皆さんは相場暴落時の対応方法は考えていますでしょうか。或いは、覚悟はできているか、と言った方が良いかもしれません。
投資をされている方の中には昨年8月の暴落を経験された方が多くおられるでしょう。私も例にもれず、たった数日の間に△数千のマイナスを経験しました。さすがに短期間でこの規模のマイナスは今まで経験しておりません。以前には、双日株やFXで△1千を超える損失を経験しましたが、金額的にはその時よりも大きいということになります。
ただし、心理的な負担としては、昨年の暴落の方がはるかに軽かったです。それは、何度かの暴落や損切を経験し、気持ち的には多少なりとも慣れていたこともありますが、全体に占める損失の割合という要素もあると感じております。或いは、「この損失を被ってもあと〇〇ある」という安心感とも言えます。
このような心持ちは、持っている資産の種類により異なる場合もあるでしょう。
同じ株式であっても、株式そのものを持つ場合と株式に投資している投資信託を持っている場合は異なるように感じます。そして、この差が私が投資信託を選択しない理由の大きなものと言えるかもしれません。
私は主に高配当株式を保有しておりますが、その時に留意しているのは、その会社の配当方針です。つまり、原則としてDOEもしくは累進配当制度を導入している会社を選択しております。
従来はその期の利益に連動した配当性向を配当制度として導入している会社が多かったと感じますが、「利益貯めこみ」に対する批判や、資本効率追求の風潮に影響され、最近は期間利益よりも資本に連動した配当制度が多くなったように思います。
特にDOEが良いと考える理由は、
①配当の増減が緩やかになる
②業績が厳しい時は無理に配当しなくてよい仕組みになっている
③投資家(含アクティビスト)にも説明しやすい
というものがあると考えます。
①については、配当以上に利益を稼げば次期の増配が約束されたようなものであり、一定レベル以上の利益さえ稼げば毎年増配する仕組みになります。
②については、累進配当制度だと、赤字の期があっても前期より増配しなければならなくなり、財務を毀損する可能性がありますが、DOEだとその分自動的に減配になります。しかしその幅は一般的に少なくなる傾向にあります。ですので、株主にも会社にも優しい制度となっております。
以上により、③に記載した通り、多くの株主にとって納得度の高い制度とな言えるでしょう。
さて、暴落時の話に戻りますが、配当のない投資信託は多くあり、暴落時にはそのマイナスが直撃するわけですが、DOEを中心とした高配当株投資をしていると、暴落時であっても通常時とそれほど変わらない配当収入を得られるという安心感を確保することができます。それだけでなく、その配当を自分の選んだ投資先に再投資できることで、相場回復時の利益を相場全体平均より大きくできる可能性もあります。ピンチはチャンス、というわけです。ですので、私は個別株を購入し、インデックス投資をしません。
対応方法はどちらも最終的に大半をホールドし続けるということになると思いますが、その中でより前向きに動けるのはやはり個別株投資かな、というのが個人的な感想となります。