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【試乗】新型 スバル フォレスター プロトタイプ|ボディの剛性がとにかく高い! 走りの質は大満足
カテゴリー: スバルの試乗レポート
2025/04/20

待望の日本国内モデルが登場!
米国ではすでに発表されている6世代目の新型 スバル フォレスター。
デザインは、流行の力強いフロントマスクと繊細さを醸し出すリアビューが特徴。サイドパネルはWRX S4由来のデザインを踏襲し、独特なSUVのフォルムをつかさどった。
米国は、スバルを世界に羽ばたかせた最も重要なマーケットのひとつだ。
今年度よりトランプ政権となり、税制上アメリカで生産されることが最も有利で望まれている。今回、フォレスターの一部を初めてSubaru of Indiana Automotive, Inc.の工場で生産しているため、関税に対して多少は有利とされる。先見の明があるのか、はたまた運の良さともいえる。
ちなみにスバルの生産工場は、アメリカと日本でほぼ同じパーセンテージとなっている。リスクヘッジを考慮したスバルらしい考え方であろう。

プラットフォームにテコ入れした恩恵は大きい
Frontきが長くなったが、今回はスバルの屋台骨のモデルとして注目を浴びる新型フォレスターの国内プロトタイプの試乗である。
場所は袖ヶ浦フォレストレースウェイで、2つのモデルを中心に試走させていただいた。
はじめは、THS(トヨタハイブリッドシステム)を利用して独自のスパイスを注入した、ストロングハイブリッド仕様の「Premium S:HEV EX」だ。


搭載される2.5L直噴ユニットは160psを発生。そしてモーターがおよそ120psを発揮する。トルクはエンジン仕様よりもモーターの方が6kgf・mほど上回った性能だ。
トランスミッションはCVT。CVTは、世界的にスバルが発展に寄与した構造のATである。
このトランスミッションの最良点は、連続的に近い減速比を可能にしていること。そのため、エンジンにとっておいしい回転部分にとどめることができ、さらに減速比を多段階に設定して楽しいドライビングも可能なのだ。
では試乗に移ろう。このモデルは、シルバーをベースにした19インチのホイールと内装に都会的なエッセンスが組み込まれた。

ストロングハイブリッドになった関係でフレームにも手を入れている。走り出しですぐ感じるのは滑らかさだ。正直言ってCVTは滑らかさが身上のトランスミッションだが、先代モデルはアイドリングストップからの発進がいささかぎこちなかった印象だ。新型のストロングハイブリッド仕様はどうであろう。
ピットロードからスタートだ。力強いモーターの恩恵で、驚くほど滑らかに加速する。全負荷からコーナーに合わせた速度で通過する。

先代よりも非常に滑らで、フラットライドの状態で高速コーナーも抜けることができる。ヒップポイントの収まりもいい。
タイトなカーブでも揺れ返しを最小限に抑える。19インチだからといって突き上げ感もなく、サスペンションがよく動く。
時速120kmからブレーキングをして、コースのゼブラゾーンに片輪を乗り上げてみる。インパクトハーシュネスも良好で、全くガタピシしない。

さすが、メインプラットフォームにテコ入れしただけのことはある。エンジン音も抑えられていて、遮音性も大きく向上し、質の良さを感じることができる。
高速から低速へのフルブレーキング時の姿勢のスタビリティも良好だ。扁平率50%のタイヤを履いていても、しなやかなである。
続いて、1.8Lターボユニットを搭載する「SPORT EX」の試乗だ。
こちらは、先代のエンジンと同様ではあるが、ストロングハイブリッドモデルに比べ軽量で、内燃機関モデル特有の特性に馴染みがある方にはいいはずだ。


軽快感があり、ハンドリングも良好。ラック&ピニオンの改良仕様が装着されているのと、すべてのグレードに共通する部分でもあるが、ボディの剛性がとにかく高い。これは質の良さを表している。

ただ一点だけ苦言を申せば、ステアリングホイールの表皮の素材が良くない。操作性や剛性感が増して正確なステアリングフィールが可能になっているだけに、一層感触のフィールに違和感を覚えてしまう。ここだけスバルらしさを感じることができなかった。

路面がフラットなサーキット試乗であったので、乗り心地やハンドリングは一般道よりも良質に感じた。しかし、「リアルワールドでの性能」に徹底的にこだわっているスバルゆえ、一般道でも同様なフィールであることが期待できる。
いずれにしても、今回試乗したプロトタイプの走りは申し分ない。

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は馬場馬術。
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