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NSX2019モデルは限界性能を高めたが、牙を抜かれて丸くなった寂しさもある
掲載 更新 carview! 文:伊藤 梓/写真:編集部 103
初期モデルの走りは衝撃的だった
この業界に入って間もない頃、当時出たばかりのホンダ「NSX」に乗った。そのときの衝撃をとてもよく覚えている。走り出した瞬間から、頭の先から指先の神経まですべてクルマとつながって、何もかも自分でコントロールできるような気分になる。
まるで真ん中にコックピットがあるロボットを操縦しているかのように、自分の力を何倍にも膨らませながら、イメージ通りに自在に駆け回ることができる。まだ自動車雑誌の編集者になりたての新人だったが「エヴァンゲリオンを操縦したらこんな感じなんだろうな」と思うくらい、その一体感や楽しさを存分に体感することができた。
NSXには車高の上げ下げができるリフターが付いていないので、アゴを擦りそうな段差には少し気を使うが、前後左右の視界はとにかく広いし、都内でも気兼ねなく運転できてしまう。
アクセルをぐいっと踏み込めばスーパーカーらしく暴力的なパワーが放出されるし、交差点やちょっとしたカーブでもミッドシップらしい鋭い切れ味で曲がってくれる。普段も楽しく運転できるのに、ふいに牙をむくようなギラリと光る個性が好きだった。たとえば、子供たちを助手席に乗せてもきっとワクワクするだろうし、「子供たちが憧れるスポーツカー」としても輝くポジションに君臨できるはずだ。
今回試乗したのは、マイナーチェンジした2019年モデル。大きな期待を抱えながら当日を迎えたのだが、率直に言うと衝撃を受けた初期モデルと印象が違っていて、私にとっては「これじゃない」という後味が残った。
とても乗りやすくて、乗り心地も良くて、いつまでも乗っていたい……そうは思ったが、どうもしっくりこない部分がある。肌を通してビリビリと感じた日常域での一体感や、見え隠れしていた鋭い牙が抜かれてしまったように感じたのだ。NSXの一番の楽しさを感じるためには、マイナーチェンジ後のモデルだとほぼ危険運転のような領域まで踏み込まなければならない。クルマの限界はさらに遥か遠くにあって、もう手の届かないところに行ってしまっているようだった。
みんなのコメント
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2020/1/16 07:42長いものに巻かれない、媚びない記事。
多くの忖度記事が、クルマの白物家電化に拍車をかけてる事への警鐘ですね。
何もかもに牙を剥けば良いわけではないが、読者や検討中の消費者にとって知りたいのは本音のレビューですからね。-
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