨されません。 ▼解決策 本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.18.11/9.16.37)への更新、 あるいは、各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適 用を、速やかに実施してください。 ▼参考リンク 以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、 適切な対応を取ることを強く推奨します。 - ISC セキュリティアドバイザリ CVE-2022-3924: named configured to answer from stale cache may terminate unexpectedly at recursive-clients soft quota <https://kb.isc.org/docs/cve-2022-3924> パッチバージョンの入手先 BIND 9.18.11 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.18.11/bind-9.18.11.tar.xz> BIND 9.16.37 <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.16.37/bind-9.16.37.tar.xz> ▼連絡先 本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ さい。 --------------------------------------------------------------------- ▼更新履歴 2023/01/26 10:00 初版作成
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