ジープ ラングラー 「都心でも楽しいワイルドSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

都心でも楽しいワイルドSUV

2025.2.27

年式

2024年5月〜モデル

総評

1941年登場の軍用車両である「ウィリスMB」を起源とし、80年以上にわたって「どこへでも行ける。何でもできる。」というスピリットを守り続けてきた本格オフローダー。2024年に受けたマイナーチェンジで伝統のフロントグリルは少し都会的になり、12.3インチの大型タッチスクリーンを装備するなど使い勝手も向上しています。小回りは効きませんが、おおらかな気持ちで都心部から郊外まで頼もしくドライブできるSUVです。

満足している点

どこに何があると詳しく書いてしまうとオーナーさんの楽しみが減ってしまうので書きませんが、ジープのモデルにはあちこちに「隠れミッキー」的な遊び心が散りばめられていて、ラングラーも例外ではありません。有名なところではフロントガラスの端っこですが、そのほかにもたくさんあり、見つけると嬉しいですよね。

不満な点

最小回転半径が従来のJK型より小さくなったとはいえ、6.2mということで市街地での取り回しは注意が必要。ステアリングの切角も少ないので、車庫入れなどでも何度も切り返して入れるようなシーンがあります。

デザイン

5

唯一無二のタフ＆ワイルドで本物感ただようデザイン。マイナーチェンジで伝統の「7スロットグリル」が新しくなり、少し都会的なイメージが加わった印象です。でも単にデザインを変更しただけでなく、これによってエンジン冷却性能も高まっているというからさすが。ホイールのデザインも刷新されて、シルバーのスポークとブラックのスポークを混合させた凝ったデザインがオシャレです。

走行性能

5

直進やカーブでの安定性がアップしたと感じます。2.0Lの直4ガソリンターボエンジンは、全体的には重厚感がありながら、発進直後には軽やかさがあってストップ＆ゴーが扱いやすくなっています。速度域が高くなると、オンロード重視のSUVとは違ったおおらかな乗り味が顔を出しはじめ、昔ほどはがっしり握っていなくてもフラフラしないですが、少し気が引き締まる感覚。きついカーブでは昔ほど深いロールはしなくなっていますが、速度をゆるめてしっかりとステアリングを操作しつつ曲がる必要があり、そうした「自分が操作している」という意識も楽しむドライブができます。

乗り心地

3

マイナーチェンジではタイヤサイズも銘柄も変わらずマッドテレインタイヤを履いていながら、市街地から高速道路まで乗り心地に落ち着きがあり、ドタバタとした余計な振動があまり入ってこないと感じました。ゴーゴーというロードノイズや風切り音はやや響いてくるものの、それさえも気分を盛り上げる楽しい要素にしてしまうのがラングラーです。

積載性

4

悪路走破性を優先しているため、想像したほどたくさんの荷物は積めない……と感じるかもしれません。強固なボディで内側にロールケージも通っており、外から見た横幅よりひとまわり小さなラゲッジスペースです。ただ、形状がスクエアなので箱ものが積みやすいという利点も。バッグゲートは上半分のガラスハッチは上下開きで、その下のスペアタイヤがついている部分は横開きとなっています。

燃費

2

燃費はあまり期待しない方がいいクルマですが、高速道路を低めの速度でクルージングしていると、カタログ燃費の9.2〜9.3km/L（WLTCモード）に近い数値が出たこともありました。市街地をちょこちょこと走るのがいちばん燃費が悪化しがちですが、多くの輸入車がハイオク仕様のところ、ラングラーはレギュラーガソリン仕様というのは嬉しいですね。

価格

4

以前より価格がアップしてしまいましたが、ラングラーは人気モデルであまり価値が下がらないことから、安心感はあると思います。人気のボディカラーや限定車など、時代を先取り＆予想して買うのも楽しいかもしれません。